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三四八
俺は言葉に詰まった。
そう言われてはなんと返すのが正解なのか。
無理に見せろとは言いづらかった。
「しかし……」
俺はまだ諦めきれない。
もう数ヵ月も見ていない。
だいたい、今どう言う状態なのかとか定期的に言ってくれれば良いではないか。
なんの音沙汰も無しでは心配にもなる。
「判った判った。お前の気持ちは良く判ったよ。これからは定期的に説明しよう。だから大人しく待っていろ」
オオムカデンダルは半ば強引に話を終わらせた。
話し合いの余地は無いらしい。
しかたがない。
オオムカデンダルがそう言う以上、俺は従うしかない。
「少し焦りすぎなんじゃないのか」
オオムカデンダルが背中を向けたまま言った。
その言い方は無いだろう。
妹の所在は不明、情報は整理するまで待て、彼女に会うことさえ叶わない。
それでどう落ち着けと言うのか。
こんな状態でピクニックにでも行けと言うのか。
俺はイライラが募るのを感じていた。
「まあ、そうカリカリするなよ」
オオムカデンダルが振り向いて言う。
不服そうな俺の顔を見て、オオムカデンダルはため息を吐いた。
「はあ……しょうがないなお前は。仕方がない、付いてこいよ」
呆れたようにオオムカデンダルは歩きだした。
なんだ、会わせてくれるのか?
俺は落ち着かない気持ちのままオオムカデンダルの後に続いた。
「どこへ行くんだ?」
「じーちゃんのとこだ」
じーちゃん?
誰の事だ?
彼女に会わせてくれるんじゃ無いのか?
俺は落胆しつつも後に付いていく。
しばらく行くと客間に続く通路へと入った。
客間に居るのは賢者サルバスだ。
じーちゃんとはサルバスの事か。
いくつかある客間の一つに着いた。
間違いない、サルバスが寝泊まりしている部屋だ。
「おい、じーちゃん。居るか?」
オオムカデンダルは言うと同時に部屋へ入った。
「お前は相変わらず返事を待たんな」
中からサルバスの声がする。
「ちゃんと声を掛けたじゃないか」
「言うのと同時に入ってきたら意味が無かろう」
そう言うサルバスは特に怒っている風でも無かった。
伝説のドラゴンクラス。
セイジの称号を持つ大賢者サルバス。
そのレジェンドをじーちゃん呼ばわりするとは、世界でもコイツだけだろう。
普通の感覚で言えば、一目見るのはおろか匂いを嗅ぐ事さえ許されまい。
それほどの存在だ。
まあ、嗅ぎたいヤツが居るかは判らんが。
……いや、居るだろうな。
「なんか用かの」
サルバスが言った。
「お、そうだ。コイツに何を目的をやってくれよ」
オオムカデンダルが背後に立つ俺を親指で指した。
「レオに?どう言う事だ?」
サルバスが不思議そうな顔をする。
俺も同じ顔をしている事だろう。
そう言われてはなんと返すのが正解なのか。
無理に見せろとは言いづらかった。
「しかし……」
俺はまだ諦めきれない。
もう数ヵ月も見ていない。
だいたい、今どう言う状態なのかとか定期的に言ってくれれば良いではないか。
なんの音沙汰も無しでは心配にもなる。
「判った判った。お前の気持ちは良く判ったよ。これからは定期的に説明しよう。だから大人しく待っていろ」
オオムカデンダルは半ば強引に話を終わらせた。
話し合いの余地は無いらしい。
しかたがない。
オオムカデンダルがそう言う以上、俺は従うしかない。
「少し焦りすぎなんじゃないのか」
オオムカデンダルが背中を向けたまま言った。
その言い方は無いだろう。
妹の所在は不明、情報は整理するまで待て、彼女に会うことさえ叶わない。
それでどう落ち着けと言うのか。
こんな状態でピクニックにでも行けと言うのか。
俺はイライラが募るのを感じていた。
「まあ、そうカリカリするなよ」
オオムカデンダルが振り向いて言う。
不服そうな俺の顔を見て、オオムカデンダルはため息を吐いた。
「はあ……しょうがないなお前は。仕方がない、付いてこいよ」
呆れたようにオオムカデンダルは歩きだした。
なんだ、会わせてくれるのか?
俺は落ち着かない気持ちのままオオムカデンダルの後に続いた。
「どこへ行くんだ?」
「じーちゃんのとこだ」
じーちゃん?
誰の事だ?
彼女に会わせてくれるんじゃ無いのか?
俺は落胆しつつも後に付いていく。
しばらく行くと客間に続く通路へと入った。
客間に居るのは賢者サルバスだ。
じーちゃんとはサルバスの事か。
いくつかある客間の一つに着いた。
間違いない、サルバスが寝泊まりしている部屋だ。
「おい、じーちゃん。居るか?」
オオムカデンダルは言うと同時に部屋へ入った。
「お前は相変わらず返事を待たんな」
中からサルバスの声がする。
「ちゃんと声を掛けたじゃないか」
「言うのと同時に入ってきたら意味が無かろう」
そう言うサルバスは特に怒っている風でも無かった。
伝説のドラゴンクラス。
セイジの称号を持つ大賢者サルバス。
そのレジェンドをじーちゃん呼ばわりするとは、世界でもコイツだけだろう。
普通の感覚で言えば、一目見るのはおろか匂いを嗅ぐ事さえ許されまい。
それほどの存在だ。
まあ、嗅ぎたいヤツが居るかは判らんが。
……いや、居るだろうな。
「なんか用かの」
サルバスが言った。
「お、そうだ。コイツに何を目的をやってくれよ」
オオムカデンダルが背後に立つ俺を親指で指した。
「レオに?どう言う事だ?」
サルバスが不思議そうな顔をする。
俺も同じ顔をしている事だろう。
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