見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三五一

 おかしな事になってきた。
そんな事をしている場合ではないのだ。
早く妹を探し出さなければ。
どんな目にあっているのか考えただけでも、居ても立っても居られなかった。

「だからこそ行ってこいと言っている」

 オオムカデンダルが言った。

「何かしていれば少しは気も紛れる。何よりさっきじーちゃんも言っていたろ?蛇の道は蛇だ。何か収穫があるかも知れんぞ」

 言っている事は判らなくもないが。
それにしてもいったい何をすれば良いのやら。

「適当に夜中ブラついてればええ。夜中に町中を歩いてるのは、モンスターか犯罪者だけじゃ」

 そう言ってサルバスが笑った。
笑ってる場合か、治安維持はどうした。

「夜中に出歩く方が悪いわい。昼間と夜中で住み分けは出来ておる。それを理解しなければいかん。やつらにはやつらの時間と言う物があるのだ」

 判るような判らんような。
まあ、いい。
上からやれと言われればやるしかない。
しがない怪人の悲しいところだ。

「帝国の西側は特に繁華街が多い。夜も賑やかだからその辺りが狙い目じゃ。なるべく薄暗い路地をうろつくんだぞ」

 どう言う指令だ。
薄暗い路地をうろつけなんて命令、聞いたことがない。
俺は曖昧に返事をして部屋を出た。
どうする。
今晩から行くのか。
あまり気乗りはしない。

 結局モタモタしているうちに陽が傾き始めた。
もうすぐ夕刻。
そして夜がくる。
行くならもう出発するしかない。

「……仕方がない。ここでモヤモヤしててもやれる事は無いんだ」

 俺は腹をくくると出発する事にした。
ボードを担いで表へ出る。
西日は夕日になりつつあった。
やがて夜がくる。
辺りのモンスターの気配が強くなっているのが判る。
夜はモンスターたちの時間なのだ。

 俺はボードを地面に放ると、その上にひょいと飛び乗った。
そのままスルスルと滑り出す。

 ふわっ

 あっという間に上昇に転じ、帝国に向かって飛び立つ。
ものの数分で帝国には着くだろう。
ボードのお陰で移動にかかる手間は格段に軽減された。
以前なら旅の準備が必要な道程でも、ちょっとそこまでくらいの感覚で行けるのは大きい。

 夕日が建物の向こうへ沈みかけた頃、俺は帝国領に差し掛かった。
この辺りで降りておこう。
俺はボードから飛び降りると、狭い路地へと降り立った。

 すたっ

 無事に着地すると辺りを伺う。
人通りは無い。
こう言う所をうろつけと言う事か。
しかしここはただの住宅地だ。
もっと繁華街の方へ行くのが良いだろう。
俺は路地を出ると、大通りへ向かう。
そこから西の繁華街を目指すのだ。

 大通りにはまだまばらに人が歩いている。
だが、それもやがて途絶えるのだろう。
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