243 / 826
二四三
そんな俺をよそに、令子は箱をキメラの首へとくっ付けている。
口には出さなかったが、かなり不気味な作業に思えた。
切断したキメラの首に細工を施すなんて、如何にも悪魔的な光景だ。
「……いったい何をしているんだ?」
俺はたまりかねて令子に尋ねた。
「これ?持って帰ろうと思って。でも新鮮な方がいいでしょ。蜻蛉洲君も喜ぶだろうし」
いや、俺が聞きたいのはそんな事ではないんだが。
「冗談よ。頭だけ生かしておくの。質問するには頭だけあれば足りるでしょ。後は重たそうだし、頭をこうしておけば一応生きていられるの」
令子はそう言って『ね?』とキメラの頭に言った。
「なんと言う恐ろしい女だ……悪魔よりも悪魔的だ」
キメラがしゃべった。
これは現実か。
「こんな目に合わされるとは……」
キメラが後悔たっぷりに呟く。
コイツにここまで言わせるとは、相当な物だ。
俺から見てもかなりエグいやり方だ。
捕虜にするならまだしも。
「うふふふ……私たちを敵に回すからよ。お馬鹿さんね」
令子は悪戯っぽく笑ったが、あまり洒落になっていない。
「さ、帰りましょうか。そろそろ貴方の妹さんも落ち着いているんじゃないかしら」
そうだ。
ミーアは?
俺は急に我に返った。
「ククク……そうか。あの女はお前の妹なのか」
キメラが突然しゃべり始めた。
なんだ、コイツ。
「あの村はなかなか拡がらなかったんだが、そうか、感染した片方はお前の……」
キメラが可笑しそうに笑う。
何が可笑しい。
「これで、死ぬ間際に多少は嫌がらせが出来るな」
「なんだと……ッ!」
俺はカッとなった。
妹に何をする気だ。
これ以上何かしてみろ、脳天を叩き割って犬に食わせてやる。
「ククク……良いとも。是非そうするが良い。冥土の土産話に丁度良いわ。貴様も同じくらい絶望するのだ。痛み分けだなあ」
そう言ってキメラは長い舌を出してニヤアと笑った。
この野郎……!
俺は居ても立ってもいられず、この場から走り出した。
キメラをぶっ殺すのは後だ。
ミーアを、守らなければ。
俺は脱兎の如く駆けながら、ボードを呼んだ。
すぐにボードが飛んできて俺と並走する。
俺はボードに飛び乗ると、そのままミーアの元へと飛んだ。
くそッ、何だと言うのだ。
不安が大きくなっていく。
眼下に風車小屋が見えてきた。
俺は着地するのももどかしく、そのままそこへ飛び降りた。
だんっ!
突然目の前に俺が降ってきて、村長は腰を抜かした。
「な、ななな、なんじゃっ?」
「村長。蜻蛉洲は?」
「な、レオか?」
俺は変身したままの姿だ。
村長が判らなくても無理はない。
口には出さなかったが、かなり不気味な作業に思えた。
切断したキメラの首に細工を施すなんて、如何にも悪魔的な光景だ。
「……いったい何をしているんだ?」
俺はたまりかねて令子に尋ねた。
「これ?持って帰ろうと思って。でも新鮮な方がいいでしょ。蜻蛉洲君も喜ぶだろうし」
いや、俺が聞きたいのはそんな事ではないんだが。
「冗談よ。頭だけ生かしておくの。質問するには頭だけあれば足りるでしょ。後は重たそうだし、頭をこうしておけば一応生きていられるの」
令子はそう言って『ね?』とキメラの頭に言った。
「なんと言う恐ろしい女だ……悪魔よりも悪魔的だ」
キメラがしゃべった。
これは現実か。
「こんな目に合わされるとは……」
キメラが後悔たっぷりに呟く。
コイツにここまで言わせるとは、相当な物だ。
俺から見てもかなりエグいやり方だ。
捕虜にするならまだしも。
「うふふふ……私たちを敵に回すからよ。お馬鹿さんね」
令子は悪戯っぽく笑ったが、あまり洒落になっていない。
「さ、帰りましょうか。そろそろ貴方の妹さんも落ち着いているんじゃないかしら」
そうだ。
ミーアは?
