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一九一
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「くそっ……くそっ!くそっ!くそっ!クソがあッ!」
ヴァンパイアが下品に喚き散らす。
「ようやく、らしい言葉遣いになってきたじゃないか」
俺は鼻で笑った。
しかし、ヴァンパイアは油断がならない。
ここからどうやって殺すか。
そもそも不死身なのだ。
「カッカッカッカッカッ。まさか魔王がこんなにも手も足も出んとはなあ。いや、見事」
サルバスが笑った。
「クソが……貴様、ウィザードか。魔法職に何ができる」
ヴァンパイアが凄んで見せる。
「そうさなあ。普段なら魔法職一人では荷が勝ちすぎるが……今のお前さんなら問題ないだろ」
確かに。
ヴァンパイアは魔力も豊富で、格闘もこなせる。
しかも魔法力を使わない不思議な術も使う。
様々に変身し、使い魔を使役し、人を操る。
完全無欠のまさに『魔王』に相応しい実力者だ。
魔法職では接近戦は不利だ。
魔法も、詠唱に時間を要するものは使えない。
念入りに下準備をして、計画通り一方的に追い込んでいくしか勝ち目がない。
ただし、ヴァンパイアが完全な状態だったなら、だ。
「首だけでも、クソ爺一人を捻り殺すくらい簡単な事だ」
「残念ながらそれは無理と言うものよ。クソ爺なのは認めるがの」
サルバスは余裕の表情だ。
ヴァンパイアはまた視線を移した。
また体に戻る気か。
俺は身構えた。
「どれ、戻れる物なら試してみるがいい」
サルバスがとんでもない事を言った。
マズルも目を大きく見開いた。
「け、賢者さま……!?」
しかし、サルバスは言葉を取り消す様子もない。
ニコニコ笑っている。
さては何か仕掛けているのか。
「ふ……正気か?」
「もちろんだとも」
ヴァンパイアはサルバスを値踏みした。
それでも『体に戻らない』と言う選択肢は無かった。
ヴァンパイアはゆっくりと自分の体に近付いた。
いいのか。
俺はサルバスを見た。
「ほれ、遠慮するな」
サルバスは余計にヴァンパイアをけしかける。
「何を考えているのか知らんが、後悔するぞ」
ヴァンパイアは急にスピードをあげて体に飛び掛かった。
バチバチバチッ!
「ギャアアアアアアッ!」
体に戻ったと思った瞬間。
突然ヴァンパイアは悲鳴をあげて地面に転がった。
「グアアアアアアッ……き、きき、貴様ああ!」
「お前さん思ったより素直だな。可哀想になってきたわ」
そう言ったサルバスは言葉とは裏腹に笑っている。
性悪だなこの爺さん。
「お前さんの体はとっくに押さえてある。今のお前さんには奪い返せまいよ」
そう言ってまた笑った。
「く……貴様、神職だったのか……」
「うんにゃ。ワシはメイジじゃ。神聖系の奇跡は使えんが、光魔法を使えるからの。ただの応用だ」
ヴァンパイアが下品に喚き散らす。
「ようやく、らしい言葉遣いになってきたじゃないか」
俺は鼻で笑った。
しかし、ヴァンパイアは油断がならない。
ここからどうやって殺すか。
そもそも不死身なのだ。
「カッカッカッカッカッ。まさか魔王がこんなにも手も足も出んとはなあ。いや、見事」
サルバスが笑った。
「クソが……貴様、ウィザードか。魔法職に何ができる」
ヴァンパイアが凄んで見せる。
「そうさなあ。普段なら魔法職一人では荷が勝ちすぎるが……今のお前さんなら問題ないだろ」
確かに。
ヴァンパイアは魔力も豊富で、格闘もこなせる。
しかも魔法力を使わない不思議な術も使う。
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魔法職では接近戦は不利だ。
魔法も、詠唱に時間を要するものは使えない。
念入りに下準備をして、計画通り一方的に追い込んでいくしか勝ち目がない。
ただし、ヴァンパイアが完全な状態だったなら、だ。
「首だけでも、クソ爺一人を捻り殺すくらい簡単な事だ」
「残念ながらそれは無理と言うものよ。クソ爺なのは認めるがの」
サルバスは余裕の表情だ。
ヴァンパイアはまた視線を移した。
また体に戻る気か。
俺は身構えた。
「どれ、戻れる物なら試してみるがいい」
サルバスがとんでもない事を言った。
マズルも目を大きく見開いた。
「け、賢者さま……!?」
しかし、サルバスは言葉を取り消す様子もない。
ニコニコ笑っている。
さては何か仕掛けているのか。
「ふ……正気か?」
「もちろんだとも」
ヴァンパイアはサルバスを値踏みした。
それでも『体に戻らない』と言う選択肢は無かった。
ヴァンパイアはゆっくりと自分の体に近付いた。
いいのか。
俺はサルバスを見た。
「ほれ、遠慮するな」
サルバスは余計にヴァンパイアをけしかける。
「何を考えているのか知らんが、後悔するぞ」
ヴァンパイアは急にスピードをあげて体に飛び掛かった。
バチバチバチッ!
「ギャアアアアアアッ!」
体に戻ったと思った瞬間。
突然ヴァンパイアは悲鳴をあげて地面に転がった。
「グアアアアアアッ……き、きき、貴様ああ!」
「お前さん思ったより素直だな。可哀想になってきたわ」
そう言ったサルバスは言葉とは裏腹に笑っている。
性悪だなこの爺さん。
「お前さんの体はとっくに押さえてある。今のお前さんには奪い返せまいよ」
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