7 / 29
第一章
打ち明けると突然の告白
しおりを挟む
ルゼリウスからティラベルの話した内容を聞き英治は、ハァーっと溜息をついた。
「確かに面倒ごとは嫌だ……関わりたくないと思っている。だが、ティラベルから話を聞いて俺のできる範囲なら手伝ってもイイと思った」
「そういう事か……でも、なんでベイジスの方を断った?」
「ティラベルの言葉を信用した。それと……俺の勘がベイジスの方は危険と感じたからだ」
それを聞きルゼリウスは納得する。
「なるほど、まあいい……じゃあ話を進めるか。面白い能力を使っていたと聞いたが術者……召喚士か?」
「召喚士……似たようなものだ。だが違う、なんて説明すればいい……」
「おかしなことを言うな。自分の能力を理解していないのか?」
そう問われ英治は首を横に振るも返す言葉に詰まってしまった。
「能力については理解している……だが、どう説明したらイイか迷っているんだ」
「なぜ迷う必要がある? ありのまま話せばイイはずだ」
「言っても信じてくれる訳がない」
言ったとしても能力が特別に授かったもので自分の妄想から具現化できるものだってことを信じてもらえる訳もない。
そう考えてしまい言えずにいる。
「信じるも何も言ってくれなければ分からない」
そう言われ英治は悩んだ。
だがプレートを見た時に別の世界から来たことと能力についてを、この世界の者に話しても問題ないと書かれていたのを思い出した。
「じゃあ……俺が別の世界から来たって言ったら信じるのか?」
「別の世界だと……そんなことが起こり得るのか?」
それを聞きルゼリウスは疑いの目で英治をみる。
「そうか……エイジの能力、不思議な気がした。それに何も知らない理由……それなら理解できる」
「ティラベルは信じてくれるのか?」
「うん……変わった能力を使ってた。それをみて強いんじゃないのかと……思ったから」
ティラベルの言葉を聞きルゼリウスは英治の能力をみたくなった。
「そうだな……お前の能力をみせてくれないか? 信じるかどうかは、その能力をみて判断する」
「本気か? まあ、みせても問題ないか。そうなると何を具現化するかだ」
「なんでも具現化できるのか?」
そう問われ英治は首を横に振る。
「俺の能力は、この世界に転移させられた時に授かったもので創作スキル【妄想】だ。それで――……」
鞄に仕舞っておいたガラス製のプレートを取りだし英治は、ティラベルとルゼリウスにみせた。
「これは俺の能力で具現化した物だ」
「これを、お前が……どう使う?」
聞かれた英治は使い方を教える。
「なるほど……ナビタブと同じような物だな。違う所は己の能力を知ることができるってことだけか」
「ナビタブ……どんな物なんだ?」
「本当に知らないんだな」
そう言いルゼリウスは服の内ポケットから青でカードサイズの物を取りだした。その後カードの中央にあるボタンに触れる。
その青いカードサイズの物は、パカッパカッと変形していき二百×百三十五×六ミリサイズのタブレットになった。
それをみた英治の目は、キラキラと両方共に輝かせている。
「これがナビタブか……それにしても凄い! 変形するなんてな」
「こんな物も知らない世界から来たってことか?」
「ああ……まあ似たような物はあったけどな」
怪訝な表情になりルゼリウスは英治を凝視した。
「まだ信じられない。そうだな……さっきも言ったが能力をみせてくれ」
「ああ、そうだった。タダ……何がイイかだ。それに今の俺のレベルだと手で持てるサイズや服などしか具現化できない」
「そうなのか? でも、あの時……大きなクッションみたいな物を具現化してた」
そう言いティラベルは首を傾げる。
「手に持てない大きな物や武器なども具現化できるが……今のレベルじゃ、すぐに消える」
「それなら持てる物で、この世界に存在しないヤツを具現化したらどうだ?」
「その方がイイか……そうなると」
何を具現化しようかと英治は思考を巡らせた。
(この世界について、まだ何も知らないと同じだ。どんな物を創造したらいい?
