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二九二
召喚された名も無き悪魔は、迫る俺をギロリと睨み付ける。
本当に悪魔なのか。
ヒュッ!
俺は手刀を悪魔めがけて振り下ろす。
しかし、悪魔は難なく俺の手刀をかわした。
普通の反応ではない。
悪魔が翼を羽ばたかせ空に移動すると、こちらの攻撃はより一層当たらなくなった。
「ちっ……」
舌打ちをするが、それで現状が打破出来るわけでもない。
シュシュシュ!
後方から投げナイフが飛んだ。
オレコだ。
オレコの投げナイフが正確に悪魔の急所を狙って飛ぶ。
ぶん!
カンカンカン!
だがそれも、手にした槍で一掃されてしまった。
簡単にやって見せやがって。
自分の急所を狙って投げられた複数のナイフを打ち払う事は、そんなに簡単ではない。
なんと言う悪魔か知らないが、その辺の戦闘職が簡単に勝てるような相手ではない事はすぐに判る。
さて、どうするか。
「下がるがいい。身の程をわきまえよ」
背後から声がした。
俺は慌てて振り返った。
「我の前に何用か。下賎の者よ」
俺は声の主を見て驚愕した。
トラゴスだ。
だが様子がおかしい。
トラゴスの周囲に、悪魔が現れた時と同じような黒い煙が立ちこめている。
なんと言うか禍々しいオーラのような物が辺りに渦巻いている。
「ト、トラゴス……?」
カルタスが言葉を失いそうになりながらも、なんとかトラゴスの名前を呼んだ。
そして、そのトラゴスは姿形を変えようとしている。
体は大きくなり、頭はそれ以上に巨大化している。
頭部の形状は段々と人間の物とは異なり、やがてそれは大きな角を持つ黒山羊へと変貌を遂げた。
「や、山羊……?」
カルタスが腰を抜かしそうになる。
だが体は人間のままである。
胸には女性の乳房があり、背中には黒い羽が生えた。
「バ……バフォメット……!」
今度はマザが呟いた。
バフォメットだと?
バフォメットと言えば上級六大悪魔に数えられる。
魔女、つまりウィッチたちの崇める悪魔であり、黒ミサを司るとされる。
正真正銘の大悪魔である。
召喚された悪魔は一瞬怯んだが、召喚者に逆らうことは出来ない。
カーディナルの指示に従わざるをえなかった。
「あくまで我と対峙するか。ならば死を!」
バフォメットが右手を上げた。
ピシャアアアンッ!バリバリバリバリッ!
轟音が轟いて、突然落雷が悪魔を撃った。
だが驚いたのはそこでは無かった。
黒い雷だ。
全く光を伴わない、黒く暗い雷。
落ちた瞬間、辺りは黒い光に包まれ一瞬闇になった。
目を開けるとそこにはもう悪魔の姿は無かった。
「……嘘だろ」
カルタスは目を何度も瞬きした。
俺も色々驚く目には合ってきたが、これにはかなり驚いた。
本当に悪魔なのか。
ヒュッ!
俺は手刀を悪魔めがけて振り下ろす。
しかし、悪魔は難なく俺の手刀をかわした。
普通の反応ではない。
悪魔が翼を羽ばたかせ空に移動すると、こちらの攻撃はより一層当たらなくなった。
「ちっ……」
舌打ちをするが、それで現状が打破出来るわけでもない。
シュシュシュ!
後方から投げナイフが飛んだ。
オレコだ。
オレコの投げナイフが正確に悪魔の急所を狙って飛ぶ。
ぶん!
カンカンカン!
だがそれも、手にした槍で一掃されてしまった。
簡単にやって見せやがって。
自分の急所を狙って投げられた複数のナイフを打ち払う事は、そんなに簡単ではない。
なんと言う悪魔か知らないが、その辺の戦闘職が簡単に勝てるような相手ではない事はすぐに判る。
さて、どうするか。
「下がるがいい。身の程をわきまえよ」
背後から声がした。
俺は慌てて振り返った。
「我の前に何用か。下賎の者よ」
俺は声の主を見て驚愕した。
トラゴスだ。
だが様子がおかしい。
トラゴスの周囲に、悪魔が現れた時と同じような黒い煙が立ちこめている。
なんと言うか禍々しいオーラのような物が辺りに渦巻いている。
「ト、トラゴス……?」
カルタスが言葉を失いそうになりながらも、なんとかトラゴスの名前を呼んだ。
そして、そのトラゴスは姿形を変えようとしている。
体は大きくなり、頭はそれ以上に巨大化している。
頭部の形状は段々と人間の物とは異なり、やがてそれは大きな角を持つ黒山羊へと変貌を遂げた。
「や、山羊……?」
カルタスが腰を抜かしそうになる。
だが体は人間のままである。
胸には女性の乳房があり、背中には黒い羽が生えた。
「バ……バフォメット……!」
今度はマザが呟いた。
バフォメットだと?
バフォメットと言えば上級六大悪魔に数えられる。
魔女、つまりウィッチたちの崇める悪魔であり、黒ミサを司るとされる。
正真正銘の大悪魔である。
召喚された悪魔は一瞬怯んだが、召喚者に逆らうことは出来ない。
カーディナルの指示に従わざるをえなかった。
「あくまで我と対峙するか。ならば死を!」
バフォメットが右手を上げた。
ピシャアアアンッ!バリバリバリバリッ!
轟音が轟いて、突然落雷が悪魔を撃った。
だが驚いたのはそこでは無かった。
黒い雷だ。
全く光を伴わない、黒く暗い雷。
落ちた瞬間、辺りは黒い光に包まれ一瞬闇になった。
目を開けるとそこにはもう悪魔の姿は無かった。
「……嘘だろ」
カルタスは目を何度も瞬きした。
俺も色々驚く目には合ってきたが、これにはかなり驚いた。
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