見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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五八七

「これが……改造人間……」

 ディーレが呟く。

「あのムカデと同類って事か」

 ガイが嫌悪感を隠そうともせずに言った。

「お前たちの力が俺に通用するか、試してみろ!」

 俺は半歩踏み込むと、わざとガイの大盾めがけてパンチを繰り出す。

 ガキインッ!

 金属音と共にガイが後ろへと押し戻される。

「ぐっ……!コイツは……」

 倒れなかったか。
さすがだな。

「筋力も防御力も増大しているのに……!」

 ディーレが驚きを隠せずに、後ろに下がったガイを見て言う。

「強化しておいて良かったな。さもなければ今ので終わっていたぞ」

「改造人間って……これほどなの……!」

 ルガは改めて俺をまじまじと見る。
ヴァンパイアを倒したオオムカデンダルを、一応の指標として来たのだろう。
そんなのは見れば判った。
その強さに追い付いたと思ったからこそ、コイツらはここへ姿を現したに違いない。

 だが、それは大きな勘違いだ。
オオムカデンダルは本気など出した事は無いし、一見ピンチになっても必ず奥の手を用意している。
強さだけでは無く、選択肢を多く用意している。
つまり、用意周到なのだ。

 実際、オオムカデンダルは抜け目ない。
あの蜻蛉洲でさえ呆れるほどに。
あれは他に類を見ないほどの『超超超負けず嫌い』なのだ。

 俺はあれほどにはなれんが、この体の事はだいぶ判ってきた。
まず今の俺は、ついこの間までよりも格段に強くなっている。
以前の俺なら、今のバルバと互角だったかもしれない。

 死んで甦生する時に、前よりも強く甦生されている。
俺は直感的にそれを感じていた。
折れた骨が、前よりも強靭になって回復する。
たぶん、あれと同じだ。
二度と同じ事で死んだりしないように、より強くなっている。

 これが蜻蛉洲が言っていた、自分たちとは違う方法で強さを求めていく、と言う事なのだろう。

 素材が足りず、彼らと同等の強さの改造人間は造れない。
だから他の方法を模索したのだ、と言っていた。

 二種類以上の生物を掛け合わせた。
そして死んでも復活し、復活する度に前よりも強くなる。
それが俺の彼らとは違う強さなのだ。

 確かにコイツらは強くなった。
それも短期間に信じられないほどレベルを上げてきている。

 だがそれよりも、俺はもっと強くなった。
龍の眷属たるニーズヘッグと戦い、一部とは言え邪神とも戦った。
経験値が違う。

「どうした。よそ見をするな、始まったばかりだぞ!」

 俺はバルバに襲いかかる。

「くそっ!」

 バルバが苦し紛れに迎え撃つ。

 殺すつもりは無い。
だが無効化する必要はある。
コイツらは黒幕に繋がる手掛かりでもあるのだ。

「チェストオッ!」

 バルバが気合いを込めた必殺の一撃を放つ。
恐らく、岩をも砕く手刀だ。
それが俺の首筋を強烈に叩いた。

「……効かんな」

 変身した俺のあらゆる能力は、変身前と比べられないほどに強くなっている。
実際、全く効いていなかった。

「そんな……」

 ディーレが言葉を漏らした。
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