見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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一四八

 パラポネラ。
なんだこれは。

「それは蟻だ」

 蟻。
俺は驚きと失望とその他の様々な感情が混ざった何とも言えない気持ちになった。
よりにもよって蟻とは。

「蟻の中でもグンタイアリなんかと並んで最強の一角だな。集団ならグンタイアリ。単体ならパラポネラってとこだ」

 グンタイアリは知っている。
確かに恐ろしい蟻だ。
牛や馬さえも怪我や病気で弱っていれば、たちどころに餌食になってしまう。
人間などひとたまりもない。

「蟻は基本的に強いぞ。小さいから良いようなものの、あれが人間サイズだったらこの世は蟻が支配していた可能性もある」

 そんなにか。
だが、だからと言って蟻はちょっと……

 俺は更にページをめくった。

 オオエンマハンミョウ。
また聞きなれない名前だ。

「それは甲虫だ。とにかく硬い。動きも俊敏で戦闘力も高い。アゴの力は他の虫の首を切断するほどだ。攻守のバランスが高いレベルで取れている」

 虫の話をしているはずなのに、段々と怖くなってくる。
虫ってそんなに恐ろしいものだったか。

「あら。なんの話?」

 突然令子の声がした。
振り向くと令子と蜻蛉洲が一緒にやって来た。

「レオの改造プランだ」

 オオムカデンダルが肩をすくめながら言う。

「ほお」

 蜻蛉洲が興味を示した。
それもなんだか珍しい。

 二人もそのまま自分の席に着いた。
どうやら二人とも興味があるらしい。
所詮、他人事か。

「で、何にするんだ?」

 蜻蛉洲が俺に尋ねた。
食堂でメニューを選ぶみたいに言わないでほしい。
そんな簡単に選べる訳ない。
俺の人生が掛かっているのだ。

「俺のイチオシはリオックなんだが、どうやら気に食わないらしい」

 オオムカデンダルが不満そうに言った。
リオックが問題なのではないのだが。

「リオックか。悪くないが、百足が好きそうな選択だな」

 蜻蛉洲が言った。

「なんだよ。良いじゃねぇか、強いんだし」

「別に文句はない。ただ攻撃性に特化している辺りがお前らしいと言っているだけだ」

 蜻蛉洲が冷静に分析した。

「俺なら飛べる奴を推す。飛行能力は邪魔にはならん。戦闘だけすれば良いって訳でもあるまい」

 飛行能力か。
確かに。
蜻蛉洲もオニヤンマイザーの時には飛んでいた。
空を飛ぶとはどんな気持ちだろうか。
にわかに興味が湧いてきた。

「空を飛ぶ奴って、どんなのがいるのか……」

 俺はあまり虫には詳しくない。
蝶や蝿は知っているが、戦闘向きではあるまい。
と言うか、蝿は嫌だ。

「そうだな。俺は飛行能力と戦闘力の高さでオニヤンマをベースとしたが、実は隼と迷っていた」

 ハヤブサ!

 俺は蜻蛉洲の顔を見た。
隼の選択肢もあるのか。
オオムカデンダルは虫以外認めない雰囲気だったのに。
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