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三九九
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「ちっ、俺はまた子守りかよ」
カルタスが舌打ちをする。
「よろしくお願いします」
「よろしくおねがいします!」
キロがカルタスに頭を下げる。
弟たちもそれにならった。
「……しゃあねえなあ。任せろ、俺が守ってやる」
カルタスがそう言ってニコリと笑った。
何だかんだ言いながら人は良い。
俺はまず宿の主人に事情を説明した。
当然嫌がられたが、金貨を更に三枚渡すと納得してくれた。
他の宿泊客にも同様に、銀貨を一枚ずつ渡した。
これで今晩、この宿に居るのは俺たちだけと言う事になった。
俺は部屋に戻ると、手筈通りにいった事を伝えた。
「こっちも準備万端よ」
オレコが自信満々に胸を張る。
これで、いつどこから敵が来ても子供たちを守れる。
建物の被害も抑えれば更に言う事無しだ。
俺たちはそのまま、壁の無くなった部屋に集まって待機した。
いったいいつ来るのか。
判らないまま待ち続けるのは結構ストレスになるものだ。
俺は横目でカルタスを見る。
子供たちと一緒にグウグウとイビキをかいて寝ている。
この神経の図太さは羨ましい。
オレコにしても完全にリラックスして本を読んでいる。
俺は改造人間の力を手に入れたにもかかわらず、この神経の図太さは手に入れられ無かった。
いわゆる、性分と言う奴なのかもしれない。
いや、コイツらの心臓に毛が生えてるだけか。
「来たか」
突然カルタスが目を覚ました。
俺の目にも何者かが近付いてくるのが映し出されている。
野性の勘と言うヤツか、凄まじいな。
オレコも読んでいた本にしおりを挟むと、それをパタンと閉じた。
何者かが建物に接触した。
入ってくる。
カルタスは子供たちを壁側に集めると、その前に仁王立ちになる。
「ぎゃあ!」
一階から叫び声がした。
オレコのトラップに引っ掛かったな。
俺の視界から青い光点が二つ、赤い色に変わった。
活動を止めたと言うサインである。
死んだのであれば、赤い光点はじきに消えていく。
死んでなければ活動を再開した時点で、また青い光に変わる。
とにかく、あと二十個以上の光点が存在していた。
こんな夜中にこれだけの人数を送り込んでくるとは、いったいどこのどいつだ。
「ぎゃっ!」
「ぐああ!」
「ぐはっ!」
間断無く、階下から断末魔が聞こえる。
だが、確実にそれは近付いていた。
ミシ……ッ
足音が扉の前まで来た。
オレコが扉の前で身構えた。
「けええっ!」
奇声を発して賊が飛び込んで来たのは、窓の無くなった壁側からだった。
「バレてるんだよ!」
俺は飛び掛かり空中を泳ぐ賊を、回し蹴りで外へと蹴り返した。
「ぎゃああ!」
賊は叫び声をあげながら落下していく。
どさっ!
鈍い音がすると共に、叫び声はピタリと止んだ。
そして青い光点は赤い光点に変わる。
カルタスが舌打ちをする。
「よろしくお願いします」
「よろしくおねがいします!」
キロがカルタスに頭を下げる。
弟たちもそれにならった。
「……しゃあねえなあ。任せろ、俺が守ってやる」
カルタスがそう言ってニコリと笑った。
何だかんだ言いながら人は良い。
俺はまず宿の主人に事情を説明した。
当然嫌がられたが、金貨を更に三枚渡すと納得してくれた。
他の宿泊客にも同様に、銀貨を一枚ずつ渡した。
これで今晩、この宿に居るのは俺たちだけと言う事になった。
俺は部屋に戻ると、手筈通りにいった事を伝えた。
「こっちも準備万端よ」
オレコが自信満々に胸を張る。
これで、いつどこから敵が来ても子供たちを守れる。
建物の被害も抑えれば更に言う事無しだ。
俺たちはそのまま、壁の無くなった部屋に集まって待機した。
いったいいつ来るのか。
判らないまま待ち続けるのは結構ストレスになるものだ。
俺は横目でカルタスを見る。
子供たちと一緒にグウグウとイビキをかいて寝ている。
この神経の図太さは羨ましい。
オレコにしても完全にリラックスして本を読んでいる。
俺は改造人間の力を手に入れたにもかかわらず、この神経の図太さは手に入れられ無かった。
いわゆる、性分と言う奴なのかもしれない。
いや、コイツらの心臓に毛が生えてるだけか。
「来たか」
突然カルタスが目を覚ました。
俺の目にも何者かが近付いてくるのが映し出されている。
野性の勘と言うヤツか、凄まじいな。
オレコも読んでいた本にしおりを挟むと、それをパタンと閉じた。
何者かが建物に接触した。
入ってくる。
カルタスは子供たちを壁側に集めると、その前に仁王立ちになる。
「ぎゃあ!」
一階から叫び声がした。
オレコのトラップに引っ掛かったな。
俺の視界から青い光点が二つ、赤い色に変わった。
活動を止めたと言うサインである。
死んだのであれば、赤い光点はじきに消えていく。
死んでなければ活動を再開した時点で、また青い光に変わる。
とにかく、あと二十個以上の光点が存在していた。
こんな夜中にこれだけの人数を送り込んでくるとは、いったいどこのどいつだ。
「ぎゃっ!」
「ぐああ!」
「ぐはっ!」
間断無く、階下から断末魔が聞こえる。
だが、確実にそれは近付いていた。
ミシ……ッ
足音が扉の前まで来た。
オレコが扉の前で身構えた。
「けええっ!」
奇声を発して賊が飛び込んで来たのは、窓の無くなった壁側からだった。
「バレてるんだよ!」
俺は飛び掛かり空中を泳ぐ賊を、回し蹴りで外へと蹴り返した。
「ぎゃああ!」
賊は叫び声をあげながら落下していく。
どさっ!
鈍い音がすると共に、叫び声はピタリと止んだ。
そして青い光点は赤い光点に変わる。
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