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四五九
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「ふん。親睦会だと?白々しい」
憲兵隊長が右頬の肉を吊り上げた。
「人々が集まってはならないなんて、そんな法律でもあるのか?」
「ここはスラムだ。帝国一貧しく、汚ならしい場所だ。この辺りはただの繁華街とは違う。いかがわしく、欲望の渦巻く犯罪者どもの温床だ。普段と違う動きがあれば、当然取り締まりの対象である!」
人々は憲兵隊長の言葉にざわついた。
銀猫も、その顔には怒りを滲ませている。
だが、どうする事も出来なかった。
相手が帝国憲兵隊である以上、刃向かえば国と事を構える事になるからだ。
「ほお。帝国一貧しく汚ならしい場所、か」
蜻蛉洲が憲兵隊長の言葉を繰り返す。
「そんな場所を作ってしまったのは、帝国の責任なんじゃないか?」
蜻蛉洲が事も無げに言った。
その場の全員が凍り付く。
「……なに?」
憲兵隊長が蜻蛉洲の言葉に反応した。
「帝国の政治が幼稚だから、貧富の差も埋まらない。犯罪も減らない。見ろ、ここは完全に独立しているぞ。帝国の恩恵など、この地域には全く届いていない」
蜻蛉洲が両手を広げて辺りを示した。
憲兵隊長は明らかに激昂している。
「それなのに取り締まりの対象?おかしな話だ。何もしていないのに自分たちの所有物みたいに言う」
憲兵隊長が我慢の限界を超えた。
「ふざけた事を抜かすなよ!帝国内のあらゆる物は皇帝陛下の所有物でり、どのようにするかも全て陛下の御心次第だ!自由にさせてやっているのだ!ありがたく思え、このゴミどもがあッ!」
この区画全てに響くような怒声で、憲兵隊長が怒鳴った。
確かにその通りだ。
帝国皇帝の存在は絶対である。
その意思一つで、民の人生の百や二百は簡単に消し飛ぶ。
民衆は全員が例外なく、うつ向いた。
「聞き捨てならんな……」
蜻蛉洲がゆらりと前に出る。
まずいぞ。
何を言い出す気だ。
これではオオムカデンダルと何も変わらない。
いや、人たらしな分だけオオムカデンダルの方がマシか。
「人々の献身の上に国と言う物は成り立っている。その上に座っておきながら、民はゴミだと?それはお前の言葉か?それとも皇帝とやらの言葉なのか?」
「無礼者ッ!陛下を付けんか!しょっぴくぞ!」
憲兵隊長の言葉に蜻蛉洲がニヤリと笑う。
「面白い。やれるかどうか見てみよう」
更に蜻蛉洲は前に出る。
その正体を知っている俺には、その圧力は凄まじい物がある。
「ふん、身の程知らずの馬鹿者め」
憲兵隊長が右手を上げる。
隊員たちが、ザッと前へ出て蜻蛉洲の前に立ち塞がった。
「手を出してみろ。その瞬間に貴様は投獄よ」
憲兵隊長が笑う。
「……何がおかしい」
蜻蛉洲はギラリと憲兵隊長を見上げた。
憲兵隊長が右頬の肉を吊り上げた。
「人々が集まってはならないなんて、そんな法律でもあるのか?」
「ここはスラムだ。帝国一貧しく、汚ならしい場所だ。この辺りはただの繁華街とは違う。いかがわしく、欲望の渦巻く犯罪者どもの温床だ。普段と違う動きがあれば、当然取り締まりの対象である!」
人々は憲兵隊長の言葉にざわついた。
銀猫も、その顔には怒りを滲ませている。
だが、どうする事も出来なかった。
相手が帝国憲兵隊である以上、刃向かえば国と事を構える事になるからだ。
「ほお。帝国一貧しく汚ならしい場所、か」
蜻蛉洲が憲兵隊長の言葉を繰り返す。
「そんな場所を作ってしまったのは、帝国の責任なんじゃないか?」
蜻蛉洲が事も無げに言った。
その場の全員が凍り付く。
「……なに?」
憲兵隊長が蜻蛉洲の言葉に反応した。
「帝国の政治が幼稚だから、貧富の差も埋まらない。犯罪も減らない。見ろ、ここは完全に独立しているぞ。帝国の恩恵など、この地域には全く届いていない」
蜻蛉洲が両手を広げて辺りを示した。
憲兵隊長は明らかに激昂している。
「それなのに取り締まりの対象?おかしな話だ。何もしていないのに自分たちの所有物みたいに言う」
憲兵隊長が我慢の限界を超えた。
「ふざけた事を抜かすなよ!帝国内のあらゆる物は皇帝陛下の所有物でり、どのようにするかも全て陛下の御心次第だ!自由にさせてやっているのだ!ありがたく思え、このゴミどもがあッ!」
この区画全てに響くような怒声で、憲兵隊長が怒鳴った。
確かにその通りだ。
帝国皇帝の存在は絶対である。
その意思一つで、民の人生の百や二百は簡単に消し飛ぶ。
民衆は全員が例外なく、うつ向いた。
「聞き捨てならんな……」
蜻蛉洲がゆらりと前に出る。
まずいぞ。
何を言い出す気だ。
これではオオムカデンダルと何も変わらない。
いや、人たらしな分だけオオムカデンダルの方がマシか。
「人々の献身の上に国と言う物は成り立っている。その上に座っておきながら、民はゴミだと?それはお前の言葉か?それとも皇帝とやらの言葉なのか?」
「無礼者ッ!陛下を付けんか!しょっぴくぞ!」
憲兵隊長の言葉に蜻蛉洲がニヤリと笑う。
「面白い。やれるかどうか見てみよう」
更に蜻蛉洲は前に出る。
その正体を知っている俺には、その圧力は凄まじい物がある。
「ふん、身の程知らずの馬鹿者め」
憲兵隊長が右手を上げる。
隊員たちが、ザッと前へ出て蜻蛉洲の前に立ち塞がった。
「手を出してみろ。その瞬間に貴様は投獄よ」
憲兵隊長が笑う。
「……何がおかしい」
蜻蛉洲はギラリと憲兵隊長を見上げた。
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