見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三〇五

「ライエル将軍!いくら将軍でも、それはさすがに勝手です!」

 メルドルムが強い口調で訴える。

「私は将軍としても、人間としても、あなたを尊敬している。だが、ネオジョルトを始末することはユピテル皇子の厳命です。それを勝手に見逃すなどというのは……」

「……二度言わせるな。ネオジョルトは討つ。だがこんなやり方ではない!」

 ライエルがメルドルムを見た後に、レイスを見た。
明らかにライエルは化け物を使って使命を果たすと言う事に嫌悪感を抱いている。

「行け。次は俺がお前たちを潰す。今度こそな」

 ライエルが俺を見据えてそう言った。
その時だった。

 ヒィィィィィィ……ンッ! 

 聞きなれない音がどこからか聞こえてくる。
それも段々とその音は大きくなってくる。
何かが近付いている、そんな音だ。

 ドォォォォォンッ! 

 音が限界に達した時、俺たちの目の前に何かが落ちてきた。
いや、突っ込んできたと言った方が正しいかもしれない。
砂ぼこりを立てて、その何かが姿を現す。

「オ、オオムカデンダル……」

 俺は驚いてその名前を口にした。
なぜオオムカデンダルがここに?
ミスリル銀山の拠点からはかなりの距離がある。

「おお、着地地点ドンピシャだな」

 オオムカデンダルはそんな事を言いながら、自分が飛んできた方向の空を見上げた。
まさか、飛んできたと言うのか。

「いや俺さ、蜻蛉洲みたいに飛べないじゃん?乗り物に乗るのも良いんだけど、もっと早く簡単に移動できる手段は無いかなってずっと考えてたんだよな」

 オオムカデンダルは俺の驚きなど少しも意に介していない。
何か勝手に話し始めている。

「試験を兼ねての初飛行だったが、こんなに上手くいくとはな。さすが俺」

 そう言ってオオムカデンダルは笑った。

「……飛んできたのか?」

 俺はようやくそれだけ言った。
今一番話さなければならないのは、こんな話題では無い筈だが、一つずつ片付けていかないといつまで経ってもオオムカデンダルの話は聞けない。

 この男は自分の興味のある順番にしか会話しないからだ。

「へへ、大砲みたいに撃ち出したんだよ。改造人間の体があって初めて可能な方法だけどな。お陰で見ろよ、ホンの数分で着いたぞ」

 なるほど。
訳は判らんが、何を言っているのかは判った。
でもそれじゃ帰りは歩きだぞ。

「ムカデ……貴様も現れるとはな」

 ライエルが緊張した表情でオオムカデンダルを見た。

「おお、お前あの時の将軍。生きてたのか。よかったな」

 能天気な事を言うな。
お前がこんな目に合わせたんだろ。

「……何しに来た」

「いやね、この化け物をもらいたいなぁなんて思ってよ。処分される前に慌ててもらいに来たって訳さ」
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