614 / 826
六一四
飛び蹴りの体勢でベクターシードが突っ込んでくる。
俺にも判る。
このキックはただのキックなどでは無い。
あの足の輝き。
明らかに破壊の為のエネルギーが蓄積されている。
全てのエネルギーをキックに集約しているのか。
想像してみるがどれ程の威力があるのか、皆目見当も付かない。
防いでは駄目だ。
かわさなければ。
それだけは俺にも判った。
「これで終わりだ!オオムカデンダルッ!」
「そうは行くかよ」
オオムカデンダルが両腕を伸ばして、両手をガッチリと組んだ。
「センチピードノヴァ!」
オオムカデンダルが吼える。
同時に組んだ両手から破壊エネルギの束が放出された。
「なんだと!?」
七色に輝く虹のような光が、轟々とほとばしる。
ベクターシードはその光の束にあっと言う間に呑み込まれた。
「うおおおオオオオッッ!!」
ベクターシードの叫び声が聞こえる。
ドオンッ!
ドドオンッ!
ドゴオーンッ!
大小様々な爆発を繰り返し、空中で火球が飛んでいく。
ドサッ!ゴロゴロゴロ
地面に落ちたベクターシードが、投げ捨てられた人形のように転がった。
「グ……グハッ……!」
苦しそうに息を漏らす。
いや、あれを食らって死んでいないと言うのが驚きだ。
「とっさにプロテクションを多重展開していやがった。恐ろしい男だよ。まったく」
魔法を使っていたのか。
全く気が付かなかった。
そう言えば俺の時も瞬間的にプロテクションを張っていた。
プロテクションの多重展開。
そんな事が可能なのかも剣士の俺には判らない。
だが普通に考えればおそらく無理だ。
ドラゴンクラスの魔法職、いわゆる賢者や隠者、天啓者、後は神職である教皇くらいならもしかしたら可能なのかもしれないが。
しかしそれは、九条晃がドラゴンクラスの魔法職だと言う事になってしまう。
いったい、どう言う事なんだ。
「おい、晃。動けるか」
オオムカデンダルが胸から管を引き抜きながら言った。
管はそのまま俺の背中の中へ、するすると引き込まれていった。
俺の体なのに俺の知らない使い道があったなんて。
何だか複雑だ。
「くっ……あれくらいで死ぬかよ。俺は不死身だ」
「だが、すぐには動けまい。今抵抗できるとは思えんな」
「……」
沈黙するベクターシードに、ガイたち四人が集まる。
「アキラ!大丈夫か?」
ルガがベクターシードを抱き起こす。
「おのれ、ムカデ!」
ガイが怒りをあらわにする。
「やめておけ。お前らじゃ話にもならん」
「やってみなければ判らん!」
「あーもう……やらなくても判るんだよ。向こうへ行ってろ」
「うるさい!」
忠告も無視して、ガイがオオムカデンダルに襲い掛かる。
ガインッ!
しかし、ガイの短剣はオオムカデンダルに傷も付けられない。
オオムカデンダルは何もせずに、ただ立っているだけだ。
「く、くそっ!」
「判ったらどけ」
「アキラは殺らせん!」
「殺らねえよ。良いからどけよ」
俺にも判る。
このキックはただのキックなどでは無い。
あの足の輝き。
明らかに破壊の為のエネルギーが蓄積されている。
全てのエネルギーをキックに集約しているのか。
想像してみるがどれ程の威力があるのか、皆目見当も付かない。
防いでは駄目だ。
かわさなければ。
それだけは俺にも判った。
「これで終わりだ!オオムカデンダルッ!」
「そうは行くかよ」
オオムカデンダルが両腕を伸ばして、両手をガッチリと組んだ。
「センチピードノヴァ!」
オオムカデンダルが吼える。
同時に組んだ両手から破壊エネルギの束が放出された。
「なんだと!?」
七色に輝く虹のような光が、轟々とほとばしる。
ベクターシードはその光の束にあっと言う間に呑み込まれた。
「うおおおオオオオッッ!!」
ベクターシードの叫び声が聞こえる。
ドオンッ!
ドドオンッ!
ドゴオーンッ!
