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六四一
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「やったのか……?」
ガイが空を見上げる。
ボトッ
ボトッボトッ
肉片が大小様々な塊でそこかしこに降り注ぐ。
気持ち悪いが仕方が無い。
それよりも、みんなは無事か。
「カルタス!おい、カルタス!」
オレコがカルタスの頬を平手打ちする。
まあ、こっちは大丈夫だろう。
バルバとディーレはどうだ。
「バルバ!ディーレ!」
こっちもルガが必死に二人を起こそうとしている。
消化液まみれだが、丁度良い。
この雨が洗い流してくれそうだ。
「う……うう」
バルバが目を開いた。
「大丈夫か?」
ガイが顔を覗き込む。
「あ、ああ」
バルバが頭を振った。
「どうやって助かったんだ?」
バルバが不思議そうにガイの顔を見た。
ガイは答えに詰まって黙ってしまった。
「アタシとガイとレオでやっつけたんだよ」
ルガが嬉しそうに言う。
「レオも……」
バルバが俺を見た。
「そうか……済まなかった」
「謝る事なんかねえよ!」
ガイがバルバの謝罪を打ち消した。
「しかし……」
「あの女の化け物を倒したついでに助けたんだ。そうだろ?」
挑戦的な態度でガイが俺を見る。
ま、ついでかどうかはともかく、倒す必要があったのは間違いない。
助かったのだから途中はどうでも良かろう。
「ガイの言う通りだ。礼は別に良い」
俺はそう言うとカルタスの所へ戻った。
「カルタス。どうだ、大丈夫そうか」
丁度目を覚ましたカルタスに声を掛ける。
「……お、おお。何だか少しぼーっとするけどな」
毒ガスの影響がまだ少し残っていそうだが、問題は無さそうだ。
「カルタス様!」
トラゴスがカルタスに飛び付く。
「ぐっ!よせ……頭が痛い」
カルタスがそう言ってもトラゴスは離れない。
こっちも少し時間が掛かるな。
俺はやれやれと立ち上がった。
この先は本丸だ。
おそらくマンモンが居る。
悪魔の中の悪魔と言うが、そもそも悪魔にピンと来ない。
「心配してるの?」
ルガが話し掛けてきた。
珍しいな。
「ん、まあそうだな」
「大丈夫だよ。殴れるなら勝てるよ」
ルガがそう言った。
そう言えばルガは幽霊のような物は殴れないから怖いと言っていたな。
つまり物理攻撃が効かない相手は怖いと言う意味なんだろう。
言わんとしている事は俺にも判る。
悪魔が手で触れられないような稀薄な存在なら、勝ち目は薄いな。
殴り合いなら良い線行く気がする。
相手が魔法攻撃特化だとどうだろうか。
改造人間の防御力でどれほど戦えるかが鍵か。
「そうだな。魔法が鍵になったら俺の出番はあまり無い。その時は宜しく頼む」
俺はルガにそう言った。
「判った!任せておいて!」
どうやらルガの俺に対する敵対心は、ずいぶんと薄れたようだな。
まあ、良かった。
俺はそろそろ先を進むべきだと判断した。
俺たちの存在はどうせバレているだろう。
相手に時間をくれてやる必要など無い。
「そろそろ行くぞ」
俺はそう言うと、歩きだした。
ガイが空を見上げる。
ボトッ
ボトッボトッ
肉片が大小様々な塊でそこかしこに降り注ぐ。
気持ち悪いが仕方が無い。
それよりも、みんなは無事か。
「カルタス!おい、カルタス!」
オレコがカルタスの頬を平手打ちする。
まあ、こっちは大丈夫だろう。
バルバとディーレはどうだ。
「バルバ!ディーレ!」
こっちもルガが必死に二人を起こそうとしている。
消化液まみれだが、丁度良い。
この雨が洗い流してくれそうだ。
「う……うう」
バルバが目を開いた。
「大丈夫か?」
ガイが顔を覗き込む。
「あ、ああ」
バルバが頭を振った。
「どうやって助かったんだ?」
バルバが不思議そうにガイの顔を見た。
ガイは答えに詰まって黙ってしまった。
「アタシとガイとレオでやっつけたんだよ」
ルガが嬉しそうに言う。
「レオも……」
バルバが俺を見た。
「そうか……済まなかった」
「謝る事なんかねえよ!」
ガイがバルバの謝罪を打ち消した。
「しかし……」
「あの女の化け物を倒したついでに助けたんだ。そうだろ?」
挑戦的な態度でガイが俺を見る。
ま、ついでかどうかはともかく、倒す必要があったのは間違いない。
助かったのだから途中はどうでも良かろう。
「ガイの言う通りだ。礼は別に良い」
俺はそう言うとカルタスの所へ戻った。
「カルタス。どうだ、大丈夫そうか」
丁度目を覚ましたカルタスに声を掛ける。
「……お、おお。何だか少しぼーっとするけどな」
毒ガスの影響がまだ少し残っていそうだが、問題は無さそうだ。
「カルタス様!」
トラゴスがカルタスに飛び付く。
「ぐっ!よせ……頭が痛い」
カルタスがそう言ってもトラゴスは離れない。
こっちも少し時間が掛かるな。
俺はやれやれと立ち上がった。
この先は本丸だ。
おそらくマンモンが居る。
悪魔の中の悪魔と言うが、そもそも悪魔にピンと来ない。
「心配してるの?」
ルガが話し掛けてきた。
珍しいな。
「ん、まあそうだな」
「大丈夫だよ。殴れるなら勝てるよ」
ルガがそう言った。
そう言えばルガは幽霊のような物は殴れないから怖いと言っていたな。
つまり物理攻撃が効かない相手は怖いと言う意味なんだろう。
言わんとしている事は俺にも判る。
悪魔が手で触れられないような稀薄な存在なら、勝ち目は薄いな。
殴り合いなら良い線行く気がする。
相手が魔法攻撃特化だとどうだろうか。
改造人間の防御力でどれほど戦えるかが鍵か。
「そうだな。魔法が鍵になったら俺の出番はあまり無い。その時は宜しく頼む」
俺はルガにそう言った。
「判った!任せておいて!」
どうやらルガの俺に対する敵対心は、ずいぶんと薄れたようだな。
まあ、良かった。
俺はそろそろ先を進むべきだと判断した。
俺たちの存在はどうせバレているだろう。
相手に時間をくれてやる必要など無い。
「そろそろ行くぞ」
俺はそう言うと、歩きだした。
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