158 / 826
一五八
「ふふ。その内自分の能力に驚く時が来る。それまではなるべく人間のふりをしていろ」
蜻蛉洲はそう言って俺から離れた。
ところでこれ、どうやって透明を解けばいいんだ?
俺は元に戻り方をなんとか模索した。
あった。
これか。
俺は感覚を掴んで元の姿に戻った。
それと同時に透明化も解けた。
人間のままだと特殊な能力は使えないらしい。
一方で身体的な能力はずいぶん向上している。
それはじっとしていても判るほどだった。
だが、変身すればこの比ではない。
改造人間とはこれほどの物だったか。
「さて、諸君」
オオムカデンダルが話題を変えた。
「無事、レオの改造人間化も済んだところでだ。次はミスリル銀山の新拠点について話したい」
俺はテーブルの末席に座った。
ナイーダの隣だ。
序列で言えば俺はここだろう。
さすがに幹部と同列とはいくまい。
「実は夕べ、拠点は完成した。陽が昇ってからにしようと今まで待っていた訳だが、これからお披露目しようと思う」
オオムカデンダルは嬉しそうにそう言った。
「もちろん全員の部屋や研究室もある。ここより手狭だが機能的にはそう変わらない。ただ……」
そこまで言ってからオオムカデンダルは少し間を開けた。
「格納庫はない。単純にスペースの問題だが、地下を掘るにも限度があってな。ミスリル銀が湧いてくるシステム自体に影響が出そうなことは自重した結果だ。でもまあ、たいして困らんだろう?」
他の三人は黙って頷いた。
「よし、管理人。しばらく留守を任せる。変わったことは無いと思うが、もし万が一ここへ近づく者がいたら」
「了解しました。いつも通り排除します」
オオムカデンダルの言葉を継いで管理人が返事を返した。
俺たちは格納庫から『家』へと乗り込んだ。
ちなみにこの『家』は『メタルシェル』と言う名前らしい。
輸送用の乗り物として存在するそうだが、大人数の移動にも使えると言うわけだ。
確かに六人乗りなら馬車でも大型馬車でなければ難儀する。
メタルシェルはスムーズに飛び立つと一気にミスリル銀山まで飛んだ。
ここへ来るときは疲れきっていて何の余裕も無かったが、改めて乗るととんでもなく速い。
あっという間にミスリル銀山に辿り着いた。
「こっちだ」
オオムカデンダルが先頭を歩く。
俺たちはその後に続いた。
山の中腹辺りに建物が見える。
あれか。
半分山に埋まる形で建っていた。
と言うことは残りの部分は山の中か。
「山頂まで中から行ける。銀鉱とは直通エレベーターで繋がっている」
そう言いながら入った部屋は、屋敷にあるような大広間だった。
「様々な機能はもたせてあるが、まあ結局は大体ここに居ることになるだろう。この部屋でほとんど事足りる」
オオムカデンダルが笑いながら言った。
蜻蛉洲はそう言って俺から離れた。
ところでこれ、どうやって透明を解けばいいんだ?
