36 / 108
第五章 工業区
1-35 「顔見知りなだけです」
しおりを挟む
「はい? ……あら? 朝の、ノア君のお友達?」
「顔見知りなだけです」
間髪入れず訂正してきた青年は、朝ノアに会いに店に来た青年だった。今はフェルト帽を被って牧師服を着ている。
「今朝は何も注文せずに、慌ただしく出ていってしまい申し訳ありませんでした。電話、本当に有り難うございました」
何か反応する間もなくにこやかに礼儀正しく謝られた。ユスティンと呼ばれていたこの牧師が謝る理由はどこにもない。
「まぁご丁寧に有り難うございます。気になさらないでください、お疲れ様でした」
「そう仰って下さり有り難うございます」
首を横に振って返した。何かの帰りだろうに、きっと謝るために店まで寄ってくれたのだろう。
「ノア君がお世話になっているみたいで……こちらも有り難うございます。あんな態度でごめんなさい」
その丁寧さに嬉しくなって、声を弾ませて返す。が、ノアの名前を出すと、ユスティンが一瞬黙った。
「……いえいえ。元気が良くて良いんじゃないですかね」
一瞬の間なんて無かったように、金髪の青年は笑みを浮かべたまま返してくる。言い方もどことなく雑だ。これはノアが迷惑をかけているに違いない。
フォローも兼ねてヴァージニアは話を続ける。
「ノア君、小さい時はしょっちゅう熱を出してたからですかね、弱く見られないようにってついつい気が強くなるんですよ。本当にごめんなさい」
言い終えるなり、この話は終わりだとばかりに近くのハンギングバスケットに向き直った。コスモスが何輪も咲いてきたのが嬉しくて、つい目を細める。
「綺麗な花ですね、それ。ええっと……」
こちらの意図を汲んでか、ユスティンも話を変えてきた。もう気を遣う話題でもないようなので直ぐに頷き、黄色の花弁を幼児の頬を触るようにそっと撫でた。
「コスモスです。これはピンクではなく黄色ですから、有名な花とはいえちょっと分かりにくいかもしれませんね」
「勉強になります。花、お好きなんですか?」
「はい。こんな小さいのに一生懸命咲いていて、見習いたくなるんです」
ハンギングバスケットの修正も終わったので、一度背筋を伸ばしてユスティンを見下ろす。
「素敵な考えですね。では、失礼します」
牧師はどこか感心したように言い、一礼して橋に向かって歩いていく。その後ろ姿を見送っていると、自然と頬を持ち上げている自分が居ることに気が付いた。
どうしてかと不思議に思ったがすぐに納得する。丁寧な対応をされて、嬉しかったのだ。母親が再婚相手に夢中だった家で育ったせいか、どうも人に優しくされると嬉しくなる。
ヴァージニアは笑みを浮かべたまま、扉を開けて店内に戻っていった。
***
「夜になってくるの早くなってきたなー」
「うん……寒くなってきたし、あっという間に秋が終わるんだろうね……」
「ついこの間まで半袖半ズボンでダラダラ出来てたのにね~」
エルキルスの北東に広がる工業区に足を踏み入れたクルト・ダンフィードは、隣で唸っている赤毛の少年の言葉に頷いたものの、続いた少女の声に思わず後ずさった。
工業区の建物は、窓の明かりがもう目立ち始めている。通りを歩いている人達も仕事上がりの人から自分達のような若いグループまで様々で、皆どこかに帰宅するようだった。
「んじゃ引ったくらせるか。その前にちょっとフライドチキン買ってきていいか?」
「あ、賛成っ!」
突然のノアの提案にイヴェットが朗らかに同意する。道中詳しい経緯や作戦をノアが説明してくれたが、この快活な少女はどこまで理解してくれたのだろう。一方で、誘拐翌日にこれだけ元気な事に安心している自分も居る。
「…………なんで?」
「腹減ってんだよ。それに放課後の定番っつったら買い食いだろ? ちょうど良いと思わね? じゃーちょっと行ってくるわ」
悪戯っぽく目を細めて笑ったノアは、こちらの返事も待たずに通りの角にある屋台に向かっていってしまった。
「ふふっ、ノアさん自由ですね」
馬車が幾つか入っている駐車場の隅で待っていると、イヴェットに話し掛けられた。
「えっ? あ、う、うん……新鮮」
自分は地元でも高専でも友人は作れなかったので、ああいう明け透けな友人は初めてだ。
初めてと言えば、先程同僚に言伝を頼んだのも初めてだ。ここ最近、少しずつではあるが人に慣れてきた。イヴェットにだってきっと慣れるのだろう。
向いていないと思ったこの仕事も、もう少し頑張れる気がする。そこにあの先輩が居てくれたらもっと心強い。改めて決意を固め、俯いたままノアの帰りを待つ。
「お待たせさーん。ほら、これ二人の分」
戻ってきた少年は、紙袋に入れられた茶色の揚げ鳥を三つ持ち、どこか浮き足立った表情を浮かべていた。
「俺もいいの……?」
