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六三〇
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「な、なに!?」
ディーレが身構える。
俺は構わず部屋へと押し入る。
屋敷に相応しい広いキッチンだ。
だがせっかくのキッチンも、ただの屠殺場と言う雰囲気だった。
血の染みが付いていない部分を探す方が大変だ。
あらゆる場所が赤黒く染まっている。
床には鍋や寸胴が転がっている。
中に何が入っていたかは知りたくも無かった。
かまどにも巨大な寸胴が乗っている。
中から人骨らしき物が飛び出ている。
「……徹底してるな。逆にショーなんじゃないかと疑いたくなる」
俺はあまりにも惨劇の跡が酷すぎて、逆に冷静になっていた。
何だかわざとらしくさえ感じてくる。
「……!」
ルガが小さく息を呑んだ。
「笑い声……」
「笑い声?」
ルガの言葉にガイが眉をひそめる。
確かに聞こえる。
遠くで馬鹿笑いしているな。
常人の耳にはまだ聞こえないかもしれないが。
俺は次の部屋である食堂へと進む。
がちゃり
扉を開く
同時に人影が現れた。
扉の真ん前に立っている。
「きゃああ!」
ルガが飛び退く。
「おおおおおおおお……!」
うめき声なのか悲鳴なのか、人影はしがみつくように襲ってきた。
がしっ
俺は右手で相手の顔面を掴まえた。
女か?
もう判別は出来なかった。
衣服は着けておらず、皮膚は破れて骨が突出している。
腐臭が漂った。
死体か。
いやグールかゾンビか。
今となってはそんな事はもう関係が無かった。
「あががががががあ」
もはや声を発するだけで、言葉は話していない。
どうせ意識もあるまい。
みちみち……ぶちいっ!
俺は首を引きちぎって部屋の隅へと頭を投げ捨てた。
「ひぃ!な、なな、なんて事するのよ!」
ルガが涙声で訴えた。
「この手のは覚えがある。首と胴体を切り離せば体はもう動かん。頭だけ永遠に転がってるだけだ」
そうだ。
これは最初にオオムカデンダルが俺に教えてくれた事だった。
叩いても叩いてもなかなか死なないアンデッドは、相手にすると時間がかかる。
こうして無力化して放置するのが手っ取り早い。
どうせこんな屋敷に頻繁に人など来ない。
「でも万が一迷い混んでくるヤツも居るんじゃないのか?」
カルタスが疑問を口にした。
「問題ない。マンモンは今日死ぬ。この屋敷も無くなる」
俺は淡々と答えて更に進んだ。
「……うちの隊長は頼りになるねえ」
カルタスが半分呆れたように言った。
そうしてすぐに食堂へと入る。
予想していた通り、ここも酷い有り様だ。
テーブルに並べられた皿には、どれも人間の頭が乗っている。
ギョロリ
頭が眼を見開いてこっちを見た。
どう言う趣味をしてたらこんな状況になるんだ。
「ひああ!」
ディーレも堪えきれずに悲鳴を漏らす。
こりゃ女性陣は駄目だな。
使い物にならない。
戦える戦えない以前に、生理的にこの手の状況が苦手なんだろう。
仕方が無い。
なるべく俺が片付けよう。
「わははははははははは!ははははは!」
突然笑い声が聞こえて来た。
さっきの遠くで聞こえた笑い声だ。
急に近くに来たな。
どこだ。
バンッ!
扉が勢い良く開け放たれる。
「なんだ!?」
ガイとバルバが身構える。
「あはははははははは!わはははは!」
馬鹿笑いしながら突然何者かが、食堂へとなだれ込んできた。
ディーレが身構える。
俺は構わず部屋へと押し入る。
屋敷に相応しい広いキッチンだ。
だがせっかくのキッチンも、ただの屠殺場と言う雰囲気だった。
血の染みが付いていない部分を探す方が大変だ。
あらゆる場所が赤黒く染まっている。
床には鍋や寸胴が転がっている。
中に何が入っていたかは知りたくも無かった。
かまどにも巨大な寸胴が乗っている。
中から人骨らしき物が飛び出ている。
「……徹底してるな。逆にショーなんじゃないかと疑いたくなる」
俺はあまりにも惨劇の跡が酷すぎて、逆に冷静になっていた。
何だかわざとらしくさえ感じてくる。
「……!」
ルガが小さく息を呑んだ。
「笑い声……」
「笑い声?」
ルガの言葉にガイが眉をひそめる。
確かに聞こえる。
遠くで馬鹿笑いしているな。
常人の耳にはまだ聞こえないかもしれないが。
俺は次の部屋である食堂へと進む。
がちゃり
扉を開く
同時に人影が現れた。
扉の真ん前に立っている。
「きゃああ!」
ルガが飛び退く。
「おおおおおおおお……!」
うめき声なのか悲鳴なのか、人影はしがみつくように襲ってきた。
がしっ
俺は右手で相手の顔面を掴まえた。
女か?
もう判別は出来なかった。
衣服は着けておらず、皮膚は破れて骨が突出している。
腐臭が漂った。
死体か。
いやグールかゾンビか。
今となってはそんな事はもう関係が無かった。
「あががががががあ」
もはや声を発するだけで、言葉は話していない。
どうせ意識もあるまい。
みちみち……ぶちいっ!
俺は首を引きちぎって部屋の隅へと頭を投げ捨てた。
「ひぃ!な、なな、なんて事するのよ!」
ルガが涙声で訴えた。
「この手のは覚えがある。首と胴体を切り離せば体はもう動かん。頭だけ永遠に転がってるだけだ」
そうだ。
これは最初にオオムカデンダルが俺に教えてくれた事だった。
叩いても叩いてもなかなか死なないアンデッドは、相手にすると時間がかかる。
こうして無力化して放置するのが手っ取り早い。
どうせこんな屋敷に頻繁に人など来ない。
「でも万が一迷い混んでくるヤツも居るんじゃないのか?」
カルタスが疑問を口にした。
「問題ない。マンモンは今日死ぬ。この屋敷も無くなる」
俺は淡々と答えて更に進んだ。
「……うちの隊長は頼りになるねえ」
カルタスが半分呆れたように言った。
そうしてすぐに食堂へと入る。
予想していた通り、ここも酷い有り様だ。
テーブルに並べられた皿には、どれも人間の頭が乗っている。
ギョロリ
頭が眼を見開いてこっちを見た。
どう言う趣味をしてたらこんな状況になるんだ。
「ひああ!」
ディーレも堪えきれずに悲鳴を漏らす。
こりゃ女性陣は駄目だな。
使い物にならない。
戦える戦えない以前に、生理的にこの手の状況が苦手なんだろう。
仕方が無い。
なるべく俺が片付けよう。
「わははははははははは!ははははは!」
突然笑い声が聞こえて来た。
さっきの遠くで聞こえた笑い声だ。
急に近くに来たな。
どこだ。
バンッ!
扉が勢い良く開け放たれる。
「なんだ!?」
ガイとバルバが身構える。
「あはははははははは!わはははは!」
馬鹿笑いしながら突然何者かが、食堂へとなだれ込んできた。
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