564 / 826
五六四
神と競合するだと。
何を言っているのか良く判らなくなってきた。
「まあ、今すぐの話じゃ無い。そのうち判るさ」
オオムカデンダルはそう言って細かく説明しなかった。
俺には判るぞ。
面倒だったのだ。
「そろそろ紙幣も投入しよう。蜻蛉洲、頼んだ」
「判っている。もう十分な量を用意してある」
紙の金だと。
もう訳が判らん。
聞くのも億劫だった。
まあ、軽いのは良いのかもしれない。
たくさん持って歩くのは金貨だと荷車が必要になってくる。
「娯楽施設はどうなっとるんじゃ?」
サルバスが尋ねた。
「お、じいちゃんが一番楽しみにしてるヤツだな。ちゃんと用意してあるぜ。最初から刺激が強いのはアレだからな。ソフトなヤツからやっていこう」
こっちも色々進行中か。
もはや俺の知っている街とはずいぶん違う物になってきている。
俺はふと視線に気が付いた。
オオムカデンダルが俺を見ている。
なんだ。
「レオ。話がある」
オオムカデンダルがそう言いながら近付いてくる。
このあらたまった感じ。
何だか嫌な予感がする。
「お前の妹についてだ」
俺はビクッとした。
そうだ。
その事を聞きたかったのだ。
だが、聞けなかった。
何故だか判らないが、聞きたくなかった。
「……ミーアは……無事なのか?」
質問する俺の顔を、オオムカデンダルがじっと見つめる。
「半分は無事だ。半分は無事じゃない」
どう言う意味だ。
「来い。実際に見た方がいい」
そう言って、オオムカデンダルは歩きだした。
俺はその後に付いて行く。
エレベーターとか言う箱に乗って、地下階に向かっている。
この先には行った事が無い。
扉が開いて通路を行くと、いくつかの扉が現れた。
それらを無視して歩き続けると、一番最後の扉の前に立った。
「ここだ」
オオムカデンダルはそう言って、扉を開けた。
俺は部屋の中へと足を踏み入れる。
「ミーア……」
俺は妹の名前を呼んだ。
だが。
「お前か。生きていたとはな。で、いつまで私をここに閉じ込めておくつもりか」
ミーアは俺を一瞥するとそう言った。
これは。
「……肉体は無事だ。かすり傷一つ無い」
それはつまり。
「精神だな。記憶と言っても良い。お前の事は敵だとしか認識していない。もちろん俺たちもだ」
なんてこった。
「記憶も作られている。お前と兄妹だった記憶は無い。初めから奴等の一員で幹部だったと言う事になっている」
俺はミーアに歩み寄った。
俺とミーアの間には透明な壁が張られている。
俺はその壁に両手を付いた。
「ミーア……俺が判らないのか……?」
指先が震えた。
そんな馬鹿な事が。
「知っているぞ。我らが主神たるプニーフタール復活を阻む憎き奴等。その一人、レオだろう」
俺は頭をメイスで殴られたような衝撃を受けた。
何を言っているのか良く判らなくなってきた。
「まあ、今すぐの話じゃ無い。そのうち判るさ」
オオムカデンダルはそう言って細かく説明しなかった。
俺には判るぞ。
面倒だったのだ。
「そろそろ紙幣も投入しよう。蜻蛉洲、頼んだ」
「判っている。もう十分な量を用意してある」
紙の金だと。
もう訳が判らん。
聞くのも億劫だった。
まあ、軽いのは良いのかもしれない。
たくさん持って歩くのは金貨だと荷車が必要になってくる。
「娯楽施設はどうなっとるんじゃ?」
サルバスが尋ねた。
「お、じいちゃんが一番楽しみにしてるヤツだな。ちゃんと用意してあるぜ。最初から刺激が強いのはアレだからな。ソフトなヤツからやっていこう」
こっちも色々進行中か。
もはや俺の知っている街とはずいぶん違う物になってきている。
俺はふと視線に気が付いた。
オオムカデンダルが俺を見ている。
なんだ。
「レオ。話がある」
オオムカデンダルがそう言いながら近付いてくる。
このあらたまった感じ。
何だか嫌な予感がする。
「お前の妹についてだ」
俺はビクッとした。
そうだ。
その事を聞きたかったのだ。
だが、聞けなかった。
何故だか判らないが、聞きたくなかった。
「……ミーアは……無事なのか?」
質問する俺の顔を、オオムカデンダルがじっと見つめる。
「半分は無事だ。半分は無事じゃない」
どう言う意味だ。
「来い。実際に見た方がいい」
そう言って、オオムカデンダルは歩きだした。
俺はその後に付いて行く。
エレベーターとか言う箱に乗って、地下階に向かっている。
この先には行った事が無い。
扉が開いて通路を行くと、いくつかの扉が現れた。
それらを無視して歩き続けると、一番最後の扉の前に立った。
「ここだ」
オオムカデンダルはそう言って、扉を開けた。
俺は部屋の中へと足を踏み入れる。
「ミーア……」
俺は妹の名前を呼んだ。
だが。
「お前か。生きていたとはな。で、いつまで私をここに閉じ込めておくつもりか」
ミーアは俺を一瞥するとそう言った。
これは。
「……肉体は無事だ。かすり傷一つ無い」
それはつまり。
「精神だな。記憶と言っても良い。お前の事は敵だとしか認識していない。もちろん俺たちもだ」
なんてこった。
「記憶も作られている。お前と兄妹だった記憶は無い。初めから奴等の一員で幹部だったと言う事になっている」
俺はミーアに歩み寄った。
俺とミーアの間には透明な壁が張られている。
俺はその壁に両手を付いた。
「ミーア……俺が判らないのか……?」
指先が震えた。
そんな馬鹿な事が。
「知っているぞ。我らが主神たるプニーフタール復活を阻む憎き奴等。その一人、レオだろう」
俺は頭をメイスで殴られたような衝撃を受けた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
親世代ではなかったのですか?
立木
恋愛
親世代が「乙女ゲーム時代」だったと思っていたら、子世代も「乙女ゲーム」だった。
※乙ゲー転生ですが要素は薄いです。
※別サイトにも投稿。
※短編を纏めました。
男装の薬師は枯れぬ花のつぼみを宿す
天岸 あおい
ファンタジー
久遠の花と呼ばれる優秀な薬師の一族。
そんな彼らを守り続けていた、守り葉と呼ばれし者たち。
守り葉として育てられた子供・みなもだったが、ある日隠れ里を襲われ、生き別れた姉・いずみや仲間たちとの再会を夢見て薬師として生きながら、行方を捜していた。
そんなみなもの元へ現れた、瀕死の重傷を負った青年レオニード。
彼との出会いがみなもの運命の歯車を動かしていく―――。
男装の麗人で、芯が強くて自分の手を汚すことを厭わない主人公と、そんな一筋縄ではいかない主人公を一途に想う、寡黙で真面目な青年の物語。
R18ではありませんが、後半は大人向けの展開になっています。
※他サイトで公開していたものを改題・改稿しております。
※今作は非BLです。期間限定で掲載致します。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。