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三六六
ひゅん!
パンチが弧を描いて顔面に迫る
「!?」
パァンッ!
ファズのフックがまたしてもクリーンヒットした。
だが今度は今までとは違う。
「テメエ……」
ファズが眉間にシワを寄せた。
俺は殴られつつも、ファズのベルトにしっかりと指を掛けていた。
「掴まえたぞ?」
俺はそう言うと、ファズをぐいっと引き寄せる。
「させるかよ!」
ファズが近距離からパンチを連打する。
バシッ!
ビシッ!
ビシッ!
しかし、近すぎる。
この距離では十分な威力のパンチは打てない。
「くっ!このっ!」
ファズの表情に焦りが現れた。
そうだ。
その顔だ。
だが本番はここからだぜ。
俺は引き寄せたファズの脇の下から手を差し込み、背後でガッチリ掴まえるとそのまま後ろに投げ捨てた。
「うおおおおっ!?」
ドガッシャーン!
テーブルに突っ込んでそのまま薙ぎ倒す。
オオムカデンダル直伝、フロントスープレックスだ。
「ぐ……なんだ今の技は……」
ファズが背中をかばいながら起き上がる。
立てるか。
まあ、一応手加減はしているしな。
「お前、なんか言ってたな。街中では何だって?」
「ちっ……いい気になるなよ!」
ファズがフットワークを使い始めた。
足を使ってペースを取り戻すつもりか。
そうはさせん。
「武器を持たない冒険者など恐れるに足りん!」
ファズが先程よりも格段にスピードアップした動きで左右にステップする。
不規則にジグザグと迫ってくる動きは確かに惑わされる。
ひゅっ!
パンチのスピードも段違いに速くなっている。
パァンッ!
もう何度もファズのパンチを顔面に食らっている。
だが、結論から言えば少しも効いていない。
ヤツのパンチは軽いのだ。
スピード重視で威力はそれほどでもない。
まして、改造人間の俺には全くと言って良いほど効いていなかった。
ぐいっ
再び捕まえた。
「くっ!また……!」
「確かにパンチは速いな。見切るのは俺でも難しい」
俺はそう言ってもう一度フロントスープレックスを見舞った。
ガシャーン!
ファズはまた椅子やテーブルを薙ぎ倒し、床に転がる。
「だが、パンチを食らう瞬間には捕まえられるぜ」
俺はファズを見下ろして言った。
「テ、テメエ……!」
「何度やっても同じ事だ。諦めろ」
「勝手に決着つけてる場合か!」
ファズが再びフットワークを使ってジグザグに迫ってきた。
ぶんっ!
パンチが目の前を通り過ぎる。
見せ技か。
通り過ぎた後に、反対の腕でパンチが飛んでくる。
裏拳だ。
ガキッ!
俺はそれを腕でブロックした。
それと同時にブロックした腕に痛みが走った。
なんだ?
見ると、ファズの放った裏拳は鉄製の手甲が付いている。
そしてそれには鋭利な鋲が打ってあった。
「喧嘩ってのはこう言う仕込みもあるんだぜ?」
ファズがニヤリと笑った。
パンチが弧を描いて顔面に迫る
「!?」
パァンッ!
ファズのフックがまたしてもクリーンヒットした。
だが今度は今までとは違う。
「テメエ……」
ファズが眉間にシワを寄せた。
俺は殴られつつも、ファズのベルトにしっかりと指を掛けていた。
「掴まえたぞ?」
俺はそう言うと、ファズをぐいっと引き寄せる。
「させるかよ!」
ファズが近距離からパンチを連打する。
バシッ!
ビシッ!
ビシッ!
しかし、近すぎる。
この距離では十分な威力のパンチは打てない。
「くっ!このっ!」
ファズの表情に焦りが現れた。
そうだ。
その顔だ。
だが本番はここからだぜ。
俺は引き寄せたファズの脇の下から手を差し込み、背後でガッチリ掴まえるとそのまま後ろに投げ捨てた。
「うおおおおっ!?」
ドガッシャーン!
テーブルに突っ込んでそのまま薙ぎ倒す。
オオムカデンダル直伝、フロントスープレックスだ。
「ぐ……なんだ今の技は……」
ファズが背中をかばいながら起き上がる。
立てるか。
まあ、一応手加減はしているしな。
「お前、なんか言ってたな。街中では何だって?」
「ちっ……いい気になるなよ!」
ファズがフットワークを使い始めた。
足を使ってペースを取り戻すつもりか。
そうはさせん。
「武器を持たない冒険者など恐れるに足りん!」
ファズが先程よりも格段にスピードアップした動きで左右にステップする。
不規則にジグザグと迫ってくる動きは確かに惑わされる。
ひゅっ!
パンチのスピードも段違いに速くなっている。
パァンッ!
もう何度もファズのパンチを顔面に食らっている。
だが、結論から言えば少しも効いていない。
ヤツのパンチは軽いのだ。
スピード重視で威力はそれほどでもない。
まして、改造人間の俺には全くと言って良いほど効いていなかった。
ぐいっ
再び捕まえた。
「くっ!また……!」
「確かにパンチは速いな。見切るのは俺でも難しい」
俺はそう言ってもう一度フロントスープレックスを見舞った。
ガシャーン!
ファズはまた椅子やテーブルを薙ぎ倒し、床に転がる。
「だが、パンチを食らう瞬間には捕まえられるぜ」
俺はファズを見下ろして言った。
「テ、テメエ……!」
「何度やっても同じ事だ。諦めろ」
「勝手に決着つけてる場合か!」
ファズが再びフットワークを使ってジグザグに迫ってきた。
ぶんっ!
パンチが目の前を通り過ぎる。
見せ技か。
通り過ぎた後に、反対の腕でパンチが飛んでくる。
裏拳だ。
ガキッ!
俺はそれを腕でブロックした。
それと同時にブロックした腕に痛みが走った。
なんだ?
見ると、ファズの放った裏拳は鉄製の手甲が付いている。
そしてそれには鋭利な鋲が打ってあった。
「喧嘩ってのはこう言う仕込みもあるんだぜ?」
ファズがニヤリと笑った。
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