大小様々な爆発を繰り返し、空中で火球が飛んでいく。
ドサッ!ゴロゴロゴロ
地面に落ちたベクターシードが、投げ捨てられた人形のように転がった。
「グ……グハッ……!」
苦しそうに息を漏らす。
いや、あれを食らって死んでいないと言うのが驚きだ。
「とっさにプロテクションを多重展開していやがった。恐ろしい男だよ。まったく」
魔法を使っていたのか。
全く気が付かなかった。
そう言えば俺の時も瞬間的にプロテクションを張っていた。
プロテクションの多重展開。
そんな事が可能なのかも剣士の俺には判らない。
だが普通に考えればおそらく無理だ。
ドラゴンクラスの魔法職、いわゆる賢者や隠者、天啓者、後は神職である教皇くらいならもしかしたら可能なのかもしれないが。
しかしそれは、九条晃がドラゴンクラスの魔法職だと言う事になってしまう。
いったい、どう言う事なんだ。
「おい、晃。動けるか」
オオムカデンダルが胸から管を引き抜きながら言った。
管はそのまま俺の背中の中へ、するすると引き込まれていった。
俺の体なのに俺の知らない使い道があったなんて。
何だか複雑だ。
「くっ……あれくらいで死ぬかよ。俺は不死身だ」
「だが、すぐには動けまい。今抵抗できるとは思えんな」
「……」
沈黙するベクターシードに、ガイたち四人が集まる。
「アキラ!大丈夫か?」
ルガがベクターシードを抱き起こす。
「おのれ、ムカデ!」
ガイが怒りをあらわにする。
「やめておけ。お前らじゃ話にもならん」
「やってみなければ判らん!」
「あーもう……やらなくても判るんだよ。向こうへ行ってろ」
「うるさい!」
忠告も無視して、ガイがオオムカデンダルに襲い掛かる。
ガインッ!
しかし、ガイの短剣はオオムカデンダルに傷も付けられない。
オオムカデンダルは何もせずに、ただ立っているだけだ。
「く、くそっ!」
「判ったらどけ」
「アキラは殺らせん!」
「殺らねえよ。良いからどけよ」
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
公爵家の次女ですが、静かに学園生活を送るつもりでした
佐伯かなた
恋愛
王国でも屈指の名門、公爵アルヴィス家。
その家には、誰もが称賛する完璧な令嬢がいた。
長女ソフィア。
美貌、知性、礼儀、すべてを備えた理想の公爵令嬢。
そして──もう一人。
妹、レーネ・アルヴィス。
社交界ではほとんど名前も出ない、影の薄い次女。
姉ほど目立つわけでもなく、社交の中心にいるわけでもない。
だが彼女は知っている。
貴族社会では、
誰が本当に優れているのかは、静かな場面でこそ分かるということを。
王立学園に入学したレーネは、
礼儀作法、社交、そして人間関係の中で、静かに周囲を観察していく。
やがて──
軽んじていた者たちは気づく。
「公爵家の妹」が、本当はどんな令嬢だったのかを。
これは、
静かな公爵令嬢が学園と貴族社会で評価を覆していく物語。
眷属神の花嫁〜四当主の花嫁争奪譚〜神縁の行方
雨香
恋愛
神々の眷属である四つの種族に、百年に一度当主の嫁取りがある。
花嫁を手にした当主は膨大な力を得、一族には繁栄が約束される。
神託により決定される花嫁は通常一人。
その一人を|八咫烏《やたがらす》一族、狐一族、狛犬一族、龍の一族で奪い合う。
何故か二人も選ばれてしまった花嫁をめぐる、お見合い現代ファンタジー。
【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】
佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。
新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。
「せめて回復魔法とかが良かった……」
戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。
「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」
家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。
「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」
そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。
絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。
これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
親世代ではなかったのですか?
立木
恋愛
親世代が「乙女ゲーム時代」だったと思っていたら、子世代も「乙女ゲーム」だった。
※乙ゲー転生ですが要素は薄いです。
※別サイトにも投稿。
※短編を纏めました。
「婚約破棄された転生令嬢ですが、王城のメイド五百人に慕われるメイド長になりました。なお元婚約者は私のメイドに土下座中です」
まさき
恋愛
社畜OLとして過労死した私は、異世界の令嬢・アリア・ヴェルナーに転生した。
目が覚めたら、婚約破棄されていた。
理由は「地味で面白みがない」から。
泣く暇もなかった。翌朝、王城のメイド採用面接に向かった。
最初は鼻で笑われた。雑用係からのスタートだった。
でも——前世で叩き込まれた仕事術と、一人ひとりの話を聞く姿勢で、少しずつメイドたちが集まってきた。
厨房が変わった。リネンが変わった。王城全体が変わっていった。
そして就任スピーチで宣言した。
「500人全員の名前を、覚えます」
冷酷と噂される王太子は、静かに見ていた。
悪役令嬢は妨害を仕掛けてきた。
元婚約者は——後悔し始めていた。
婚約破棄された令嬢が、500人に慕われるメイド長になるまでの物語。
なお元婚約者は、私のメイドたちの前で土下座中です。