俺は元に戻り方をなんとか模索した。
あった。
これか。
俺は感覚を掴んで元の姿に戻った。
それと同時に透明化も解けた。
人間のままだと特殊な能力は使えないらしい。
一方で身体的な能力はずいぶん向上している。
それはじっとしていても判るほどだった。
だが、変身すればこの比ではない。
改造人間とはこれほどの物だったか。
「さて、諸君」
オオムカデンダルが話題を変えた。
「無事、レオの改造人間化も済んだところでだ。次はミスリル銀山の新拠点について話したい」
俺はテーブルの末席に座った。
ナイーダの隣だ。
序列で言えば俺はここだろう。
さすがに幹部と同列とはいくまい。
「実は夕べ、拠点は完成した。陽が昇ってからにしようと今まで待っていた訳だが、これからお披露目しようと思う」
オオムカデンダルは嬉しそうにそう言った。
「もちろん全員の部屋や研究室もある。ここより手狭だが機能的にはそう変わらない。ただ……」
そこまで言ってからオオムカデンダルは少し間を開けた。
「格納庫はない。単純にスペースの問題だが、地下を掘るにも限度があってな。ミスリル銀が湧いてくるシステム自体に影響が出そうなことは自重した結果だ。でもまあ、たいして困らんだろう?」
他の三人は黙って頷いた。
「よし、管理人。しばらく留守を任せる。変わったことは無いと思うが、もし万が一ここへ近づく者がいたら」
「了解しました。いつも通り排除します」
オオムカデンダルの言葉を継いで管理人が返事を返した。
俺たちは格納庫から『家』へと乗り込んだ。
ちなみにこの『家』は『メタルシェル』と言う名前らしい。
輸送用の乗り物として存在するそうだが、大人数の移動にも使えると言うわけだ。
確かに六人乗りなら馬車でも大型馬車でなければ難儀する。
メタルシェルはスムーズに飛び立つと一気にミスリル銀山まで飛んだ。
ここへ来るときは疲れきっていて何の余裕も無かったが、改めて乗るととんでもなく速い。
あっという間にミスリル銀山に辿り着いた。
「こっちだ」
オオムカデンダルが先頭を歩く。
俺たちはその後に続いた。
山の中腹辺りに建物が見える。
あれか。
半分山に埋まる形で建っていた。
と言うことは残りの部分は山の中か。
「山頂まで中から行ける。銀鉱とは直通エレベーターで繋がっている」
そう言いながら入った部屋は、屋敷にあるような大広間だった。
「様々な機能はもたせてあるが、まあ結局は大体ここに居ることになるだろう。この部屋でほとんど事足りる」
オオムカデンダルが笑いながら言った。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー
白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。
その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。
人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。
異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ
主人公はあまり戦ったりはしません。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
二百年の眠り姫は、五人の薔薇騎士と龍に溺愛される
七海美桜
恋愛
旧タイトル:五人のイケメン薔薇騎士団団長に溺愛されて200年の眠りから覚めた聖女王女は困惑するばかりです!
フーゲンベルク大陸で、長く大陸の大半を治めていたバッハシュタイン王国で、最後の古龍への生贄となった第三王女のヴェンデルガルト。しかしそれ以降古龍が亡くなり王国は滅びバルシュミーデ皇国の治世になり二百年後。封印されていたヴェンデルガルトが目覚めると、魔法は滅びた世で「治癒魔法」を使えるのは彼女だけ。亡き王国の王女という事で城に客人として滞在する事になるのだが、治癒魔法を使える上「金髪」である事から「黄金の魔女」と恐れられてしまう。しかしそんな中。五人の美青年騎士団長たちに溺愛されて、愛され過ぎて困惑する毎日。彼女を生涯の伴侶として愛する古龍・コンスタンティンは生まれ変わり彼女と出逢う事が出来るのか。龍と薔薇に愛されたヴェンデルガルトは、誰と結ばれるのか。
この作品は、小説家になろうにも掲載しています。
公爵家の次女ですが、静かに学園生活を送るつもりでした
佐伯かなた
恋愛
王国でも屈指の名門、公爵アルヴィス家。
その家には、誰もが称賛する完璧な令嬢がいた。
長女ソフィア。
美貌、知性、礼儀、すべてを備えた理想の公爵令嬢。
そして──もう一人。
妹、レーネ・アルヴィス。
社交界ではほとんど名前も出ない、影の薄い次女。
姉ほど目立つわけでもなく、社交の中心にいるわけでもない。
だが彼女は知っている。
貴族社会では、
誰が本当に優れているのかは、静かな場面でこそ分かるということを。
王立学園に入学したレーネは、
礼儀作法、社交、そして人間関係の中で、静かに周囲を観察していく。
やがて──
軽んじていた者たちは気づく。
「公爵家の妹」が、本当はどんな令嬢だったのかを。
これは、
静かな公爵令嬢が学園と貴族社会で評価を覆していく物語。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
【完結】1王妃は、幸せになれる?
華蓮
恋愛
サウジランド王国のルーセント王太子とクレスタ王太子妃が政略結婚だった。
側妃は、学生の頃の付き合いのマリーン。
ルーセントとマリーンは、仲が良い。ひとりぼっちのクレスタ。
そこへ、隣国の皇太子が、視察にきた。
王太子妃の進み道は、王妃?それとも、、、、?