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五二〇
俺はそれには答えず、黙ってオオムカデンダルを追った。
「あ!待ちやがれこの野郎!」
「やめんか!今言ったばかりだろう。とにかく兵士を集めて指揮を執れ。ルドム将軍、任せた」
ライエルがメルドルムを止めて、ルドムに指揮を託した。
「判りました。ライエル将軍はどうされるおつもりか」
「私は先にあの虫を追って足止めを試みる。ルドム将軍は兵士たちを統率して追ってきてくれ。包囲して全方位から攻撃を加える。マザ将軍は魔導士を編成して虫を押さえて欲しい」
「承知した」
「判りました」
ルドムはすぐに兵士たちを掌握し、マザはすぐに城へと伝令を走らせた。
果たして間に合うか。
俺はそれをしり目にオオムカデンダルを追う。
どおおおおぉぉんっ!
「ぎぃやあああ!ぎぃいいいいい!」
ニーズヘッグは有らん限りに暴れまわっていた。
オオムカデンダルを仕止めようと、執拗に攻撃を繰り出している。
バーデンの意識があるのかは判らない。
しかし他には一切目もくれず、オオムカデンダルを追い回す。
「へ、どうしたノロマ。一つも当たらんな」
オオムカデンダルが挑発するように笑う。
しかしオオムカデンダルの攻撃も、今のところ有効打は無い。
パンチもキックも効いていない。
センチーピードランチャーも、肝心な頭部へはダメージを与えられない。
「オオムカデンダル!」
俺はようやく追い付くと、オオムカデンダルを呼んだ。
「やっと来たか」
オオムカデンダルは攻撃をかわしながら、こっちも見ずに答えた。
「どうする気だ」
「どうする?倒すに決まってるだろ。蜻蛉洲もサンプルを心待ちにしてらあ」
そんな事まで気にしてるのか。
俺にはとてもそんな余裕は無い。
「だが攻撃が通らないんじゃ倒せまい」
「まあ待てよ。もうすぐ来る」
来る?
誰が来るんだ?
蜻蛉洲か、令子か。
まさかフィエステリアームが来るのか。
「ほら、来たぜ」
オオムカデンダルが言う。
俺は辺りを見渡した。
だが誰も居ない。
兵士たちでさえ、まだグズグズしている。
キイイイイイィィィィ……ン
なんだ、この音は。
聞き覚えがあるぞ。
俺は空から聞こえる事に気付いて上を見た。
あれは。
センチピーダー。
ワイバーンを倒したオオムカデンダルのゴーレムだ。
正確にはロボットと言うらしいが。
「でかいヤツには、こっちもそれなりの質量が無いとな」
オオムカデンダルはそう言いながらセンチピーダーの着陸を待つ。
だが、その間もニーズヘッグの攻撃は止まない。
どおおおおぉぉんっ!
「ぎしゃあっ!」
びしゃっ!
叩きつけ、身をくねらせ、強酸を吐く。
その度に地面はえぐれ、岩は溶け、大地は揺らいだ。
「あ!待ちやがれこの野郎!」
「やめんか!今言ったばかりだろう。とにかく兵士を集めて指揮を執れ。ルドム将軍、任せた」
ライエルがメルドルムを止めて、ルドムに指揮を託した。
「判りました。ライエル将軍はどうされるおつもりか」
「私は先にあの虫を追って足止めを試みる。ルドム将軍は兵士たちを統率して追ってきてくれ。包囲して全方位から攻撃を加える。マザ将軍は魔導士を編成して虫を押さえて欲しい」
「承知した」
「判りました」
ルドムはすぐに兵士たちを掌握し、マザはすぐに城へと伝令を走らせた。
果たして間に合うか。
俺はそれをしり目にオオムカデンダルを追う。
どおおおおぉぉんっ!
「ぎぃやあああ!ぎぃいいいいい!」
ニーズヘッグは有らん限りに暴れまわっていた。
オオムカデンダルを仕止めようと、執拗に攻撃を繰り出している。
バーデンの意識があるのかは判らない。
しかし他には一切目もくれず、オオムカデンダルを追い回す。
「へ、どうしたノロマ。一つも当たらんな」
オオムカデンダルが挑発するように笑う。
しかしオオムカデンダルの攻撃も、今のところ有効打は無い。
パンチもキックも効いていない。
センチーピードランチャーも、肝心な頭部へはダメージを与えられない。
「オオムカデンダル!」
俺はようやく追い付くと、オオムカデンダルを呼んだ。
「やっと来たか」
オオムカデンダルは攻撃をかわしながら、こっちも見ずに答えた。
「どうする気だ」
「どうする?倒すに決まってるだろ。蜻蛉洲もサンプルを心待ちにしてらあ」
そんな事まで気にしてるのか。
俺にはとてもそんな余裕は無い。
「だが攻撃が通らないんじゃ倒せまい」
「まあ待てよ。もうすぐ来る」
来る?
誰が来るんだ?
蜻蛉洲か、令子か。
まさかフィエステリアームが来るのか。
「ほら、来たぜ」
オオムカデンダルが言う。
俺は辺りを見渡した。
だが誰も居ない。
兵士たちでさえ、まだグズグズしている。
キイイイイイィィィィ……ン
なんだ、この音は。
聞き覚えがあるぞ。
俺は空から聞こえる事に気付いて上を見た。
あれは。
センチピーダー。
ワイバーンを倒したオオムカデンダルのゴーレムだ。
正確にはロボットと言うらしいが。
「でかいヤツには、こっちもそれなりの質量が無いとな」
オオムカデンダルはそう言いながらセンチピーダーの着陸を待つ。
だが、その間もニーズヘッグの攻撃は止まない。
どおおおおぉぉんっ!
「ぎしゃあっ!」
びしゃっ!
叩きつけ、身をくねらせ、強酸を吐く。
その度に地面はえぐれ、岩は溶け、大地は揺らいだ。
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