今までみた中で……俺の居た世界にあって、この世界にない物。かつて発展していた世界だぞ、そうそう……ない気もするが)
そう思いながら英治はティラベルへ視線を向ける。
「何みてる……惚れたのか?」
「……。どうしたら、そんな発想になるんだ」
「それは残念。ボクは一目惚れだぞ」
言ったはイイがティラベルは恥ずかしくなり両手で覆い顔を隠した。その顔の下は茹蛸のように赤くなっている。
「あーおいっ! 一目惚れって……まさか俺にか?」
あり得ないことを言われて英治は困惑した。
それを聞いたティラベルは、コクッと頷き手の隙間から英治をみる。
「ほう……ティラが男を好きになるとはな。てか……そういう事は堂々と人前で言うことじゃない」
「そ、そうなのか……これから気を付ける」
「まあいい。それよりも具現化する物は決まったのか?」
そう問われるも英治はティラベルから、とんでもない一言を告げられたため混乱状態になっていた。
「確かに面倒ごとは嫌だ……関わりたくないと思っている。だが、ティラベルから話を聞いて俺のできる範囲なら手伝ってもイイと思った」
「そういう事か……でも、なんでベイジスの方を断った?」
「ティラベルの言葉を信用した。それと……俺の勘がベイジスの方は危険と感じたからだ」
それを聞きルゼリウスは納得する。
「なるほど、まあいい……じゃあ話を進めるか。面白い能力を使っていたと聞いたが術者……召喚士か?」
「召喚士……似たようなものだ。だが違う、なんて説明すればいい……」
「おかしなことを言うな。自分の能力を理解していないのか?」
そう問われ英治は首を横に振るも返す言葉に詰まってしまった。
「能力については理解している……だが、どう説明したらイイか迷っているんだ」
「なぜ迷う必要がある? ありのまま話せばイイはずだ」
「言っても信じてくれる訳がない」
言ったとしても能力が特別に授かったもので自分の妄想から具現化できるものだってことを信じてもらえる訳もない。
そう考えてしまい言えずにいる。
「信じるも何も言ってくれなければ分からない」
そう言われ英治は悩んだ。
だがプレートを見た時に別の世界から来たことと能力についてを、この世界の者に話しても問題ないと書かれていたのを思い出した。
「じゃあ……俺が別の世界から来たって言ったら信じるのか?」
「別の世界だと……そんなことが起こり得るのか?」
それを聞きルゼリウスは疑いの目で英治をみる。
「そうか……エイジの能力、不思議な気がした。それに何も知らない理由……それなら理解できる」
「ティラベルは信じてくれるのか?」
「うん……変わった能力を使ってた。それをみて強いんじゃないのかと……思ったから」
ティラベルの言葉を聞きルゼリウスは英治の能力をみたくなった。
「そうだな……お前の能力をみせてくれないか? 信じるかどうかは、その能力をみて判断する」
「本気か? まあ、みせても問題ないか。そうなると何を具現化するかだ」
「なんでも具現化できるのか?」
そう問われ英治は首を横に振る。
「俺の能力は、この世界に転移させられた時に授かったもので創作スキル【妄想】だ。それで――……」
鞄に仕舞っておいたガラス製のプレートを取りだし英治は、ティラベルとルゼリウスにみせた。
「これは俺の能力で具現化した物だ」
「これを、お前が……どう使う?」
聞かれた英治は使い方を教える。
「なるほど……ナビタブと同じような物だな。違う所は己の能力を知ることができるってことだけか」
「ナビタブ……どんな物なんだ?」
「本当に知らないんだな」
そう言いルゼリウスは服の内ポケットから青でカードサイズの物を取りだした。その後カードの中央にあるボタンに触れる。
その青いカードサイズの物は、パカッパカッと変形していき二百×百三十五×六ミリサイズのタブレットになった。
それをみた英治の目は、キラキラと両方共に輝かせている。
「これがナビタブか……それにしても凄い! 変形するなんてな」
「こんな物も知らない世界から来たってことか?」
「ああ……まあ似たような物はあったけどな」
怪訝な表情になりルゼリウスは英治を凝視した。
「まだ信じられない。そうだな……さっきも言ったが能力をみせてくれ」
「ああ、そうだった。タダ……何がイイかだ。それに今の俺のレベルだと手で持てるサイズや服などしか具現化できない」
「そうなのか? でも、あの時……大きなクッションみたいな物を具現化してた」
そう言いティラベルは首を傾げる。
「手に持てない大きな物や武器なども具現化できるが……今のレベルじゃ、すぐに消える」
「それなら持てる物で、この世界に存在しないヤツを具現化したらどうだ?」
「その方がイイか……そうなると」
何を具現化しようかと英治は思考を巡らせた。
(この世界について、まだ何も知らないと同じだ。どんな物を創造したらいい?
今までみた中で……俺の居た世界にあって、この世界にない物。かつて発展していた世界だぞ、そうそう……ない気もするが)
そう思いながら英治はティラベルへ視線を向ける。
「何みてる……惚れたのか?」
「……。どうしたら、そんな発想になるんだ」
「それは残念。ボクは一目惚れだぞ」
言ったはイイがティラベルは恥ずかしくなり両手で覆い顔を隠した。その顔の下は茹蛸のように赤くなっている。
「あーおいっ! 一目惚れって……まさか俺にか?」
あり得ないことを言われて英治は困惑した。
それを聞いたティラベルは、コクッと頷き手の隙間から英治をみる。
「ほう……ティラが男を好きになるとはな。てか……そういう事は堂々と人前で言うことじゃない」
「そ、そうなのか……これから気を付ける」
「まあいい。それよりも具現化する物は決まったのか?」
そう問われるも英治はティラベルから、とんでもない一言を告げられたため混乱状態になっていた。
0
あなたにおすすめの小説
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
異世界に転移したらぼっちでした〜観察者ぼっちーの日常〜
キノア9g
ファンタジー
※本作はフィクションです。
「異世界に転移したら、ぼっちでした!?」
20歳の普通の会社員、ぼっちーが目を覚ましたら、そこは見知らぬ異世界の草原。手元には謎のスマホと簡単な日用品だけ。サバイバル知識ゼロでお金もないけど、せっかくの異世界生活、ブログで記録を残していくことに。
一風変わったブログ形式で、異世界の日常や驚き、見知らぬ土地での発見を綴る異世界サバイバル記録です!地道に生き抜くぼっちーの冒険を、どうぞご覧ください。
毎日19時更新予定。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
鈴白理人
ファンタジー
北の辺境で雨漏りと格闘中のアーサーは、貧乏領主の長男にして未来の次期辺境伯。
国民には【スキルツリー】という加護があるけれど、鑑定料は銀貨五枚。そんな贅沢、うちには無理。
でも最近──猫が雨漏りポイントを教えてくれたり、鳥やミミズとも会話が成立してる気がする。
これってもしかして【動物スキル?】
笑って働く貧乏大家族と一緒に、雨漏り屋敷から始まる、のんびりほのぼの領地改革物語!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる