見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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三九五

 全く。
手伝いに来たのか、邪魔しに来たのかどっちなんだ。

「それは想定内だ。だが、これは想定外だぞ」

「いやな、相手は普通の賊だと思ったんだがよ。どうも勝手が違ったんだよ」

 なんだそりゃ。
そんな適当な言い訳が通用するか。

「本当なんです。カルタスさんは最初は素手で応戦していたんです。でもその人たちはやっつけてもやっつけても何度も襲い掛かってくるんで、カルタスさんは武器を使ったんです」

 側からキロがカルタスを弁護した。

「そ、そうそうそうそう!そうなんだよ!ヤツら叩いても叩いても、全くダメージが無いって感じでよ。人数も居るから、これじゃいずれガキどもを守れねえと思ってつい……」

 カルタスは最後の方は声が小さくなっていった。
一応自分がやり過ぎたって事は認識があるようだ。

「あー、済まない。破壊した分は全額弁償しよう」

 俺は側に立つ宿の主人に謝罪した。
何で秘密結社の行動隊長が、こんな事で一般人に頭を下げにゃならんのか。

「本当かい?びた一文負からんぞ?」

「ああ。判っている。そっちの言い値で構わん。早速修理を始めてくれ。とりあえず今はこれで」

 俺は懐から金貨を取り出すと、三枚主人に握らせた。

「え?こんなに……?」

 主人は驚いた顔で俺を見た。

「足りなければまた言ってくれ」

 俺はそう言ってオヤジの肩をポンと叩いた。

「あ、ああ。判った」

 怒りは完全に鎮火されたようだ。
狐につままれたような、そんな雰囲気で、宿の主人は部屋を出ていく。

「いやぁ、助かった。恩に着るぜ」

 カルタスがそう言って足を崩した。

「そんなにお金使って大丈夫なの?」

「問題ない。金は幾らでもオオムカデンダルが工面するからな。それに少しでもケチると印象が悪い。相場通りか、少し多めにその場で即払った方が、今後も文句を言われにくい」

 俺はオレコにそう言った。

「さて、三人の情報を出し合おうか」

 そう言って俺は床に腰を下ろした。
壁の無くなった部屋に西陽が射し込む。
今夜はこれで寝るのか。
当然、カルタスがだが。

「じゃあ、俺から」

 カルタスも床にあぐらをかいて、話し始めた。

「襲ってきた賊なんだが、あれは人間じゃねえな」

 帝国の中で真っ昼間にモンスターが襲ってきただと。
いくら何でも考えにくい。
モンスターから領内を守る為に城壁があるのだ。
その中でモンスターが出たとなれば、これは帝国の威信に関わる。

「でも本当に人間離れしてました。だからカルタスさんは……」

 キロが横からカルタスを援護する。

「殴っても蹴っても向かって来やがってよ。頭にきたから窓から叩き落としてやったのよ。そしたらそれでもケロッとしてやがって、また登ってくるんだよ」
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