「ったりめぇだろ。でも学生は貧乏だから奢らねぇぞ、後で金払えよ。あ、イヴェットの分もな!」
「ノアさんああ言ってますけど、良いんですか?」
「えっ、あ、うん、いいよ……。だけどノアはバイトしてる、って聞いたような……?」
「お前なー、働いてんだから細かいこと気にすんなよ!」
笑いながら言われそれ以上は突っ込めなかった。うんと頷き、差し出されたフライドチキンを受け取る。
「さて、と。いつ置き引きされてもいいからな」
早速フライドチキンを頬張り、ノアは近くの地面にスクールバッグを置いた。
スクールバッグが引ったくられたら、昨日の要領でアジトを探す。その後匿名の通報を入れれば、それだけでも事件は驚くくらい進展してくれる筈だ。
本当に連続連れ去り事件の犯人グループに引ったくられるかは賭けだ。昨日の今日で……とも思わなくないが、引ったくってくださいと言わんばかりのこのスクールバッグは美味しすぎる。
視線を路地に向けた後、クルトは受け取ったフライドチキンにかじりついた。
「あつっ……!」
揚げ立ての塊と肉汁が口内に広がり、最後まで噛み切れずに顔が歪む。大丈夫ですか? と心配してくれたイヴェットが紙ナプキンを差し出してくれた。
「一気に食い過ぎだろーお前でも熱いの食うと顔が歪むんだな」
自分の表情を見たノアが喉を鳴らして笑う。何も言えなくてそのまま黙ってフライドチキンを慎重に食べていく。
そういえば買い食いも初めてだ。クルトはフライドチキンを飲み込んで小さく笑みを浮かべた。
***
「ユスティン。そろそろ夕飯出来るからイヴェットちゃん呼んで来てくれる?」
「はいはい」
ソファーで本を読んでいた幼馴染みは、アンリ・アランコの言葉に頷き廊下に向かっていった。イヴェットの部屋は牧師館の一階、リビングの隣にある。先月までイヴェットの家族が使用していた部屋を、両親が異動した今も彼女がそのまま使っていた。
「顔見知りなだけです」
間髪入れず訂正してきた青年は、朝ノアに会いに店に来た青年だった。今はフェルト帽を被って牧師服を着ている。
「今朝は何も注文せずに、慌ただしく出ていってしまい申し訳ありませんでした。電話、本当に有り難うございました」
何か反応する間もなくにこやかに礼儀正しく謝られた。ユスティンと呼ばれていたこの牧師が謝る理由はどこにもない。
「まぁご丁寧に有り難うございます。気になさらないでください、お疲れ様でした」
「そう仰って下さり有り難うございます」
首を横に振って返した。何かの帰りだろうに、きっと謝るために店まで寄ってくれたのだろう。
「ノア君がお世話になっているみたいで……こちらも有り難うございます。あんな態度でごめんなさい」
その丁寧さに嬉しくなって、声を弾ませて返す。が、ノアの名前を出すと、ユスティンが一瞬黙った。
「……いえいえ。元気が良くて良いんじゃないですかね」
一瞬の間なんて無かったように、金髪の青年は笑みを浮かべたまま返してくる。言い方もどことなく雑だ。これはノアが迷惑をかけているに違いない。
フォローも兼ねてヴァージニアは話を続ける。
「ノア君、小さい時はしょっちゅう熱を出してたからですかね、弱く見られないようにってついつい気が強くなるんですよ。本当にごめんなさい」
言い終えるなり、この話は終わりだとばかりに近くのハンギングバスケットに向き直った。コスモスが何輪も咲いてきたのが嬉しくて、つい目を細める。
「綺麗な花ですね、それ。ええっと……」
こちらの意図を汲んでか、ユスティンも話を変えてきた。もう気を遣う話題でもないようなので直ぐに頷き、黄色の花弁を幼児の頬を触るようにそっと撫でた。
「コスモスです。これはピンクではなく黄色ですから、有名な花とはいえちょっと分かりにくいかもしれませんね」
「勉強になります。花、お好きなんですか?」
「はい。こんな小さいのに一生懸命咲いていて、見習いたくなるんです」
ハンギングバスケットの修正も終わったので、一度背筋を伸ばしてユスティンを見下ろす。
「素敵な考えですね。では、失礼します」
牧師はどこか感心したように言い、一礼して橋に向かって歩いていく。その後ろ姿を見送っていると、自然と頬を持ち上げている自分が居ることに気が付いた。
どうしてかと不思議に思ったがすぐに納得する。丁寧な対応をされて、嬉しかったのだ。母親が再婚相手に夢中だった家で育ったせいか、どうも人に優しくされると嬉しくなる。
ヴァージニアは笑みを浮かべたまま、扉を開けて店内に戻っていった。
***
「夜になってくるの早くなってきたなー」
「うん……寒くなってきたし、あっという間に秋が終わるんだろうね……」
「ついこの間まで半袖半ズボンでダラダラ出来てたのにね~」
エルキルスの北東に広がる工業区に足を踏み入れたクルト・ダンフィードは、隣で唸っている赤毛の少年の言葉に頷いたものの、続いた少女の声に思わず後ずさった。
