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三七九
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ファズが空中に浮かんだキロを、驚きの表情で見つめる。
「あ、あ、あ!?」
キロも目を白黒させながら、我が身の状況を把握出来ずにいた。
俺は自分の胸にキロを抱くと、透明化を解く。
たちまち俺の姿は全員の目に見えるようになった。
「な、なな、な、なんだ!コイツは!?」
広間の中に動揺と怒声が巻き起こる。
「あ!レオさま!」
キロは俺の姿を見て、怯えるどころか首に抱き付いてきた。
この禍々しい俺の姿が恐ろしくは無いのか。
「こんな所にモンスターだと!?」
誰かが叫んだ。
「……いや、コイツは例の冒険者だ!」
動揺しつつもファズが言う。
コイツは一度この姿を見ている。
驚いて醜態を晒さなかった事だけは認めてやる。
「今後、二度とキロに近付くな。さもなければどうなるか判らんぞ。確か俺はそう言った筈だ」
「く……!」
ファズが色めき立つ。
「最初に潰されるのはお前の所になってしまったな」
「ふ、ふざけやがってぇ……!」
俺は歯ぎしりするファズを無視してキロに話しかけた。
「しっかり掴まっていろ。目も閉じているがいい」
そう言うとキロは素直にその通りにした。
俺は左腕にキロを抱き抱えたまま、ファズににじり寄る。
「ここがどこだか判ってんのか!死ぬのはテメエだあ!」
背後から男が襲いかかる。
定石だな。
俺は振り向きもせずに少し体を捻って、裏拳を叩き込む。
ドカッ!
裏拳を食らって男は、もんどりうって床に転がった。
「な、なんなんだテメエはいったい……!?」
また他の誰かが言った。
俺はその方向に顔を向け、静かに名乗る。
「冥土の土産に教えてやる。俺はネオジョルト行動隊長……」
しゅるっ
言いながら右手首から触手を出す。
「怪人サフィリナックス」
部屋の中に居る全員が、その名前を口の中で小さく繰り返した。
「おい!お前ら!ビビってんじゃねえぞ!全員で掛かれ!ぶっ殺せえ!」
ファズが叫ぶ。
一同がハッと我に返った。
「お、おう!」
「何が怪人だ!俺たちの方がよっぽど怪人だぜ!」
「やっちまえ!」
口々に叫びながら一斉に襲い掛かってくる。
これは恐怖を払拭する為に、己を鼓舞する叫びだ。
だが、気持ちだけではどうにもならない。
改造人間と、普通の人間の間には絶対的に埋められない差と言うものが存在するのだ。
ひゅん
俺が軽く右手を振る。
触手が蛇のようにうねって敵を打った。
「ぐあっ!」
打たれた男はたちまち絶命して動かなくなった。
即死する程の超速効性猛毒を持つ刺胞が、容赦なく獲物の命を奪うのだ。
その早さたるや、ほんの一秒か二秒である。
打たれた瞬間に激痛に気を失い、その後心臓は止まる。
その光景を目の当たりにして、男たちは一斉に動かなくなった。
「あ、あ、あ!?」
キロも目を白黒させながら、我が身の状況を把握出来ずにいた。
俺は自分の胸にキロを抱くと、透明化を解く。
たちまち俺の姿は全員の目に見えるようになった。
「な、なな、な、なんだ!コイツは!?」
広間の中に動揺と怒声が巻き起こる。
「あ!レオさま!」
キロは俺の姿を見て、怯えるどころか首に抱き付いてきた。
この禍々しい俺の姿が恐ろしくは無いのか。
「こんな所にモンスターだと!?」
誰かが叫んだ。
「……いや、コイツは例の冒険者だ!」
動揺しつつもファズが言う。
コイツは一度この姿を見ている。
驚いて醜態を晒さなかった事だけは認めてやる。
「今後、二度とキロに近付くな。さもなければどうなるか判らんぞ。確か俺はそう言った筈だ」
「く……!」
ファズが色めき立つ。
「最初に潰されるのはお前の所になってしまったな」
「ふ、ふざけやがってぇ……!」
俺は歯ぎしりするファズを無視してキロに話しかけた。
「しっかり掴まっていろ。目も閉じているがいい」
そう言うとキロは素直にその通りにした。
俺は左腕にキロを抱き抱えたまま、ファズににじり寄る。
「ここがどこだか判ってんのか!死ぬのはテメエだあ!」
背後から男が襲いかかる。
定石だな。
俺は振り向きもせずに少し体を捻って、裏拳を叩き込む。
ドカッ!
裏拳を食らって男は、もんどりうって床に転がった。
「な、なんなんだテメエはいったい……!?」
また他の誰かが言った。
俺はその方向に顔を向け、静かに名乗る。
「冥土の土産に教えてやる。俺はネオジョルト行動隊長……」
しゅるっ
言いながら右手首から触手を出す。
「怪人サフィリナックス」
部屋の中に居る全員が、その名前を口の中で小さく繰り返した。
「おい!お前ら!ビビってんじゃねえぞ!全員で掛かれ!ぶっ殺せえ!」
ファズが叫ぶ。
一同がハッと我に返った。
「お、おう!」
「何が怪人だ!俺たちの方がよっぽど怪人だぜ!」
「やっちまえ!」
口々に叫びながら一斉に襲い掛かってくる。
これは恐怖を払拭する為に、己を鼓舞する叫びだ。
だが、気持ちだけではどうにもならない。
改造人間と、普通の人間の間には絶対的に埋められない差と言うものが存在するのだ。
ひゅん
俺が軽く右手を振る。
触手が蛇のようにうねって敵を打った。
「ぐあっ!」
打たれた男はたちまち絶命して動かなくなった。
即死する程の超速効性猛毒を持つ刺胞が、容赦なく獲物の命を奪うのだ。
その早さたるや、ほんの一秒か二秒である。
打たれた瞬間に激痛に気を失い、その後心臓は止まる。
その光景を目の当たりにして、男たちは一斉に動かなくなった。
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