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六一三
「プロテクション……魔法だと……!?」
俺は思わず声に出した。
「バレたか。秘密にしておきたかったんだがね」
ベクターシードはそう言うと、俺の腹を思い切り蹴飛ばした。
「ぐっ……!」
俺はズザザと後ろに押し戻される。
「もう一度言う。邪魔はさせん」
ベクターシードはそう言うと、今度は四人に援護を命じた。
ベクターシードを中心に四人が動く。
これは案外面倒臭いぞ。
単純な火力がどうとかよりも、数的に有利なのが非常に面倒臭い。
こちらはそれだけ手を割かなければならないからだ。
「やはり俺が決着を付けなければならんな」
ベクターシードがオオムカデンダルに対して距離をとった。
「ヤバイな。本命のジョルトバスターが来るぞ」
本命のジョルトバスター?
さっきのヤツじゃないのか。
完全版だと言っていたが。
「説明している暇がない。レオ来い」
命令に従って、俺はオオムカデンダルの側へと走った。
「背中を貸せ」
背中?
俺は意味も判らずにオオムカデンダルに背中を向けた。
「!?」
突然背中に妙な感覚が走る。
何をしているんだ。
「良いから我慢してろ」
オオムカデンダルはそう言うだけで説明はしない。
そんな暇も無いんだろうが。
う。
判るぞ。
背中からオオムカデンダルの手が入ってくる。
体の中にオオムカデンダルの手が入っているのが判る。
「ぐ、気持ち悪いぞ。何をしているんだ」
「ちょっと黙ってろ」
そんなやり取りの間にも、ベクターシードは攻撃準備を完了していた。
「行くぜ」
ベクターシードが腰を落として構えをとる。
その直線上には俺が居て、その背後にオオムカデンダルが居る。
まさか、俺を盾にする気か。
俺は一瞬オオムカデンダルを疑った。
「馬鹿言ってんじゃねえよ。ほら、こっちも準備完了だ。どけ」
そう言ってオオムカデンダルが俺を押し退ける。
来いと言ったり、退けと言ったり、部下の扱いが荒いな。
俺は不満げに振り向いて、ギョッとした。
オオムカデンダルの胸に、何か太い管のような物が接続されている。
その先を辿ると、俺の後ろに消えていた。
まさか。
俺は恐る恐る背中を触る。
予感は当たっていた。
俺の背中に繋がっている。
いや、正確には俺の背中から出た管が、オオムカデンダルの胸に繋がっている、だ。
「力を借りるぜ。辛抱してろ」
オオムカデンダルがそう言うと、俺の心臓部がけたたましく動き出した。
「ぐ……」
苦しい。
長距離を全力疾走した時のような、苦しさだ。
ヒュイイイイー……ンンンン
甲高い音が俺の胸から鳴り響く。
俺は堪らず膝を付いた。
ベクターシードはもう既に走り出している。
助走の為に距離をとったのか。
だんっ!
ベクターシードが力強く地面を蹴って飛び上がる。
むやみにジャンプするのは良くないと、さっきオオムカデンダルが言っていたが。
「ネオジョルトバスターだ!」
ベクターシードが叫ぶ。
空中で前転すると、そのまま足を伸ばして降ってくる。
これはキックだ。
だが、ただのキックでは無い。
ベクターシードの足は、真っ赤に光り輝いていた。
俺は思わず声に出した。
「バレたか。秘密にしておきたかったんだがね」
ベクターシードはそう言うと、俺の腹を思い切り蹴飛ばした。
「ぐっ……!」
俺はズザザと後ろに押し戻される。
「もう一度言う。邪魔はさせん」
ベクターシードはそう言うと、今度は四人に援護を命じた。
ベクターシードを中心に四人が動く。
これは案外面倒臭いぞ。
単純な火力がどうとかよりも、数的に有利なのが非常に面倒臭い。
こちらはそれだけ手を割かなければならないからだ。
「やはり俺が決着を付けなければならんな」
ベクターシードがオオムカデンダルに対して距離をとった。
「ヤバイな。本命のジョルトバスターが来るぞ」
本命のジョルトバスター?
さっきのヤツじゃないのか。
完全版だと言っていたが。
「説明している暇がない。レオ来い」
命令に従って、俺はオオムカデンダルの側へと走った。
「背中を貸せ」
背中?
俺は意味も判らずにオオムカデンダルに背中を向けた。
「!?」
突然背中に妙な感覚が走る。
何をしているんだ。
「良いから我慢してろ」
オオムカデンダルはそう言うだけで説明はしない。
そんな暇も無いんだろうが。
う。
判るぞ。
背中からオオムカデンダルの手が入ってくる。
体の中にオオムカデンダルの手が入っているのが判る。
「ぐ、気持ち悪いぞ。何をしているんだ」
「ちょっと黙ってろ」
そんなやり取りの間にも、ベクターシードは攻撃準備を完了していた。
「行くぜ」
ベクターシードが腰を落として構えをとる。
その直線上には俺が居て、その背後にオオムカデンダルが居る。
まさか、俺を盾にする気か。
俺は一瞬オオムカデンダルを疑った。
「馬鹿言ってんじゃねえよ。ほら、こっちも準備完了だ。どけ」
そう言ってオオムカデンダルが俺を押し退ける。
来いと言ったり、退けと言ったり、部下の扱いが荒いな。
俺は不満げに振り向いて、ギョッとした。
オオムカデンダルの胸に、何か太い管のような物が接続されている。
その先を辿ると、俺の後ろに消えていた。
まさか。
俺は恐る恐る背中を触る。
予感は当たっていた。
俺の背中に繋がっている。
いや、正確には俺の背中から出た管が、オオムカデンダルの胸に繋がっている、だ。
「力を借りるぜ。辛抱してろ」
オオムカデンダルがそう言うと、俺の心臓部がけたたましく動き出した。
「ぐ……」
苦しい。
長距離を全力疾走した時のような、苦しさだ。
ヒュイイイイー……ンンンン
甲高い音が俺の胸から鳴り響く。
俺は堪らず膝を付いた。
ベクターシードはもう既に走り出している。
助走の為に距離をとったのか。
だんっ!
ベクターシードが力強く地面を蹴って飛び上がる。
むやみにジャンプするのは良くないと、さっきオオムカデンダルが言っていたが。
「ネオジョルトバスターだ!」
ベクターシードが叫ぶ。
空中で前転すると、そのまま足を伸ばして降ってくる。
これはキックだ。
だが、ただのキックでは無い。
ベクターシードの足は、真っ赤に光り輝いていた。
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