工業区の建物は、窓の明かりがもう目立ち始めている。通りを歩いている人達も仕事上がりの人から自分達のような若いグループまで様々で、皆どこかに帰宅するようだった。
「んじゃ引ったくらせるか。その前にちょっとフライドチキン買ってきていいか?」
「あ、賛成っ!」
突然のノアの提案にイヴェットが朗らかに同意する。道中詳しい経緯や作戦をノアが説明してくれたが、この快活な少女はどこまで理解してくれたのだろう。一方で、誘拐翌日にこれだけ元気な事に安心している自分も居る。
「…………なんで?」
「腹減ってんだよ。それに放課後の定番っつったら買い食いだろ? ちょうど良いと思わね? じゃーちょっと行ってくるわ」
悪戯っぽく目を細めて笑ったノアは、こちらの返事も待たずに通りの角にある屋台に向かっていってしまった。
「ふふっ、ノアさん自由ですね」
馬車が幾つか入っている駐車場の隅で待っていると、イヴェットに話し掛けられた。
「えっ? あ、う、うん……新鮮」
自分は地元でも高専でも友人は作れなかったので、ああいう明け透けな友人は初めてだ。
初めてと言えば、先程同僚に言伝を頼んだのも初めてだ。ここ最近、少しずつではあるが人に慣れてきた。イヴェットにだってきっと慣れるのだろう。
向いていないと思ったこの仕事も、もう少し頑張れる気がする。そこにあの先輩が居てくれたらもっと心強い。改めて決意を固め、俯いたままノアの帰りを待つ。
「お待たせさーん。ほら、これ二人の分」
戻ってきた少年は、紙袋に入れられた茶色の揚げ鳥を三つ持ち、どこか浮き足立った表情を浮かべていた。
「俺もいいの……?」
「ったりめぇだろ。でも学生は貧乏だから奢らねぇぞ、後で金払えよ。あ、イヴェットの分もな!」
「ノアさんああ言ってますけど、良いんですか?」
「えっ、あ、うん、いいよ……。だけどノアはバイトしてる、って聞いたような……?」
「お前なー、働いてんだから細かいこと気にすんなよ!」
笑いながら言われそれ以上は突っ込めなかった。うんと頷き、差し出されたフライドチキンを受け取る。
「さて、と。いつ置き引きされてもいいからな」
早速フライドチキンを頬張り、ノアは近くの地面にスクールバッグを置いた。
スクールバッグが引ったくられたら、昨日の要領でアジトを探す。その後匿名の通報を入れれば、それだけでも事件は驚くくらい進展してくれる筈だ。
本当に連続連れ去り事件の犯人グループに引ったくられるかは賭けだ。昨日の今日で……とも思わなくないが、引ったくってくださいと言わんばかりのこのスクールバッグは美味しすぎる。
視線を路地に向けた後、クルトは受け取ったフライドチキンにかじりついた。
「あつっ……!」
揚げ立ての塊と肉汁が口内に広がり、最後まで噛み切れずに顔が歪む。大丈夫ですか? と心配してくれたイヴェットが紙ナプキンを差し出してくれた。
「一気に食い過ぎだろーお前でも熱いの食うと顔が歪むんだな」
自分の表情を見たノアが喉を鳴らして笑う。何も言えなくてそのまま黙ってフライドチキンを慎重に食べていく。
そういえば買い食いも初めてだ。クルトはフライドチキンを飲み込んで小さく笑みを浮かべた。
***
「ユスティン。そろそろ夕飯出来るからイヴェットちゃん呼んで来てくれる?」
「はいはい」
ソファーで本を読んでいた幼馴染みは、アンリ・アランコの言葉に頷き廊下に向かっていった。イヴェットの部屋は牧師館の一階、リビングの隣にある。先月までイヴェットの家族が使用していた部屋を、両親が異動した今も彼女がそのまま使っていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
サイレント・サブマリン ―虚構の海―
来栖とむ
SF
彼女が追った真実は、国家が仕組んだ最大の嘘だった。
科学技術雑誌の記者・前田香里奈は、謎の科学者失踪事件を追っていた。
電磁推進システムの研究者・水嶋総。彼の技術は、完全無音で航行できる革命的な潜水艦を可能にする。
小与島の秘密施設、広島の地下工事、呉の巨大な格納庫—— 断片的な情報を繋ぎ合わせ、前田は確信する。
「日本政府は、秘密裏に新型潜水艦を開発している」
しかし、その真実を暴こうとする前田に、次々と圧力がかかる。
謎の男・安藤。突然現れた協力者・森川。 彼らは敵か、味方か——
そして8月の夜、前田は目撃する。 海に下ろされる巨大な「何か」を。
記者が追った真実は、国家が仕組んだ壮大な虚構だった。 疑念こそが武器となり、嘘が現実を変える——
これは、情報戦の時代に問う、現代SF政治サスペンス。
【全17話完結】
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる