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六二二
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「……何を言っている?」
尋ねたのは俺だった。
九条晃を仲間に迎えると言っているのか。
仇敵だったんじゃ無いのか?
さっきまで殺し合いをしていたんだぞ。
「……何を言っている?」
もう一度同じ言葉を口にしたのはガイだった。
「アキラは死んだんじゃ……生きているのか?」
四人とも意味が判らずに、お互いの顔を見つめ合っている。
「いや、死んでいるんだがまだ間に合いそうなんでね。戻って来てもらおうかな……なんてな」
オオムカデンダルがそう言って自分にも珈琲を要求した。
俺は仕方無くカップに珈琲を注いで、オオムカデンダルに渡した。
「間に合いそう……?戻って来てもらう……?」
ガイが子供のように言葉をオウム返しする。
たぶん意味は判っている筈だ。
ただ、信じられなくて混乱している。
「生き返らせる……って事よね。けどアキラがアナタの仲間になんてなるかしら」
ディーレが尋ねる。
やはり冷静だ。
「さあねぇ。こればっかりはやってみなければ判らんな。だから『もしも』の話だ」
オオムカデンダルは珈琲をすする。
「……もしも、嫌だと言ったら?」
「そこなんだよなぁ。お前らさ、その時は説得してくんない?こう見えてウチはクリーンな職場だぞ。労災も出るし衣食住全て込みで世界征服まで出来ちまう。冒険者よりも夢がある事は約束しよう」
何の話だ。
俺は頭を抱えた。
四人はケーキを食べるのも忘れて口が開きっぱなしになっている。
そりゃそうだ。
仇敵の言葉とは到底思えない。
だいたい何の為に甦らせるのか。
「そんな事をして、アナタに何のメリットがあるの?」
「メリット?さあ……有るような無いような」
オオムカデンダルは腕組みをして考え込んだ。
コイツ本気だ。
本気で悩んでいる。
メリットも無いのに生き返らせようと言うのか。
伊達や酔狂で秘密結社をやっているんじゃ無かろうな。
「……まあ、強いて言えば同じ世界から来た者どうしだから?」
それが理由か。
「何百年も帰りたいとさまよって、このまま死ぬのはさぞや無念だろうなーってね」
オオムカデンダルはそう言って再び珈琲をすすった。
なるほど。
哀れみと言う事か。
しかし、いくらなんでもそんな理由で生き返らせるのはどうかと思う。
「……それだけ?」
ディーレがオオムカデンダルの顔を覗きこんだ。
「いや、アキラが培った何百年分の知識は巨万の富を凌ぐ価値がある。知識やデータは我々にとって何よりも価値のある物だからな」
確かに。
カガクシャと言うのはそう言う人種なんだとオオムカデンダルは常々口にしている。
九条晃の手に入れた知識に価値を見出だしているのか。
「我々が挑んでも遂に判らなかった帰還方法を、晃は可能性だけでも見付けたと言っていた。それを聞くだけでも価値がある。まあ、聞いた上で酒の肴にしかならんかもしれんが」
その可能性の方が高そうだと思うが、それでも甦らせようと言うのか。
これは単に言い訳だな。
俺は直感的にそう思った。
そう言う理由もあると言うだけで、やはり九条晃に対する憐憫の情が大きいのではないか。
「酒の肴にしかならんかもしれんのに、甦らせると言うのか……」
バルバが呆れたような驚いたような顔をした。
「そうは言っても普通には甦らんけどな」
オオムカデンダルが言う。
尋ねたのは俺だった。
九条晃を仲間に迎えると言っているのか。
仇敵だったんじゃ無いのか?
さっきまで殺し合いをしていたんだぞ。
「……何を言っている?」
もう一度同じ言葉を口にしたのはガイだった。
「アキラは死んだんじゃ……生きているのか?」
四人とも意味が判らずに、お互いの顔を見つめ合っている。
「いや、死んでいるんだがまだ間に合いそうなんでね。戻って来てもらおうかな……なんてな」
オオムカデンダルがそう言って自分にも珈琲を要求した。
俺は仕方無くカップに珈琲を注いで、オオムカデンダルに渡した。
「間に合いそう……?戻って来てもらう……?」
ガイが子供のように言葉をオウム返しする。
たぶん意味は判っている筈だ。
ただ、信じられなくて混乱している。
「生き返らせる……って事よね。けどアキラがアナタの仲間になんてなるかしら」
ディーレが尋ねる。
やはり冷静だ。
「さあねぇ。こればっかりはやってみなければ判らんな。だから『もしも』の話だ」
オオムカデンダルは珈琲をすする。
「……もしも、嫌だと言ったら?」
「そこなんだよなぁ。お前らさ、その時は説得してくんない?こう見えてウチはクリーンな職場だぞ。労災も出るし衣食住全て込みで世界征服まで出来ちまう。冒険者よりも夢がある事は約束しよう」
何の話だ。
俺は頭を抱えた。
四人はケーキを食べるのも忘れて口が開きっぱなしになっている。
そりゃそうだ。
仇敵の言葉とは到底思えない。
だいたい何の為に甦らせるのか。
「そんな事をして、アナタに何のメリットがあるの?」
「メリット?さあ……有るような無いような」
オオムカデンダルは腕組みをして考え込んだ。
コイツ本気だ。
本気で悩んでいる。
メリットも無いのに生き返らせようと言うのか。
伊達や酔狂で秘密結社をやっているんじゃ無かろうな。
「……まあ、強いて言えば同じ世界から来た者どうしだから?」
それが理由か。
「何百年も帰りたいとさまよって、このまま死ぬのはさぞや無念だろうなーってね」
オオムカデンダルはそう言って再び珈琲をすすった。
なるほど。
哀れみと言う事か。
しかし、いくらなんでもそんな理由で生き返らせるのはどうかと思う。
「……それだけ?」
ディーレがオオムカデンダルの顔を覗きこんだ。
「いや、アキラが培った何百年分の知識は巨万の富を凌ぐ価値がある。知識やデータは我々にとって何よりも価値のある物だからな」
確かに。
カガクシャと言うのはそう言う人種なんだとオオムカデンダルは常々口にしている。
九条晃の手に入れた知識に価値を見出だしているのか。
「我々が挑んでも遂に判らなかった帰還方法を、晃は可能性だけでも見付けたと言っていた。それを聞くだけでも価値がある。まあ、聞いた上で酒の肴にしかならんかもしれんが」
その可能性の方が高そうだと思うが、それでも甦らせようと言うのか。
これは単に言い訳だな。
俺は直感的にそう思った。
そう言う理由もあると言うだけで、やはり九条晃に対する憐憫の情が大きいのではないか。
「酒の肴にしかならんかもしれんのに、甦らせると言うのか……」
バルバが呆れたような驚いたような顔をした。
「そうは言っても普通には甦らんけどな」
オオムカデンダルが言う。
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