448 / 826
四四八
外にはたくさん野次馬が集まっていた。
炎の中から現れたオニヤンマイザーと俺の姿を見て、野次馬たちは動揺した。
「ば、化け物だ……!」
「化け物が帝国内に!」
「モンスターが攻めて来たのかっ!?」
人々は口々に叫んだ。
無理もない。
俺たちの今の姿は、グロテスクな化け物に違いなかった。
「ふん」
蜻蛉洲は野次馬たちを一瞥すると、無視して建物を振り返った。
轟々と音を発てて建物は燃えていた。
あっという間に火が周り、隣の家にまで炎は及ぼうとしていた。
俺とヴァンパイアが戦った結果とは言え、関係の無い人たちの家が失われていく。
「レオ、あの火を消してみろ」
蜻蛉洲が言った。
「え、」
「消してみろ。どうやっても構わん、やってみろ」
蜻蛉洲は嫌がらせを言う性格ではない。
その辺はオオムカデンダルとは違った。
「ど、どうやって消せば良いんだ。こんな大きな火を消せるだけの水は無い、俺に何か消火のできる能力が備わっているのか」
「消火能力など俺にもない。だが、改造人間の力を以てすれば、火を消すなど造作も無いことだ。やってみろ」
オニヤンマイザーは冷静な声でそう言った。
だがそんな事を言われても、俺にはどうすれば良いのか皆目検討もつかなかった。
冒険者ならまず水をかける。
それから布で押さえる。
パーティー内に魔法使いが居れば、水の魔法や氷の魔法を使ってもらう。
そのくらいだ。
「判らない……」
俺は呟いた。
いったいどうすれば消せるのか。
改造人間の力を以てすれば。
オニヤンマイザーはそう言った。
「管理人教えてくれ、俺に消火能力は備わっているのか?」
「残念ながら消火の為の装備や能力はありません」
管理人は嘘は言わない。
無いと言うからには無いのだろう。
しかし、オニヤンマイザーも嘘や冗談の類いは言わない。
「建物が燃えている。もう延焼しはじめているんだ。なんとか方法は無いのか」
俺は食い下がった。
「単純に延焼を防ぎたいのであれば、建物自体を破壊してしまうと言う方法があります。これはかつて江戸で用いられた火消しによる消化作業ですが、建築物が木造であったのでこのような方法が有効でした。ですが……」
なるほど。
建物を壊して周りの建物を守るのか。
首にまだダメージが残っているが、この程度なら問題ない。
俺は全身に力を込めた。
フルパワーだ。
「たあっ!」
全力で跳躍する。
二階建ての石造りの家を破壊する。
改造人間の力を以てすれば可能な筈だ。
ドカアッ!
落下しながらパンチを繰り出す。
屋根を破壊して屋内へと入った。
「うおおおっ!」
俺は手当たり次第に建物を破壊する。
壁を破壊し、柱を粉砕する。
瞬く間に建物は瓦解していった。
炎の中から現れたオニヤンマイザーと俺の姿を見て、野次馬たちは動揺した。
「ば、化け物だ……!」
「化け物が帝国内に!」
「モンスターが攻めて来たのかっ!?」
人々は口々に叫んだ。
無理もない。
俺たちの今の姿は、グロテスクな化け物に違いなかった。
「ふん」
蜻蛉洲は野次馬たちを一瞥すると、無視して建物を振り返った。
轟々と音を発てて建物は燃えていた。
あっという間に火が周り、隣の家にまで炎は及ぼうとしていた。
俺とヴァンパイアが戦った結果とは言え、関係の無い人たちの家が失われていく。
「レオ、あの火を消してみろ」
蜻蛉洲が言った。
「え、」
「消してみろ。どうやっても構わん、やってみろ」
蜻蛉洲は嫌がらせを言う性格ではない。
その辺はオオムカデンダルとは違った。
「ど、どうやって消せば良いんだ。こんな大きな火を消せるだけの水は無い、俺に何か消火のできる能力が備わっているのか」
「消火能力など俺にもない。だが、改造人間の力を以てすれば、火を消すなど造作も無いことだ。やってみろ」
オニヤンマイザーは冷静な声でそう言った。
だがそんな事を言われても、俺にはどうすれば良いのか皆目検討もつかなかった。
冒険者ならまず水をかける。
それから布で押さえる。
パーティー内に魔法使いが居れば、水の魔法や氷の魔法を使ってもらう。
そのくらいだ。
「判らない……」
俺は呟いた。
いったいどうすれば消せるのか。
改造人間の力を以てすれば。
オニヤンマイザーはそう言った。
「管理人教えてくれ、俺に消火能力は備わっているのか?」
「残念ながら消火の為の装備や能力はありません」
管理人は嘘は言わない。
無いと言うからには無いのだろう。
しかし、オニヤンマイザーも嘘や冗談の類いは言わない。
「建物が燃えている。もう延焼しはじめているんだ。なんとか方法は無いのか」
俺は食い下がった。
「単純に延焼を防ぎたいのであれば、建物自体を破壊してしまうと言う方法があります。これはかつて江戸で用いられた火消しによる消化作業ですが、建築物が木造であったのでこのような方法が有効でした。ですが……」
なるほど。
建物を壊して周りの建物を守るのか。
首にまだダメージが残っているが、この程度なら問題ない。
俺は全身に力を込めた。
フルパワーだ。
「たあっ!」
全力で跳躍する。
二階建ての石造りの家を破壊する。
改造人間の力を以てすれば可能な筈だ。
ドカアッ!
