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一五五
できそうだ。
俺はその感覚がハッキリと判った瞬間、くるりとターンした。
ヴン
ッ!
なんだ、この感覚は。
不思議な感覚だ。
違和感や不快感とは違う。
なんとも言えない、敢えて言えば『万能感』か。
なんでもできそうな気がする。
「へえ」
オオムカデンダルが声を漏らした。
「さすがは蜻蛉洲君ね。見事に仕上げたわね」
令子の声だ。
「見た目がクラゲみたいだね。これはなに?」
フィエステリアームが言った。
クラゲみたいなのか?
だが不思議と嫌な気持ちはしない。
あんなに化け物になることに抵抗感や嫌悪感があったのに、今はまったく気にならない。
「その通りだフィエステリアーム。彼はプランクトンをテーマにしている」
オニヤンマイザーが自慢げに答えた。
プランクトン?
「なんだよ、大見得を切ったのにプランクトンだ?」
オオムカデンダルが不満の声をあげる。
さっきから何だ、プランクトンとは。
「これは僕が考えていた『複数の素体を一つに統合する』案だ。ただし、今のところ類縁の生物でしかできない」
オニヤンマイザーは変身を解いた。
蜻蛉洲の姿に戻った。
「彼には、『サフィリナ』をベースに『キロネックス』と『ベニクラゲ』を統合してある」
蜻蛉洲は説明を続けたが、俺には何のことやらサッパリだ。
「キロネックスとベニクラゲはクラゲだね。サフィリナはプランクトン。確かに三つともプランクトンだ」
フィエステリアームが納得したように言った。
クラゲはプランクトン?
よく判らん。
「自力で泳げない、漂うだけの生物をプランクトンと分類している。泳げても、泳ぐ力が微力な物もそうだ。反対に自力で泳げる物は『ネクトン』と言う」
蜻蛉洲が俺の回りをゆっくりと歩く。
「レオはプランクトン三種の能力を合わせ持つ改造人間と言う訳だ」
オオムカデンダルが舌打ちをする。
「そんな事はどうだっていいんだよ。なんでプランクトンなんだ。強い奴にしろと言ったろ」
「ふっ。お前は知らないからそんな事を言うのだ」
「なんだと」
オオムカデンダルが気色ばむ。
「サフィリナの能力を知っているか。レオ、消えてみろ」
蜻蛉洲は突然、話の途中で俺にそう言った。
消えろ?何を言っているんだアンタ。
「できるだろ。ほら消えて見せろ」
俺は困った。
誰でも人間の経験者なら消えたことなどないはずだ。たぶん。
俺は目を閉じて消えられそうな感覚を探す。
あった。
信じられないが、消えることができそうな感覚。
俺は消えてみた。
「ッ!」
その場の全員が言葉を飲み込むのが判った。
「これは光学迷彩だね」
またフィエステリアームが言った。
俺はその感覚がハッキリと判った瞬間、くるりとターンした。
ヴン
ッ!
なんだ、この感覚は。
不思議な感覚だ。
違和感や不快感とは違う。
なんとも言えない、敢えて言えば『万能感』か。
なんでもできそうな気がする。
「へえ」
オオムカデンダルが声を漏らした。
「さすがは蜻蛉洲君ね。見事に仕上げたわね」
令子の声だ。
「見た目がクラゲみたいだね。これはなに?」
フィエステリアームが言った。
クラゲみたいなのか?
だが不思議と嫌な気持ちはしない。
あんなに化け物になることに抵抗感や嫌悪感があったのに、今はまったく気にならない。
「その通りだフィエステリアーム。彼はプランクトンをテーマにしている」
オニヤンマイザーが自慢げに答えた。
プランクトン?
「なんだよ、大見得を切ったのにプランクトンだ?」
オオムカデンダルが不満の声をあげる。
さっきから何だ、プランクトンとは。
「これは僕が考えていた『複数の素体を一つに統合する』案だ。ただし、今のところ類縁の生物でしかできない」
オニヤンマイザーは変身を解いた。
蜻蛉洲の姿に戻った。
「彼には、『サフィリナ』をベースに『キロネックス』と『ベニクラゲ』を統合してある」
蜻蛉洲は説明を続けたが、俺には何のことやらサッパリだ。
「キロネックスとベニクラゲはクラゲだね。サフィリナはプランクトン。確かに三つともプランクトンだ」
フィエステリアームが納得したように言った。
クラゲはプランクトン?
よく判らん。
「自力で泳げない、漂うだけの生物をプランクトンと分類している。泳げても、泳ぐ力が微力な物もそうだ。反対に自力で泳げる物は『ネクトン』と言う」
蜻蛉洲が俺の回りをゆっくりと歩く。
「レオはプランクトン三種の能力を合わせ持つ改造人間と言う訳だ」
オオムカデンダルが舌打ちをする。
「そんな事はどうだっていいんだよ。なんでプランクトンなんだ。強い奴にしろと言ったろ」
「ふっ。お前は知らないからそんな事を言うのだ」
「なんだと」
オオムカデンダルが気色ばむ。
「サフィリナの能力を知っているか。レオ、消えてみろ」
蜻蛉洲は突然、話の途中で俺にそう言った。
消えろ?何を言っているんだアンタ。
「できるだろ。ほら消えて見せろ」
俺は困った。
誰でも人間の経験者なら消えたことなどないはずだ。たぶん。
俺は目を閉じて消えられそうな感覚を探す。
あった。
信じられないが、消えることができそうな感覚。
俺は消えてみた。
「ッ!」
その場の全員が言葉を飲み込むのが判った。
「これは光学迷彩だね」
またフィエステリアームが言った。
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