見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三〇七

「あ、ああ。だが、どうするんだ?歩いて運ぶのか?」

 俺は素朴な疑問をオオムカデンダルにぶつけた。

「ああっ!!そうだった!しまったあ!」

 突然オオムカデンダルが頭を抱えてしゃがみこむ。
おい、まさか考えなく飛んできたんじゃあるまいな。

「帰りの事を忘れてたあ!」

 マジか。
天才のくせに、なんだそのドジの踏みかたは。

「早くもらい受けないと処分されるんじゃないかと、急ぎに急いで来たんだよ!……それにテストも兼ねて使用してみたかったし……まいったな」

 オオムカデンダルは割りと本気で落ち込んでいる。

「あの……レオ。こちらはどなたかしら?」

 オレコが俺の肩をつついた。

「ああ、彼はオオムカデンダル。我々ネオジョルトの幹部の一人だ。俺の直接の上官でもある」

 俺は簡単にオオムカデンダルを説明した。

「アナタの上官……空を飛んできたわ」

「俺も驚いたが、付き合ってみればもっと驚く事ばかりだ。こんなのは序の口だ」

 実際何度彼に、いや彼らに脅かされた事か。

「お、おい!なんだあれは!?」

 突然メルドルムが叫んだ。
今度はなんだと言うのだ。
俺はメルドルムの視線の先を追った。
上を見ている。
俺も空を見た。

 メタルシェルだ。
ネオジョルトの巨大な飛行倉庫とも言うべき飛行物体だ。
それがスペースを見つけてゆっくりと降下してくる。

 シュイィィィン……

 着地すると扉が開く。
中からフィエステリアームが顔を覗かせた。

「オオムカデンダル、迎えに来たよ」

 フィエステリアームはそうオオムカデンダルに呼び掛けた。

「おお!フィエステリアーム!気が利くなあ!ありがとよ」

 オオムカデンダルは嬉しそうにメタルシェルへ駆け込んだ。
レイスは引きずられたままだ。

「クッ!……離さぬか!」

 暴れるレイスをオオムカデンダルは無言で蹴った。

「ぐはっ!」

 俺はそれを眺めながら自分もワイトを引きずって後を追う。

「獲物が欲しいって騒いでたのに、単身射出されていったから迎えが要るだろうなと思った」

 フィエステリアームは可愛らしい幼い顔とは裏腹に、全くの無表情でそう言った。

「いやぁ面目無い。すっかり慌ててよ」

 なるほど。
冷静沈着なフィエステリアームらしい。
見た目の年齢によらず、良く見ている。

「おいレオ、アイツらだろ例の仲間は」

 オオムカデンダルはカルタスたちをアゴで指した。
仲間と言うかなんと言うか。
とりあえずはそう言う事になるのか。

「……そうだが」

「だったら連れてこい。おう!お前ら、招待してやる。ついて来いよ」

  オオムカデンダルはそう言ってカルタスたちを呼び寄せた。

「は?良いのか?なんで急にそんな……」

 俺は驚いた。

「良いんだよ。元からそのつもりでお前に連れて行けと言ったんだ」
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