見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三八六

 なんだかんだ言ってもカルタスは引き受ける。
基本的に気のいいヤツだ。
顔は人殺しだが。

「あ、そうそう。オオムカデンダル様から預かってきた物があるわ」

 オレコはそう言うと、ポーチから何やら取り出した。
なんだこれ。

「何でも、人を監視する道具だそうよ。勝手に全部してくれるから操作は要らないって」

 ベッドの上にバラバラッと置かれたそれらは虫の形をしている。
よくよく見てみれば、虫ではなく何か機械のようになっている。
虫に似せて造ったと言う事か。

「本人の近くで放すだけで良いんですって。対象はレオが認識した相手らしいわ。アナタと連動してるって言ってたわ」

 科学と言うのはとことん便利だな。
魔法よりも凄いんじゃないのか。
これはいわゆる使い魔の類いだ。
以前にも鳥型や猫型の使い魔が来たことがある。
きっと魚とか蛇とか、あらゆる場面に合わせた使い魔タイプがあるのだろうな。

 俺の見たり聞いたりしたことも、オオムカデンダルは知る事ができると言っていた。
と言うことは、俺さえも彼の使い魔なのかもしれない。
そう思うと何だかやるせない気持ちになるが、今さら言っても仕方がない。
あまり考えないようにしよう。

「キロ。お前ももう寝ろ」

 俺はキロたちにベッドを譲った。
子供三人なら何とか寝られるだろう。

「レオさまは?」

「俺はどこでも寝られるから気にするな。その辺で寝る」

「そんな!それはダメです!」

「ベッドは一つしかないんだから気にするな。子供を床に寝かせては、どうせ熟睡など出来ん」

「こう言うとこ優しいのよねぇ、レオさまは」

 オレコがからかうように言った。

「誰でもそう言うだろ」

 カルタスがそう言ってオレコに噛みつく。

「あら、そうかしら?」

「俺でも言うぞ」

「じゃあカルタスも優しいのねぇ。トラゴスにもしてやんなさいよ?」

「るせえ」

 まあ、別に良いんだがトラゴスは山羊だぞ。

「じゃあそう言う事で明日は頼んだぜ?」

 そう言って俺は床にゴロンと横になる。

「お、おい。俺たちはどこに寝るんだ?」

 は?
なぜお前らがここで寝るんだ。
そもそも一人部屋だぞ。
子供三人寝かせるだけでもルール違反なのに、大の大人が何を言っている。

「……お前ら、宿は?」

「この時間だぞ?空いてる訳ねえだろ。じゃなかったら窓から入らねえよ」

 いや、空いてなかろうが窓から入るのは駄目だろ。
盗賊みたいなのは顔だけにしておけ。

「……仕方がない。お前らもその辺で寝ろ。明日お前らの追加料金も払ってやる」

「床か。ま、しゃあないか」

 カルタスがそう言って床に腰を下ろす。
お前は元傭兵なんだからどこでも寝られるだろ。
文句言うな。
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