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三六五
あっと言う間に店内はガランとした。
フロアには椅子が乱雑に転がっていた。
「やる気になったかい?まさか店ごと吹っ飛ばせやしないだろ?」
ファズが軽口を叩く。
「それはどうかな?」
「へっ、ハッタリはやめときなよ。俺にはブラフは通用しない」
そう言い終わると同時にファズが一瞬で間合いに入った。
「!」
パァンッ!
一瞬だった。
素早いパンチが俺の顔面を打った。
そしてもうそこには居ない。
再び元の位置まで戻っている。
間合いにして二歩ほど遠い。
速いな。
人間のスピードとは思えない速さだ。
冒険者でもない街のゴロツキに、なぜこんな真似が出来るのか。
「へえ。痛くないのかい?」
俺の様子を観察して、ファズが言った。
「素早いな。正直驚いた」
ファズの表情が変わる。
「アンタ……何とかなると思ってるな?」
俺はその質問には答えなかった。
「そう言う勘違いがムカつくんだよ。冒険者が何でも上だと思ってるなら間違いだぜ?」
またファズが前に出た。
ひゅっ!
高速パンチが放たれる。
今度は見える。
俺はそのパンチを掴まえた。
パァンッ!
ファズの拳がまた俺の顔面を捉える。
捕まえきれなかった。
最初のパンチよりも速い。
俺は考えを改めた。
まだまだ速くなる可能性を考慮しておくべきだ。
「お前、冒険者が嫌いなのか?」
「ああ、嫌いだね。反吐が出るぜ。いつも自分たちの方が強い、上なんだと振る舞う態度にはウンザリする。大した実力もねえくせに冒険者と言うだけでちやほやされて、天狗になる」
なるほど。
冒険者に嫌な思い出があると言う訳か。
「戦闘のプロ?街中で何が出来るってんだ。この街では俺の方が上だ。ここでは戦闘テクニックなど役に立たんぜ。街中での喧嘩の仕方を教えてやるぜ!」
ファズが三度前に出た。
今度は外さん。
ひゅっ!
繰り出すパンチにタイミングは完璧に合っている。
だが。
どかっ!
俺は腹を押さえて後ろへ後ずさる。
フェイントだ。
パンチを見せて、咄嗟にキックにスイッチしやがった。
喧嘩とは言っていたが全くの素人と言う訳でもない。
明らかに何かしら格闘術のような物を使っている。
「どうした冒険者。マイヤードの兵隊をまとめてぶちのめしたんだろ?それともただのラッキーか?」
野郎。
好き勝手言いやがって。
お前もぶちのめして、さらに噂を広める役に立ってもらおうか。
ぱしっ!
俺は左の拳で右の手のひらを打った。
「へえ、少しは本気になったのかい?」
「まあな」
「そうかよ、まあ無駄だけどな!」
ファズが四度前に出る。
さっきからこの単調な動きを破れていない。
今度はパンチか?
それともキックか?
俺は身構えた。
フロアには椅子が乱雑に転がっていた。
「やる気になったかい?まさか店ごと吹っ飛ばせやしないだろ?」
ファズが軽口を叩く。
「それはどうかな?」
「へっ、ハッタリはやめときなよ。俺にはブラフは通用しない」
そう言い終わると同時にファズが一瞬で間合いに入った。
「!」
パァンッ!
一瞬だった。
素早いパンチが俺の顔面を打った。
そしてもうそこには居ない。
再び元の位置まで戻っている。
間合いにして二歩ほど遠い。
速いな。
人間のスピードとは思えない速さだ。
冒険者でもない街のゴロツキに、なぜこんな真似が出来るのか。
「へえ。痛くないのかい?」
俺の様子を観察して、ファズが言った。
「素早いな。正直驚いた」
ファズの表情が変わる。
「アンタ……何とかなると思ってるな?」
俺はその質問には答えなかった。
「そう言う勘違いがムカつくんだよ。冒険者が何でも上だと思ってるなら間違いだぜ?」
またファズが前に出た。
ひゅっ!
高速パンチが放たれる。
今度は見える。
俺はそのパンチを掴まえた。
パァンッ!
ファズの拳がまた俺の顔面を捉える。
捕まえきれなかった。
最初のパンチよりも速い。
俺は考えを改めた。
まだまだ速くなる可能性を考慮しておくべきだ。
「お前、冒険者が嫌いなのか?」
「ああ、嫌いだね。反吐が出るぜ。いつも自分たちの方が強い、上なんだと振る舞う態度にはウンザリする。大した実力もねえくせに冒険者と言うだけでちやほやされて、天狗になる」
なるほど。
冒険者に嫌な思い出があると言う訳か。
「戦闘のプロ?街中で何が出来るってんだ。この街では俺の方が上だ。ここでは戦闘テクニックなど役に立たんぜ。街中での喧嘩の仕方を教えてやるぜ!」
ファズが三度前に出た。
今度は外さん。
ひゅっ!
繰り出すパンチにタイミングは完璧に合っている。
だが。
どかっ!
俺は腹を押さえて後ろへ後ずさる。
フェイントだ。
パンチを見せて、咄嗟にキックにスイッチしやがった。
喧嘩とは言っていたが全くの素人と言う訳でもない。
明らかに何かしら格闘術のような物を使っている。
「どうした冒険者。マイヤードの兵隊をまとめてぶちのめしたんだろ?それともただのラッキーか?」
野郎。
好き勝手言いやがって。
お前もぶちのめして、さらに噂を広める役に立ってもらおうか。
ぱしっ!
俺は左の拳で右の手のひらを打った。
「へえ、少しは本気になったのかい?」
「まあな」
「そうかよ、まあ無駄だけどな!」
ファズが四度前に出る。
さっきからこの単調な動きを破れていない。
今度はパンチか?
それともキックか?
俺は身構えた。
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