340 / 826
三四〇
「ヴァンパイアと互角に?そんな馬鹿な」
カルタスが鼻で笑った。
無理もない。
その気持ちは良く判る。
「本当だ。実際にヴァンパイアと戦った事がある。オオムカデンダルはヴァンパイアを片手間に圧倒していたし、俺もこの体になってから戦ったが互角以上に戦えたよ。生身の時には全く歯が立たなかったのに」
俺は自嘲気味に言った。
「何で奴らはお前より強いんだ?お前も改造手術なるものを受けたのなら同じくらい強いんじゃないのか?」
カルタスが不満げに言う。
何故お前が不服なのか。
「詳しくは判らんが、何やら重要な素材が足りないらしい。それが力の源になる素材なんだと言っていた。俺には代用品が組み込まれているが、それでも彼らほどのモンスターパワーは出せないようだ」
カルタスは疑いの眼差しを俺に向けた。
「本当かあ?自分たちの地位を守る為にお前を格下に造ったんじゃないのか?」
カルタスが疑問を口にする。
「判らん。そうなのかもしれない。だが、彼らの部下になった時点で格下でも格上でも関係ない。俺は仲間の命を救いたいだけだからな。その条件の下に配下に加わったのだ。今は妹を救うと言う理由も加わったが」
俺はカルタスを見た。
「こうなったのも運命だと思っている。どうなるかは神のみぞ知る。俺は後悔もしていないし、これが運命なら、このまま流されてみるつもりだ」
カルタスが呆れた顔で俺を見た。
「……お前、実は楽しんでいるだろ?」
「楽しんでいるのかな……自分でも判らん。ただ、この先どうなるかは見てみたい」
そうなのだ。
ネオジョルトに何が出来るのか。
何をするのか。
世界がどう変わるか。
そして、俺はどうなっていくのか。
その全てに興味があった。
そう言う意味ではカルタスの言葉は当たっている。
俺は楽しんでいるのかもしれない。
「それはともかく」
オレコが口を挟む。
「どうするの?アタシ、何だかちょっとショックなんだけど」
そう言ってオレコがため息を吐く。
そりゃあそうだろう。
あんな大技を繰り出して、容易く破られたのだ。
自信も揺らぐ。
「……俺だって奥の手使って大したダメージ与えられなかったんだぞ?」
カルタスが張り合う。
その勝負は不毛だ。
「改造手術を回避する目的は達成したんだから、無駄ではないだろ」
俺が言うとカルタスは、納得がいかないと言うように愚痴をこぼす。
「でもよう……何年修行して身に付けたと思ってるんだ?いつかゴーレムにでも試してみたいと思っていた技だったのによ」
なるほど。
絶対の自信を持つ必殺技だったわけだ。
確かにそのくらいの価値がある技だった。
「お前がヴァンパイアに勝てるようになったらもう一度挑めよ」
俺は無責任に言った。
カルタスが鼻で笑った。
無理もない。
その気持ちは良く判る。
「本当だ。実際にヴァンパイアと戦った事がある。オオムカデンダルはヴァンパイアを片手間に圧倒していたし、俺もこの体になってから戦ったが互角以上に戦えたよ。生身の時には全く歯が立たなかったのに」
俺は自嘲気味に言った。
「何で奴らはお前より強いんだ?お前も改造手術なるものを受けたのなら同じくらい強いんじゃないのか?」
カルタスが不満げに言う。
何故お前が不服なのか。
「詳しくは判らんが、何やら重要な素材が足りないらしい。それが力の源になる素材なんだと言っていた。俺には代用品が組み込まれているが、それでも彼らほどのモンスターパワーは出せないようだ」
カルタスは疑いの眼差しを俺に向けた。
「本当かあ?自分たちの地位を守る為にお前を格下に造ったんじゃないのか?」
カルタスが疑問を口にする。
「判らん。そうなのかもしれない。だが、彼らの部下になった時点で格下でも格上でも関係ない。俺は仲間の命を救いたいだけだからな。その条件の下に配下に加わったのだ。今は妹を救うと言う理由も加わったが」
俺はカルタスを見た。
「こうなったのも運命だと思っている。どうなるかは神のみぞ知る。俺は後悔もしていないし、これが運命なら、このまま流されてみるつもりだ」
カルタスが呆れた顔で俺を見た。
