317 / 826
三一七
「でもなあ。人間を辞めるのはちょっとなあ」
カルタスが腕組みをする。
誰が人間を辞めたんだ。
俺は辞めたつもりはない。
体だけ新しくなったのだ。
俺はカルタスとトラゴスを残してオオムカデンダルの所へ向かった。
彼の居るところは判っている。
幹部はそれぞれ自分のラボを持っている。
オオムカデンダルもそこに居る筈だ。
俺はオオムカデンダルのラボを訪れた。
「オオムカデンダル、ちょっといいか」
俺はラボに足を踏み入れながら言った。
「おお、構わんぞ」
オオムカデンダルがレイスを寝台に寝かせて、作業の準備をしていた。
「……何をしているんだ?」
「何って、お前……決まってるだろ。実験だよ実験」
実験?
何の?
「この世界のモンスター連中は俺たちの世界には存在さえしていない。つまり生き物の範疇に無いんだよ。それがこうやって喋ったり歩いたりしてるんだぜ?調べたくもなるってもんよ」
そんなもんかね。
俺には良く判らんが、俺たちに取ってもレイスのような上級レアモンスターは珍しい。
知らない事ばかりだから調べたいってのは理解できるが。
「じ、実験だと!?やめろ!ふざけるな!」
レイスがオオムカデンダルの言葉を聞いて騒ぎ出す。
「やかましい!大人しく切り刻まれろ!」
そう言ってオオムカデンダルがレイスを殴った。
「ぐあっ!」
ハッキリ言って酷い光景だ。
拷問と変わらないように見える。
だが相手がレイスのせいか、あるいは妹の仇と言う気持ちのせいか、全く可哀想だとは思えなかった。
「それは良いんだが、先に妹の情報を聞かせてくれないか」
俺はレイスが切り刻まれる前にと、慌ててオオムカデンダルに頼んだ。
「判ってるよ。だがな、コイツが尋ねて大人しく口を割ると思うか?」
それは……思わない。
「だろ?だから並行して行う。むしろ記憶だけ吸い出して直接自分で見る方が良いかもな」
「な……!?」
レイスが青ざめた。
いや、もともとレイスに顔はない。
今も見えないレイスの顔だが、恐らく青ざめているに違いなかった。
「でもどうやって?」
「そうさなあ。直接脳を取り出してみるとか?」
脳を?
なぜ?
「何故ってお前……そりゃ脳に記憶が詰まってるからだろ」
脳に記憶が詰まってる?
そうなのか?
胸に、つまりハート(心臓)に心や記憶は宿るのではないのか?
「はあ……これだからファンタジーの住人は。いいか、その心は脳が作り出してるんだよ」
知らなかった。
なんかショックだ。
「心臓はただの心臓だ。大事な部分には違いないが、心臓で物を考える事は出来んよ」
オオムカデンダルはそう言ってレイスの頭を掴まえた。
カルタスが腕組みをする。
誰が人間を辞めたんだ。
俺は辞めたつもりはない。
体だけ新しくなったのだ。
俺はカルタスとトラゴスを残してオオムカデンダルの所へ向かった。
彼の居るところは判っている。
幹部はそれぞれ自分のラボを持っている。
オオムカデンダルもそこに居る筈だ。
俺はオオムカデンダルのラボを訪れた。
「オオムカデンダル、ちょっといいか」
俺はラボに足を踏み入れながら言った。
「おお、構わんぞ」
オオムカデンダルがレイスを寝台に寝かせて、作業の準備をしていた。
「……何をしているんだ?」
「何って、お前……決まってるだろ。実験だよ実験」
実験?
何の?
