見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三七一

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「な、なんの事で……」

 女は動揺を必死に圧し殺していた。

「判るんだよ。お前らずっと俺の事、着けてたじゃないか」

 女の目が見開かれる。
図星だ。

「な、なな……」

「いや、別にそんな事はどうでも良い。判るだろ?俺たちは今から楽しいお食事会だ。相手はしてやるから邪魔はするなと言っている」

 女の目は挙動不審そのものだ。
細かく動いてどこかを見ようとするのを堪えている。

「仲間に伝えて控えさせておけ。いいな。余計な真似をしやがったら……」

 女は細かく頷いた。
俺はそれを確認してから、頼んだぜ、とだけ言い残してキロたちの待つ席へと戻った。

「レオさま。何をなさってたんですか?」

「いやなに、知り合いを見かけたもんでな。さ、遠慮せずにどんどん食べろ」

 俺が勧めると、弟たちは勢い良く料理にかぶり付いた。
なかなか良い食べっぷりだ。
さっきは良いところでお預けが入ってしまったからな。
余計に食欲が押さえられなくなっているようだ。

 俺は辺りを探ってみた。
光点は少し下がった辺りで止まっている。
なかなか聞き分けが良いな。
結構なことだ。

「ぷはー、お腹いっぱーい」

 ナノがお腹をさすって背もたれにもたれた。

「ぼくもー」

 ピコも同様にナノを真似た。

「キロはどうだ?もう少し食べられそうだろ?」

 俺が尋ねると頬を赤らめてうつ向いた。

「でもちょっと食べ過ぎました」

「別に良いじゃないか。育ち盛りなんだからよ」

 女の子はこんな小さな頃から太るのを気にしたりするのだろうか。
うちのミーアはそんな事は無かったんだが。
俺よりも食ってたからな。

「レオさま!フルーツ!フルーツ食べたい!」

 ナノが叫んだ。

「ぼくもー!」

 ピコも兄にならうのが好きな年頃か。

「こら!少しは遠慮なさい!」

 キロが叱る。

「いや、良い。好きなだけ食え。遠慮なんかするな」

「やったー!」

 弟たちは喜んで食後のデザートを注文する。
さて。
そろそろ向こうの相手をしておくか。
帰りは家まで送ってやらねばならんしな。

「お前ら食ってろ。食い終わったら少しだけ待ってるんだ。すぐ戻る」

 俺はそう言い残して立ち上がった。
さっきの女に近付く。
女は緊張して身構えた。

「ちゃんと待っててくれるとはな。少しは襲ってくるかもと疑っていたんだが」

「バレてるのに襲撃する意味などない。あんまり住民に被害が出過ぎても、反感を買うだけだからな」

 なるほど。
犯罪組織と言っても、しのぎを掛ける住民から総スカンを食ってはやっていけないと言う事か。
意外と色々考えているんだな。
勉強になる。

「じゃあ、お望み通り相手してやる。どこでやる?」

「いやいい」

 は?
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