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五六四
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神と競合するだと。
何を言っているのか良く判らなくなってきた。
「まあ、今すぐの話じゃ無い。そのうち判るさ」
オオムカデンダルはそう言って細かく説明しなかった。
俺には判るぞ。
面倒だったのだ。
「そろそろ紙幣も投入しよう。蜻蛉洲、頼んだ」
「判っている。もう十分な量を用意してある」
紙の金だと。
もう訳が判らん。
聞くのも億劫だった。
まあ、軽いのは良いのかもしれない。
たくさん持って歩くのは金貨だと荷車が必要になってくる。
「娯楽施設はどうなっとるんじゃ?」
サルバスが尋ねた。
「お、じいちゃんが一番楽しみにしてるヤツだな。ちゃんと用意してあるぜ。最初から刺激が強いのはアレだからな。ソフトなヤツからやっていこう」
こっちも色々進行中か。
もはや俺の知っている街とはずいぶん違う物になってきている。
俺はふと視線に気が付いた。
オオムカデンダルが俺を見ている。
なんだ。
「レオ。話がある」
オオムカデンダルがそう言いながら近付いてくる。
このあらたまった感じ。
何だか嫌な予感がする。
「お前の妹についてだ」
俺はビクッとした。
そうだ。
その事を聞きたかったのだ。
だが、聞けなかった。
何故だか判らないが、聞きたくなかった。
「……ミーアは……無事なのか?」
質問する俺の顔を、オオムカデンダルがじっと見つめる。
「半分は無事だ。半分は無事じゃない」
どう言う意味だ。
「来い。実際に見た方がいい」
そう言って、オオムカデンダルは歩きだした。
俺はその後に付いて行く。
エレベーターとか言う箱に乗って、地下階に向かっている。
この先には行った事が無い。
扉が開いて通路を行くと、いくつかの扉が現れた。
それらを無視して歩き続けると、一番最後の扉の前に立った。
「ここだ」
オオムカデンダルはそう言って、扉を開けた。
俺は部屋の中へと足を踏み入れる。
「ミーア……」
俺は妹の名前を呼んだ。
だが。
「お前か。生きていたとはな。で、いつまで私をここに閉じ込めておくつもりか」
ミーアは俺を一瞥するとそう言った。
これは。
「……肉体は無事だ。かすり傷一つ無い」
それはつまり。
「精神だな。記憶と言っても良い。お前の事は敵だとしか認識していない。もちろん俺たちもだ」
なんてこった。
「記憶も作られている。お前と兄妹だった記憶は無い。初めから奴等の一員で幹部だったと言う事になっている」
俺はミーアに歩み寄った。
俺とミーアの間には透明な壁が張られている。
俺はその壁に両手を付いた。
「ミーア……俺が判らないのか……?」
指先が震えた。
そんな馬鹿な事が。
「知っているぞ。我らが主神たるプニーフタール復活を阻む憎き奴等。その一人、レオだろう」
俺は頭をメイスで殴られたような衝撃を受けた。
何を言っているのか良く判らなくなってきた。
「まあ、今すぐの話じゃ無い。そのうち判るさ」
オオムカデンダルはそう言って細かく説明しなかった。
俺には判るぞ。
面倒だったのだ。
「そろそろ紙幣も投入しよう。蜻蛉洲、頼んだ」
「判っている。もう十分な量を用意してある」
紙の金だと。
もう訳が判らん。
聞くのも億劫だった。
まあ、軽いのは良いのかもしれない。
たくさん持って歩くのは金貨だと荷車が必要になってくる。
「娯楽施設はどうなっとるんじゃ?」
サルバスが尋ねた。
「お、じいちゃんが一番楽しみにしてるヤツだな。ちゃんと用意してあるぜ。最初から刺激が強いのはアレだからな。ソフトなヤツからやっていこう」
こっちも色々進行中か。
もはや俺の知っている街とはずいぶん違う物になってきている。
俺はふと視線に気が付いた。
オオムカデンダルが俺を見ている。
なんだ。
「レオ。話がある」
オオムカデンダルがそう言いながら近付いてくる。
このあらたまった感じ。
何だか嫌な予感がする。
「お前の妹についてだ」
俺はビクッとした。
そうだ。
その事を聞きたかったのだ。
だが、聞けなかった。
何故だか判らないが、聞きたくなかった。
「……ミーアは……無事なのか?」
質問する俺の顔を、オオムカデンダルがじっと見つめる。
「半分は無事だ。半分は無事じゃない」
どう言う意味だ。
「来い。実際に見た方がいい」
そう言って、オオムカデンダルは歩きだした。
俺はその後に付いて行く。
エレベーターとか言う箱に乗って、地下階に向かっている。
この先には行った事が無い。
扉が開いて通路を行くと、いくつかの扉が現れた。
それらを無視して歩き続けると、一番最後の扉の前に立った。
「ここだ」
オオムカデンダルはそう言って、扉を開けた。
俺は部屋の中へと足を踏み入れる。
「ミーア……」
俺は妹の名前を呼んだ。
だが。
「お前か。生きていたとはな。で、いつまで私をここに閉じ込めておくつもりか」
ミーアは俺を一瞥するとそう言った。
これは。
「……肉体は無事だ。かすり傷一つ無い」
それはつまり。
「精神だな。記憶と言っても良い。お前の事は敵だとしか認識していない。もちろん俺たちもだ」
なんてこった。
「記憶も作られている。お前と兄妹だった記憶は無い。初めから奴等の一員で幹部だったと言う事になっている」
俺はミーアに歩み寄った。
俺とミーアの間には透明な壁が張られている。
俺はその壁に両手を付いた。
「ミーア……俺が判らないのか……?」
指先が震えた。
そんな馬鹿な事が。
「知っているぞ。我らが主神たるプニーフタール復活を阻む憎き奴等。その一人、レオだろう」
俺は頭をメイスで殴られたような衝撃を受けた。
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