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四六五
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あれからキッチリ二日経った。
彼らは、やると言ったら必ずやる。
そんな事は百も承知だったが、さすがに経済を独立させて独自の経済圏を構築するなど無理だろうと俺は思っていた。
そして、それは今でもあまり変わってはいない。
だが、それがこうして形になろうとしているのを見ると、やはりやるのだなとも思う。
なんだかんだ言っても、俺はワクワクしているのかもしれなかった。
この地区は使っていない建物や、廃屋も多い。
適当な物件を見つけるのも簡単だ。
蜻蛉洲は、ここがいいと目をつけた場所に、例によって一晩で建物を建てた。
両替所である。
金貸しもするそうだ。
そして、誰でも金を預ける事も出来るらしい。
『銀行』と言うのだそうだ。
これが何か意味があるのか、俺には良く判らなかった。
俺たちの知らない経済のやり方を根付かせるのだそうだ。
この世界で先駆けて、始めに経済を牛耳った者が世界を制するのだと蜻蛉洲は言っていた。
まあ、行動隊長の俺の出番はあまり無い。
難しい話は蜻蛉洲が嬉々としてやってくれる。
「しかし……」
俺は建物を見上げた。
立派な建物である。
人々に権威付けする為に必要なんだそうだ。
要はハッタリが利いていると言う事らしい。
パーツ毎に建物を造り、それを積み木のようにここで組み上げた。
建物とはそう言う建て方だったか?
もう訳が判らない。
まあ、だからこそ一晩で建てる事が可能なのだろう。
中へ入るとラウンジのような場所がある。
ここで呼ばれるのを待つらしい。
奥にはカウンターがあり、そこで銀行の者とやり取りをする。
ラウンジとカウンターの向こう側はだいたい同じくらいの広さだ。
そしてこれが見所かもしれないが、カウンターとラウンジの間には巨大なガラス板で仕切られていた。
こんな巨大な一枚ガラスは見たことが無い。
しかも蜻蛉洲の話では絶対に割れないのだそうだ。
俺が嘘だろうと言うと、蜻蛉洲は少し考えて、サルバス殿が本気で破壊しようとすれば割れる、と訂正した。
つまりは『割れない』と言う事だ。
強盗も寄せ付けない。
対策は完璧だった。
金の扱いの大部分は、例によって『管理人』の仕事である。
その時点で、金に関するトラブルは無いなと思った。
後は客の相手を人間がするだけだった。
俺は振り返った。
大勢の街の人間がここに集まっている。
もちろん野次馬もいる。
だが一番多いのは、職を求める人たちだった。
蜻蛉洲が仕事をやると言ったから、これだけ集まったのだ。
本当にこれだけ職があるのか。
俺は不安になったが、蜻蛉洲がやると言うのだからあるのだろう。
適正ごとに仕事を用意すると言っていた。
出来れば俺も行動隊長など辞めて、並びたい気持ちになっていた。
彼らは、やると言ったら必ずやる。
そんな事は百も承知だったが、さすがに経済を独立させて独自の経済圏を構築するなど無理だろうと俺は思っていた。
そして、それは今でもあまり変わってはいない。
だが、それがこうして形になろうとしているのを見ると、やはりやるのだなとも思う。
なんだかんだ言っても、俺はワクワクしているのかもしれなかった。
この地区は使っていない建物や、廃屋も多い。
適当な物件を見つけるのも簡単だ。
蜻蛉洲は、ここがいいと目をつけた場所に、例によって一晩で建物を建てた。
両替所である。
金貸しもするそうだ。
そして、誰でも金を預ける事も出来るらしい。
『銀行』と言うのだそうだ。
これが何か意味があるのか、俺には良く判らなかった。
俺たちの知らない経済のやり方を根付かせるのだそうだ。
この世界で先駆けて、始めに経済を牛耳った者が世界を制するのだと蜻蛉洲は言っていた。
まあ、行動隊長の俺の出番はあまり無い。
難しい話は蜻蛉洲が嬉々としてやってくれる。
「しかし……」
俺は建物を見上げた。
立派な建物である。
人々に権威付けする為に必要なんだそうだ。
要はハッタリが利いていると言う事らしい。
パーツ毎に建物を造り、それを積み木のようにここで組み上げた。
建物とはそう言う建て方だったか?
もう訳が判らない。
まあ、だからこそ一晩で建てる事が可能なのだろう。
中へ入るとラウンジのような場所がある。
ここで呼ばれるのを待つらしい。
奥にはカウンターがあり、そこで銀行の者とやり取りをする。
ラウンジとカウンターの向こう側はだいたい同じくらいの広さだ。
そしてこれが見所かもしれないが、カウンターとラウンジの間には巨大なガラス板で仕切られていた。
こんな巨大な一枚ガラスは見たことが無い。
しかも蜻蛉洲の話では絶対に割れないのだそうだ。
俺が嘘だろうと言うと、蜻蛉洲は少し考えて、サルバス殿が本気で破壊しようとすれば割れる、と訂正した。
つまりは『割れない』と言う事だ。
強盗も寄せ付けない。
対策は完璧だった。
金の扱いの大部分は、例によって『管理人』の仕事である。
その時点で、金に関するトラブルは無いなと思った。
後は客の相手を人間がするだけだった。
俺は振り返った。
大勢の街の人間がここに集まっている。
もちろん野次馬もいる。
だが一番多いのは、職を求める人たちだった。
蜻蛉洲が仕事をやると言ったから、これだけ集まったのだ。
本当にこれだけ職があるのか。
俺は不安になったが、蜻蛉洲がやると言うのだからあるのだろう。
適正ごとに仕事を用意すると言っていた。
出来れば俺も行動隊長など辞めて、並びたい気持ちになっていた。
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