落下しながらパンチを繰り出す。
屋根を破壊して屋内へと入った。
「うおおおっ!」
俺は手当たり次第に建物を破壊する。
壁を破壊し、柱を粉砕する。
瞬く間に建物は瓦解していった。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」と言われたので別れたのですが、呪われた上に子供まで出来てて一大事です!?
綾織季蝶
恋愛
「貴女じゃ彼に不釣りあいだから別れて」そう告げられたのは孤児から魔法省の自然管理科の大臣にまで上り詰めたカナリア・スタインベック。
相手はとある貴族のご令嬢。
確かに公爵の彼とは釣り合うだろう、そう諦めきった心で承諾してしまう。
別れる際に大臣も辞め、実家の誰も寄り付かない禁断の森に身を潜めたが…。
何故か呪われた上に子供まで出来てしまった事が発覚して…!?
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
『異界酒場 ルーナ』
みぎみみ
ファンタジー
東京・渋谷から少し外れた路地の奥、築五十年のビルの地下一階。看板は小さく、知っている人しか辿り着けない。
カウンター八席、テーブル二卓。深夜零時から夜明けまでの営業。
ルーカス(本名:ルカシュ・ヴァルド)
異世界の小さな王国の第三王子として生まれたが、王位継承争いに巻き込まれ、魔法陣の暴走によって現代日本に転移してきた。外見は三十代前半の白人男性。銀灰色の髪と、光の加減で金色にも見える瞳を持つ。日本語は「声の魔法」で習得した。
他人の「最も深い渇望」が視える力を持つ——それは意識的な欲求ではなく、本人すら気づいていない魂の底の叫び。酒や料理を通じてその渇望に応える。
自分の力を「呪い」だと思っていた時期もある。今はただ、使い道を見つけた、という感覚でいる。
ゴミ捨て場領主のクラフト無双 ~最弱魔法【分解と合成】で領地を黄金郷に変えたら、俺を見下していた大貴族令嬢たちが掌を返してすり寄ってきた件~
namisan
ファンタジー
東西南北の大貴族から「毒の川」「凶暴な魔獣」「莫大な借金」を押し付けられ、王国の『ゴミ捨て場』と化したローゼンベルク領。
父と兄を謀殺され、その絶望の領地を押し付けられた無能貴族のアークは、領地の分割を企む高慢な令嬢たち(王女、公爵令嬢、姫将軍など)に嘲笑われていた。
だが、彼には現代の知識と、隠された最強チート能力があった!
触れたものを瞬時に素材に戻し、全く別のモノに作り変える神の御業――【分解と合成】。
「毒の川」を分解して『超高価な宝石と純水』へ!
「魔獣の死骸」と「瓦礫」を合成して『絶対に壊れない防壁』へ!
借金取りには新素材を高値で売りつけ、逆に敵の経済を支配していく。
圧倒的なクラフト能力で、瞬く間にゴミ捨て場を「無敵の黄金郷」へと作り変えていくアーク。
己の敗北を悟り、震え上がる悪徳貴族と高慢な令嬢たち。
さらに、アークの圧倒的な知略と底知れぬ実力は、気高い令嬢たちの本能に深く刻み込まれていく。
「どうか、私をあなたの手駒としてお使いください……っ!」
プライドを完全にへし折られた最高位の美少女たちは、いつしかアークの与える『恩恵』なしでは生きられないほど、彼に絶対の忠誠と依存を誓うようになっていく――。
最弱のゴミ捨て場から始まる、爽快クラフト内政&ざまぁファンタジー、堂々開幕!
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。