見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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五五四

「お、おい!」

 カルタスが慌てた顔で俺を見た。
体力がホンのわずか、本当にホンのわずか回復している。
かと言って、戦えるほどでは無い。
一人で立つのもやっとだった。

「レオ……」

「良いか……ら、い、行け……」

 俺はカルタスに背を向けるとプニーフタールに向けて歩き出した。
見届けなくては。
プニーフタール本体と戦うまでは、俺の戦いは終わらない。
例え一部だろうと何であろうと、プニーフタールとの戦いの決着は見届けなくては。

 それで判る事もきっとある。

「レオ、何をしている」

 蜻蛉洲が俺を見付けて言った。

「み、見届け……ないと」

「近付くな。死ぬぞ」

「お、俺も……毒を持……っている。そ、即死は……しまい」

「馬鹿を言うな。お前の毒とフィエステリアームの毒は全く別の毒だ。威力は同じでも毒性は違う」

 そうなのか。
考えが甘かったか。

「……オマエタチハ  ニンゲンデハ  ナイノカ」

 なに?
俺は一瞬何の事か判らなかった。
そして一瞬の間を置いて、それがプニーフタールの声だと気が付いた。
しゃべっているだと。

「……話せるのか」

 蜻蛉洲も驚いてプニーフタールを見た。

「たいした知能だな……それとも、もともと話せたのか」

 オオムカデンダルも興味深そうにプニーフタールを眺めている。

「ナガイ  ネムリノアイダニ  オカシナ  ニンゲンガ  フエタ  ナ」

 しゃべっている。
気のせいでは無い。

「ヤハリ  ニンゲンハ  ネダヤシニ  シナケレバ……」

 プニーフタールはハッキリとそう言った。
人間を根絶やしにするだと。
いや、それよりも『やはり』と言ったな。
何だ、やはりって。
俺はどうでも良い所が気になった。

「邪神っておしゃべりなんだね」

 いつの間にかフィエステリアームはプニーフタールの前に立っている。
毒を撒く気か。

 プニーフタールはフィエステリアームの方を向いた。
目は無いが恐らく見ているのだろう。
邪神に常識など通用しない。

「邪神って神様だよね。僕たちよりも強いの?興味がある」

 そう言うと、フィエステリアームはプニーフタールの返事を待たずに思いっきり蹴り上げた。

 どかっ!

 プニーフタールが空高く舞う。
キック一発であんなにも高く人を蹴り上げられるのか。
いや、邪神だが。

 たっ!

 フィエステリアームは宙に吹き飛んだプニーフタールを、自らもジャンプして追撃した。

「やっ!ややややややややややややややややや!」

 空中でプニーフタールを滅多打ちにしている。

「やあっ!」

 どかあっ!

 トドメとばかりに両足でプニーフタールを踏んだ。
そのまま地上に落ちてくる。

 どおんっ!

砂ぼこりが舞う。
その中からプニーフタールの上に立つフィエステリアームの姿が現れた。
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