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五一〇
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バーデンは剣を両手で構えて魔法を使い始めた。
「コンセントレーション」
「ヘイスト」
「オーガパワー」
「センス・マジック」
「マジック・プロテクション」
「イリュージョン」
実に六つの魔法を立て続けに唱えた。
魔法職でもないのに何と言う魔法力か。
疲労している様子も無い。
「ふふふ。これでだいぶ強化出来たぞ」
バーデンは安堵と自信をその表情に浮かべた。
コンセントレーションは集中力を一気に高め、魔法の効果を強化する。
ヘイストはさっきの通り俊敏性を上げ、オーガパワーは文字通りオーガのような怪力をもたらす。
センスマジックは周囲の魔法力を感知し、マジックプロテクションは自らの魔法に対する抵抗力を高めた。
そしてイリュージョンは、幻覚などを発生させて相手を惑わせる。
効果範囲は半径数メートルから十数メートルだと思われるが、術者の力量による所が大きい。
もちろん、ここで這いつくばっている俺も効果範囲に入っていた。
どうせ動けはしないが。
下準備は済んだと言う事なのだろう。
バーデンは余裕をもってオオムカデンダルに近付く。
これだけ自強化を重ねれば、普通に考えればほぼ無敵だ。
その底知れぬ魔力量に驚愕するが、それよりもその下地は勇者であり将軍なのだ。
余裕をもつなと言う方が無理がある。
相手にしている方からすれば、インチキだと言いたくなるに違いない。
「ふふふ、今お前に何が見えている?俺の声も届いていまい。貴様は幻覚の中で訳も判らず死ぬのだ!」
バーデンが勇者とは思えない禍々しい笑みを浮かべた。
「念には念を入れねばな。パラライズ!」
麻痺をもたらす魔法。
対象者を金縛りのような状態にする魔法だ。
この上で相手の動きまでも奪うと言うのか。
「ファイヤーボール!」
「ライトニング!」
続けざまに攻撃魔法を二つ放つ。
火球が飛び、稲妻がオオムカデンダルを打った。
ボオオォン!
ピシャーンッ!
まばゆい閃光が辺りを照らす。
爆風が辺りを薙ぎ払った。
なんて野郎だ。
魔法に身を包んだバーデンは、とても俺と五分とは言えなかった。
クソ野郎だが強い。
何故こんなヤツが勇者なのか。
「ふははははははっ!どうだ!手も足も出まい!俺を下に見るからだ!」
バーデンが馬鹿笑いに身をよじる。
「そんなに喜ぶなよ。こっちが恥ずかしい」
俺は何故か喜んでいる。
オオムカデンダルの普段通りの声に。
「な、なな、なんだ!?まさか!」
「効くかよこんな子供騙し。学芸会でやれ。きっとお母さんたちがクッキーを焼いて褒めてくれるぜ」
オオムカデンダルは全くの無傷だ。
判ってはいたが、なんてこった。
「コンセントレーション」
「ヘイスト」
「オーガパワー」
「センス・マジック」
「マジック・プロテクション」
「イリュージョン」
実に六つの魔法を立て続けに唱えた。
魔法職でもないのに何と言う魔法力か。
疲労している様子も無い。
「ふふふ。これでだいぶ強化出来たぞ」
バーデンは安堵と自信をその表情に浮かべた。
コンセントレーションは集中力を一気に高め、魔法の効果を強化する。
ヘイストはさっきの通り俊敏性を上げ、オーガパワーは文字通りオーガのような怪力をもたらす。
センスマジックは周囲の魔法力を感知し、マジックプロテクションは自らの魔法に対する抵抗力を高めた。
そしてイリュージョンは、幻覚などを発生させて相手を惑わせる。
効果範囲は半径数メートルから十数メートルだと思われるが、術者の力量による所が大きい。
もちろん、ここで這いつくばっている俺も効果範囲に入っていた。
どうせ動けはしないが。
下準備は済んだと言う事なのだろう。
バーデンは余裕をもってオオムカデンダルに近付く。
これだけ自強化を重ねれば、普通に考えればほぼ無敵だ。
その底知れぬ魔力量に驚愕するが、それよりもその下地は勇者であり将軍なのだ。
余裕をもつなと言う方が無理がある。
相手にしている方からすれば、インチキだと言いたくなるに違いない。
「ふふふ、今お前に何が見えている?俺の声も届いていまい。貴様は幻覚の中で訳も判らず死ぬのだ!」
バーデンが勇者とは思えない禍々しい笑みを浮かべた。
「念には念を入れねばな。パラライズ!」
麻痺をもたらす魔法。
対象者を金縛りのような状態にする魔法だ。
この上で相手の動きまでも奪うと言うのか。
「ファイヤーボール!」
「ライトニング!」
続けざまに攻撃魔法を二つ放つ。
火球が飛び、稲妻がオオムカデンダルを打った。
ボオオォン!
ピシャーンッ!
まばゆい閃光が辺りを照らす。
爆風が辺りを薙ぎ払った。
なんて野郎だ。
魔法に身を包んだバーデンは、とても俺と五分とは言えなかった。
クソ野郎だが強い。
何故こんなヤツが勇者なのか。
「ふははははははっ!どうだ!手も足も出まい!俺を下に見るからだ!」
バーデンが馬鹿笑いに身をよじる。
「そんなに喜ぶなよ。こっちが恥ずかしい」
俺は何故か喜んでいる。
オオムカデンダルの普段通りの声に。
「な、なな、なんだ!?まさか!」
「効くかよこんな子供騙し。学芸会でやれ。きっとお母さんたちがクッキーを焼いて褒めてくれるぜ」
オオムカデンダルは全くの無傷だ。
判ってはいたが、なんてこった。
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