見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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四六七

 オオムカデンダルとは違って説明は判りやすい。
オオムカデンダルはどちらかと言えば感覚でしゃべってる部分もある。
それが人を惹き付ける魅力になっているのも確かに理解できる。

 だが説明自体は蜻蛉洲の言う方が判りやすかった。
こんなに性格も違うのに、よく同じ組織で世界征服などと言うとんでもない事をする気になったもんだ。
俺は説明とは関係のない、そんな事を考えながら蜻蛉洲の顔を見ていた。

「聞いているのか?」

 蜻蛉洲が俺の顔を覗きこむ。

「あ、ああ。聞いている」

 俺は慌てて取り繕った。

「まあ、だから仕事はいくらでも作れる。極端な事を言えば、穴を掘らせてその穴をまた埋めさせる。そんな意味のない仕事に給料を払ったって構わんのだ。それで誰かが潤う。その金をそいつが使う。そうしたらまた誰かが潤う」

 そんなもんなのか。
いくら聞いても俺には理解できない。
経済とはそんな事なのか。
それとも俺が馬鹿なだけなのか。

「その為には賃金を払えるだけの資金がまず必要だがな」

 蜻蛉洲が言った。
確かに何故か金はある。
オオムカデンダルは金の心配はするなといつも言っている。
キロの姉にも馬鹿みたいな金を支払っていた。

「だが帝国やこの世界で流通する金貨を誰が造っているのか、誰がその価値を保証しているのか。それが判らない。調べてもみたし、サルバス殿にも訪ねたが判らないと言っていた」

 蜻蛉洲は俺に聞かせる為と言うよりも、話ながら考えている感じだった。
確かに誰が金貨や銀貨や銅貨を造っているのか、考えた事はない。
帝国やその他の国や地域でも、みんな同じ金貨を使っている。
帝国が造っているのでは無いのか。
俺も言われて初めて疑問に思った。

「だから新しい通貨を造る。誰かの手のひらに乗せられている状態は非常に良くないからな。いざと言う時に、首根っこを押さえられかねない。我々の通貨は我々が造る。その価値も我々が保証しなくてはな」

 ぼんやりとだが、蜻蛉洲の言っている事はなんとなく判った。

「ふふふ、そのうち『金など要らない、誰かジョルターをくれ!』と皆が言い出す」

 ジョルター?
なんだそれは?

「ふふ。新しい通過の単位だ。良いだろう?僕が考えた」

 蜻蛉洲は自慢気にそう言ったが、良いかどうかは俺には判らない。
でもまあ、良いと言う事にしておこう。

「でもさすがに金を要らないとは誰も言わないんじゃないのか?だって金なんだし」

 上手く言えないが俺は思ったことを口にした。

「君の言いたい事は判る。だがそれは金が貴重だからさ。今に見たくもなくなる」

 蜻蛉洲はそう言って笑った。
そんな事が有り得るとは、俺には想像もつかない。
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