「この世界のモンスター連中は俺たちの世界には存在さえしていない。つまり生き物の範疇に無いんだよ。それがこうやって喋ったり歩いたりしてるんだぜ?調べたくもなるってもんよ」
そんなもんかね。
俺には良く判らんが、俺たちに取ってもレイスのような上級レアモンスターは珍しい。
知らない事ばかりだから調べたいってのは理解できるが。
「じ、実験だと!?やめろ!ふざけるな!」
レイスがオオムカデンダルの言葉を聞いて騒ぎ出す。
「やかましい!大人しく切り刻まれろ!」
そう言ってオオムカデンダルがレイスを殴った。
「ぐあっ!」
ハッキリ言って酷い光景だ。
拷問と変わらないように見える。
だが相手がレイスのせいか、あるいは妹の仇と言う気持ちのせいか、全く可哀想だとは思えなかった。
「それは良いんだが、先に妹の情報を聞かせてくれないか」
俺はレイスが切り刻まれる前にと、慌ててオオムカデンダルに頼んだ。
「判ってるよ。だがな、コイツが尋ねて大人しく口を割ると思うか?」
それは……思わない。
「だろ?だから並行して行う。むしろ記憶だけ吸い出して直接自分で見る方が良いかもな」
「な……!?」
レイスが青ざめた。
いや、もともとレイスに顔はない。
今も見えないレイスの顔だが、恐らく青ざめているに違いなかった。
「でもどうやって?」
「そうさなあ。直接脳を取り出してみるとか?」
脳を?
なぜ?
「何故ってお前……そりゃ脳に記憶が詰まってるからだろ」
脳に記憶が詰まってる?
そうなのか?
胸に、つまりハート(心臓)に心や記憶は宿るのではないのか?
「はあ……これだからファンタジーの住人は。いいか、その心は脳が作り出してるんだよ」
知らなかった。
なんかショックだ。
「心臓はただの心臓だ。大事な部分には違いないが、心臓で物を考える事は出来んよ」
オオムカデンダルはそう言ってレイスの頭を掴まえた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
異世界魔法、観察してみたら
猫チュー
ファンタジー
異世界に転生した少年レイは、ある日、前世の記憶を取り戻す。
未知でありながら日常の一部となっている魔法に強い興味を抱いた彼は、村の魔法オババに師事し、修行の日々を送る。
やがてレイは、この世界の魔法が、地球で学んだ知識と多くの共通点を持つことに気づいていく。
師の元を離れ、世界を知っていく中で、少年は魔法を観察し、考え、少しずつ理解を深めていく。
これは、少年レイが世界を、魔法を、科学していく物語。
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろう、ベリーズカフェにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
『異界酒場 ルーナ』
みぎみみ
ファンタジー
東京・渋谷から少し外れた路地の奥、築五十年のビルの地下一階。看板は小さく、知っている人しか辿り着けない。
カウンター八席、テーブル二卓。深夜零時から夜明けまでの営業。
ルーカス(本名:ルカシュ・ヴァルド)
異世界の小さな王国の第三王子として生まれたが、王位継承争いに巻き込まれ、魔法陣の暴走によって現代日本に転移してきた。外見は三十代前半の白人男性。銀灰色の髪と、光の加減で金色にも見える瞳を持つ。日本語は「声の魔法」で習得した。
他人の「最も深い渇望」が視える力を持つ——それは意識的な欲求ではなく、本人すら気づいていない魂の底の叫び。酒や料理を通じてその渇望に応える。
自分の力を「呪い」だと思っていた時期もある。今はただ、使い道を見つけた、という感覚でいる。
異世界に降り立った刀匠の孫─真打─
リゥル
ファンタジー
異世界に降り立った刀匠の孫─影打─が読みやすく修正され戻ってきました。ストーリーの続きも連載されます、是非お楽しみに!
主人公、帯刀奏。彼は刀鍛冶の人間国宝である、帯刀響の孫である。
亡くなった祖父の刀を握り泣いていると、突然異世界へと召喚されてしまう。
召喚されたものの、周囲の人々の期待とは裏腹に、彼の能力が期待していたものと違い、かけ離れて脆弱だったことを知る。
そして失敗と罵られ、彼の祖父が打った形見の刀まで侮辱された。
それに怒りを覚えたカナデは、形見の刀を抜刀。
過去に、勇者が使っていたと言われる聖剣に切りかかる。
――この物語は、冒険や物作り、によって成長していく少年たちを描く物語。
カナデは、人々と触れ合い、世界を知り、祖父を超える一振りを打つことが出来るのだろうか……。