「……お前、実は楽しんでいるだろ?」
「楽しんでいるのかな……自分でも判らん。ただ、この先どうなるかは見てみたい」
そうなのだ。
ネオジョルトに何が出来るのか。
何をするのか。
世界がどう変わるか。
そして、俺はどうなっていくのか。
その全てに興味があった。
そう言う意味ではカルタスの言葉は当たっている。
俺は楽しんでいるのかもしれない。
「それはともかく」
オレコが口を挟む。
「どうするの?アタシ、何だかちょっとショックなんだけど」
そう言ってオレコがため息を吐く。
そりゃあそうだろう。
あんな大技を繰り出して、容易く破られたのだ。
自信も揺らぐ。
「……俺だって奥の手使って大したダメージ与えられなかったんだぞ?」
カルタスが張り合う。
その勝負は不毛だ。
「改造手術を回避する目的は達成したんだから、無駄ではないだろ」
俺が言うとカルタスは、納得がいかないと言うように愚痴をこぼす。
「でもよう……何年修行して身に付けたと思ってるんだ?いつかゴーレムにでも試してみたいと思っていた技だったのによ」
なるほど。
絶対の自信を持つ必殺技だったわけだ。
確かにそのくらいの価値がある技だった。
「お前がヴァンパイアに勝てるようになったらもう一度挑めよ」
俺は無責任に言った。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
ゴミ捨て場領主のクラフト無双 ~最弱魔法【分解と合成】で領地を黄金郷に変えたら、俺を見下していた大貴族令嬢たちが掌を返してすり寄ってきた件~
namisan
ファンタジー
東西南北の大貴族から「毒の川」「凶暴な魔獣」「莫大な借金」を押し付けられ、王国の『ゴミ捨て場』と化したローゼンベルク領。
父と兄を謀殺され、その絶望の領地を押し付けられた無能貴族のアークは、領地の分割を企む高慢な令嬢たち(王女、公爵令嬢、姫将軍など)に嘲笑われていた。
だが、彼には現代の知識と、隠された最強チート能力があった!
触れたものを瞬時に素材に戻し、全く別のモノに作り変える神の御業――【分解と合成】。
「毒の川」を分解して『超高価な宝石と純水』へ!
「魔獣の死骸」と「瓦礫」を合成して『絶対に壊れない防壁』へ!
借金取りには新素材を高値で売りつけ、逆に敵の経済を支配していく。
圧倒的なクラフト能力で、瞬く間にゴミ捨て場を「無敵の黄金郷」へと作り変えていくアーク。
己の敗北を悟り、震え上がる悪徳貴族と高慢な令嬢たち。
さらに、アークの圧倒的な知略と底知れぬ実力は、気高い令嬢たちの本能に深く刻み込まれていく。
「どうか、私をあなたの手駒としてお使いください……っ!」
プライドを完全にへし折られた最高位の美少女たちは、いつしかアークの与える『恩恵』なしでは生きられないほど、彼に絶対の忠誠と依存を誓うようになっていく――。
最弱のゴミ捨て場から始まる、爽快クラフト内政&ざまぁファンタジー、堂々開幕!
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
『異界酒場 ルーナ』
みぎみみ
ファンタジー
東京・渋谷から少し外れた路地の奥、築五十年のビルの地下一階。看板は小さく、知っている人しか辿り着けない。
カウンター八席、テーブル二卓。深夜零時から夜明けまでの営業。
ルーカス(本名:ルカシュ・ヴァルド)
異世界の小さな王国の第三王子として生まれたが、王位継承争いに巻き込まれ、魔法陣の暴走によって現代日本に転移してきた。外見は三十代前半の白人男性。銀灰色の髪と、光の加減で金色にも見える瞳を持つ。日本語は「声の魔法」で習得した。
他人の「最も深い渇望」が視える力を持つ——それは意識的な欲求ではなく、本人すら気づいていない魂の底の叫び。酒や料理を通じてその渇望に応える。
自分の力を「呪い」だと思っていた時期もある。今はただ、使い道を見つけた、という感覚でいる。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。