俺は急に我に返った。
「ククク……そうか。あの女はお前の妹なのか」
キメラが突然しゃべり始めた。
なんだ、コイツ。
「あの村はなかなか拡がらなかったんだが、そうか、感染した片方はお前の……」
キメラが可笑しそうに笑う。
何が可笑しい。
「これで、死ぬ間際に多少は嫌がらせが出来るな」
「なんだと……ッ!」
俺はカッとなった。
妹に何をする気だ。
これ以上何かしてみろ、脳天を叩き割って犬に食わせてやる。
「ククク……良いとも。是非そうするが良い。冥土の土産話に丁度良いわ。貴様も同じくらい絶望するのだ。痛み分けだなあ」
そう言ってキメラは長い舌を出してニヤアと笑った。
この野郎……!
俺は居ても立ってもいられず、この場から走り出した。
キメラをぶっ殺すのは後だ。
ミーアを、守らなければ。
俺は脱兎の如く駆けながら、ボードを呼んだ。
すぐにボードが飛んできて俺と並走する。
俺はボードに飛び乗ると、そのままミーアの元へと飛んだ。
くそッ、何だと言うのだ。
不安が大きくなっていく。
眼下に風車小屋が見えてきた。
俺は着地するのももどかしく、そのままそこへ飛び降りた。
だんっ!
突然目の前に俺が降ってきて、村長は腰を抜かした。
「な、ななな、なんじゃっ?」
「村長。蜻蛉洲は?」
「な、レオか?」
俺は変身したままの姿だ。
村長が判らなくても無理はない。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
私の存在
戒月冷音
恋愛
私は、一生懸命生きてきた。
何故か相手にされない親は、放置し姉に顎で使われてきた。
しかし15の時、小学生の事故現場に遭遇した結果、私の生が終わった。
しかし、別の世界で目覚め、前世の知識を元に私は生まれ変わる…
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
異世界魔法、観察してみたら
猫チュー
ファンタジー
異世界に転生した少年レイは、ある日、前世の記憶を取り戻す。
未知でありながら日常の一部となっている魔法に強い興味を抱いた彼は、村の魔法オババに師事し、修行の日々を送る。
やがてレイは、この世界の魔法が、地球で学んだ知識と多くの共通点を持つことに気づいていく。
師の元を離れ、世界を知っていく中で、少年は魔法を観察し、考え、少しずつ理解を深めていく。
これは、少年レイが世界を、魔法を、科学していく物語。
【完結】1王妃は、幸せになれる?
華蓮
恋愛
サウジランド王国のルーセント王太子とクレスタ王太子妃が政略結婚だった。
側妃は、学生の頃の付き合いのマリーン。
ルーセントとマリーンは、仲が良い。ひとりぼっちのクレスタ。
そこへ、隣国の皇太子が、視察にきた。
王太子妃の進み道は、王妃?それとも、、、、?
【完結】瑠璃色の薬草師
シマセイ
恋愛
瑠璃色の瞳を持つ公爵夫人アリアドネは、信じていた夫と親友の裏切りによって全てを奪われ、雨の夜に屋敷を追放される。
絶望の淵で彼女が見出したのは、忘れかけていた薬草への深い知識と、薬師としての秘めたる才能だった。
持ち前の気丈さと聡明さで困難を乗り越え、新たな街で薬草師として人々の信頼を得ていくアリアドネ。
しかし、胸に刻まれた裏切りの傷と復讐の誓いは消えない。
これは、偽りの愛に裁きを下し、真実の幸福と自らの手で築き上げる未来を掴むため、一人の女性が力強く再生していく物語。
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。