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最終章〜動き出す‥未来へと…
101話〜封印されし部屋の鍵
しおりを挟むここは魔族領土エクスダールのキリア城。クレイデイルはデルカと共に図書館で色々と調べていた。
(ブラットの能力……もしやとは思うが。隔世遺伝が存在するとすれば、あり得ない事はない。その能力とブラットの能力とが一致したなら、早急に手を打ち暴走する前に力のコントロールを出来るようにしておかねばならないだろうな。そうでないと……。)
そう思いながらかつて祖先が残した自分達の能力について記載した書物や本を探し読んでいた。
(やはり、この辺りにはないな。あの話が本当であるなら、何処かに記載されている筈なのだがな。そうなるとここではなく……ウム。そういえば、鍵がかけられた部屋がこの奥にあったが、もしかするとそこにあるかもしれない。)
そう思いながらクレイデイルは奥の部屋に向かった。
奥の部屋の前に来るとクレイデイルは扉を開けてみた。
「ふむ。やはり鍵がかかっていて開かないな。さて、この部屋の鍵は何処にあるのかだが……何故ここだけ鍵がかけられ。その鍵が何処にあるのかも分からない……。」
クレイデイルはその場で少し考えていた。
「うむ。ここで考えていても埒が明かない。もしかしたら、倉庫にあるかもしれない。探してみるとするか。」
クレイデイルは城の地下にある倉庫に向かった。
……地下の倉庫はクレイデイルが王になってから、ほとんど執事やメイドの者達が、たまに掃除に入る程度で、かなり寂れており至る所に蜘蛛の巣が張っていて、明かりも微かに灯っている程度だった。
クレイデイルが倉庫の前まで来ると、
「昔はよくここに来たものだが……まさかここまで酷くなっているとはな。こんな酷く荒れた場所など誰にも見せられん。これは、掃除を強化させねばならんな。」
クレイデイルは倉庫の鍵を開け中に入って行った。
……倉庫の中は薄暗く所々に蜘蛛の巣が張っており、辺りにはかつて使っていた武器や防具やアイテムや色々な物が、ホコリを被り至る所に置いてあった。
それを見たクレイデイルは溜息をつき、
「……はぁ。これは、流石に酷すぎるな。本当に掃除をしていたのか?後で、問いたださなければなるまい。この事は後でいいとして……部屋の鍵を探さなければな。」
クレイデイルは倉庫の中を隅々まで鍵を探したが鍵はみつからなかった。
「何処にあるのだ?うむ、もう少し奥を探してみるか。」
クレイデイルは倉庫の奥に向かった。
……倉庫の奥には、ホコリを被った古い書物や箱などが積まれていた。
それを見たクレイデイルは溜息をつき、その事については今は考えないようにした。
クレイデイルは辺りを見渡してみると更に奥の方に封印された箱がある事に気がつき、
「もしや!あの中に……。」
クレイデイルはその箱の側まで来た。
そしてその箱のホコリを払い書いてある文字を読むと、
「……うむ、これは【我、彼の箱に扉の鍵を封印せり。封印されし部屋の書物宝物、再び解放されるべからず。されど、世界が存亡の危機に頻せる時来たらば、汝等その封印を解き放つべし。】そうなると、この箱の中に鍵が……もしあの扉を開け目的の物がなかったらどうする?」
そして、クレイデイルはしばらくその箱の前で考えていたのだった…。
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