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四二二
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「お前の返答次第では、お前の組織を潰す。ちゃんと説明しろ」
俺はマイヤードに迫った。
「マイヤードさん!コイツはいったい?」
マイヤードの客らしき者たちが、マイヤードに尋ねた。
「……なぁに、心配は要りませんよ。最近この街にやって来た冒険者です。ただちょっとばかり面倒なヤツですがね」
マイヤードは客にそう言うと俺を見た。
「忌々しい奴だ。バッケスさえ居れば貴様なんぞに……」
なに?
今なんと言った。
バッケスだと?
「ああ、そうだ。ヤツとは協定を結んでいたからな」
悪党同士が裏で手を握る。
別にたいして珍しい事ではあるまい。
「バッケスと手を組んでいたからと言って、俺には関係無い。なんなら待っててやるから呼ぶがいい」
「……それが出来ればもう呼んでいる!」
どう言う事だ。
呼べない理由でもあるのか。
待つと言っているんだぞ。
「……ヤツは死んだ」
なんだと。
「何故死んだ?」
「殺されたんだよ」
殺された?
誰に?
「銀猫だ……」
銀猫?
銀猫がバッケスを殺す理由なんてあるのか。
「バッケスは用心深い男だったからな。正体を知る者は少なかった。ヤツの本当の名はスラッグと言う。まあ、それさえも本名かどうかは疑わしいが」
バッケスがスラッグ。
スラッグを見つけられない筈である。
俺はもうヤツに既に会っていた訳だ。
確かに得体の知れない男ではあったな。
「だが、銀猫に正体を知られてしまった。銀猫はこの街を牛耳ろうと企んでいる。次の標的はこの俺って訳だ」
そう言うとマイヤードは自嘲気味に笑った。
「あの男は……スラッグは、腕っぷしも相当な物だった。噂では千人以上を手に掛けた殺し屋だったらしいからな。どんな手段でもどんな状況からでも、必ず殺すと言われていたらしい。そいつが殺されたんだ、笑うだろ?」
あの男の身のこなし、気配の無さはそう言う事だったのか。
「金で雇われて誰でも殺してきた男だ。人の命などなんとも思わない、それでいて金には無類の執着心を見せる。そんなヤツと手を組んでこの街を二分する。それが俺の計画だった。組織力ではヤツは俺には敵わない、だがヤツの個人的な力には俺では勝てない。だから不可侵協定を結んだ」
なるほどな。
現状のまま勢力図を固定して、第三勢力の銀猫から縄張りを奪う。
そして分け合うって訳だ。
勢力が現状のままならマイヤードはずっとナンバーワンのまま。
スラッグは銀猫の縄張りを半分加えて現状よりも拡大。
だが悪党どもの協定などいつまで続くやら。
「その凄腕殺し屋が銀猫に負けたと?たいした凄腕だな」
俺はマイヤードをつついた。
まだ聞きたい事は聞けていないのだ。
俺はマイヤードに迫った。
「マイヤードさん!コイツはいったい?」
マイヤードの客らしき者たちが、マイヤードに尋ねた。
「……なぁに、心配は要りませんよ。最近この街にやって来た冒険者です。ただちょっとばかり面倒なヤツですがね」
マイヤードは客にそう言うと俺を見た。
「忌々しい奴だ。バッケスさえ居れば貴様なんぞに……」
なに?
今なんと言った。
バッケスだと?
「ああ、そうだ。ヤツとは協定を結んでいたからな」
悪党同士が裏で手を握る。
別にたいして珍しい事ではあるまい。
「バッケスと手を組んでいたからと言って、俺には関係無い。なんなら待っててやるから呼ぶがいい」
「……それが出来ればもう呼んでいる!」
どう言う事だ。
呼べない理由でもあるのか。
待つと言っているんだぞ。
「……ヤツは死んだ」
なんだと。
「何故死んだ?」
「殺されたんだよ」
殺された?
誰に?
「銀猫だ……」
銀猫?
銀猫がバッケスを殺す理由なんてあるのか。
「バッケスは用心深い男だったからな。正体を知る者は少なかった。ヤツの本当の名はスラッグと言う。まあ、それさえも本名かどうかは疑わしいが」
バッケスがスラッグ。
スラッグを見つけられない筈である。
俺はもうヤツに既に会っていた訳だ。
確かに得体の知れない男ではあったな。
「だが、銀猫に正体を知られてしまった。銀猫はこの街を牛耳ろうと企んでいる。次の標的はこの俺って訳だ」
そう言うとマイヤードは自嘲気味に笑った。
「あの男は……スラッグは、腕っぷしも相当な物だった。噂では千人以上を手に掛けた殺し屋だったらしいからな。どんな手段でもどんな状況からでも、必ず殺すと言われていたらしい。そいつが殺されたんだ、笑うだろ?」
あの男の身のこなし、気配の無さはそう言う事だったのか。
「金で雇われて誰でも殺してきた男だ。人の命などなんとも思わない、それでいて金には無類の執着心を見せる。そんなヤツと手を組んでこの街を二分する。それが俺の計画だった。組織力ではヤツは俺には敵わない、だがヤツの個人的な力には俺では勝てない。だから不可侵協定を結んだ」
なるほどな。
現状のまま勢力図を固定して、第三勢力の銀猫から縄張りを奪う。
そして分け合うって訳だ。
勢力が現状のままならマイヤードはずっとナンバーワンのまま。
スラッグは銀猫の縄張りを半分加えて現状よりも拡大。
だが悪党どもの協定などいつまで続くやら。
「その凄腕殺し屋が銀猫に負けたと?たいした凄腕だな」
俺はマイヤードをつついた。
まだ聞きたい事は聞けていないのだ。
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