見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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一五八

「ふふ。その内自分の能力に驚く時が来る。それまではなるべく人間のふりをしていろ」

 蜻蛉洲はそう言って俺から離れた。
ところでこれ、どうやって透明を解けばいいんだ?

 俺は元に戻り方をなんとか模索した。
あった。
これか。

 俺は感覚を掴んで元の姿に戻った。
それと同時に透明化も解けた。
人間のままだと特殊な能力は使えないらしい。

 一方で身体的な能力はずいぶん向上している。
それはじっとしていても判るほどだった。
だが、変身すればこの比ではない。
改造人間とはこれほどの物だったか。

「さて、諸君」

 オオムカデンダルが話題を変えた。

「無事、レオの改造人間化も済んだところでだ。次はミスリル銀山の新拠点について話したい」

 俺はテーブルの末席に座った。
ナイーダの隣だ。
序列で言えば俺はここだろう。
さすがに幹部と同列とはいくまい。

「実は夕べ、拠点は完成した。陽が昇ってからにしようと今まで待っていた訳だが、これからお披露目しようと思う」

 オオムカデンダルは嬉しそうにそう言った。

「もちろん全員の部屋や研究室もある。ここより手狭だが機能的にはそう変わらない。ただ……」

 そこまで言ってからオオムカデンダルは少し間を開けた。

「格納庫はない。単純にスペースの問題だが、地下を掘るにも限度があってな。ミスリル銀が湧いてくるシステム自体に影響が出そうなことは自重した結果だ。でもまあ、たいして困らんだろう?」

 他の三人は黙って頷いた。

「よし、管理人。しばらく留守を任せる。変わったことは無いと思うが、もし万が一ここへ近づく者がいたら」

「了解しました。いつも通り排除します」

 オオムカデンダルの言葉を継いで管理人が返事を返した。

 俺たちは格納庫から『家』へと乗り込んだ。
ちなみにこの『家』は『メタルシェル』と言う名前らしい。
輸送用の乗り物として存在するそうだが、大人数の移動にも使えると言うわけだ。
確かに六人乗りなら馬車でも大型馬車でなければ難儀する。

 メタルシェルはスムーズに飛び立つと一気にミスリル銀山まで飛んだ。
ここへ来るときは疲れきっていて何の余裕も無かったが、改めて乗るととんでもなく速い。
あっという間にミスリル銀山に辿り着いた。

「こっちだ」

 オオムカデンダルが先頭を歩く。
俺たちはその後に続いた。
山の中腹辺りに建物が見える。
あれか。

 半分山に埋まる形で建っていた。
と言うことは残りの部分は山の中か。

「山頂まで中から行ける。銀鉱とは直通エレベーターで繋がっている」

 そう言いながら入った部屋は、屋敷にあるような大広間だった。

「様々な機能はもたせてあるが、まあ結局は大体ここに居ることになるだろう。この部屋でほとんど事足りる」

 オオムカデンダルが笑いながら言った。
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