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六四四
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ひゅっ
バキイッ!
横から飛んできたテーブルを裏拳で叩き壊す。
ひゅっ
ひゅひゅっひゅっ
次々に物が飛んでくる。
全方位からだ。
ヒステリー起こした女房かと言うほど、手当たり次第に飛んでくる。
ばきっ!
がっ!きんっ!ばん!
椅子に座ったまま次から次に飛んでくるあらゆる物を、全て叩き返した。
ハッキリ言えば食らった所でどうと言う事も無い。
所詮は木製の家具がほとんどだ。
せいぜいが金属製の銀食器か。
生身のカルタスたちが食らえばそれなりに危険だろうが、改造人間の俺には水を入れた革袋がぶつかる程度の物だった。
だが、ここはマンモンに判らせてやる必要がある。
出てこい。
正面からぶつかる事を望んでいるのだと。
こんな姑息な攻撃など効かないのだ。
びゅんっ!
壁に掛かっていた巨大な肖像画が、突然壁から剥がれるように動き出す。
それが至近距離から飛んできた。
速い。
がきっ!
しかし、それを手のひらで受け止めた。
「くくく……やるな」
絵画の男がしゃべった。
「お前はそれほどでも無いな。こんな物か」
俺はマンモンを挑発した。
「くく。調子に乗るなよ小僧め。我に何用だ」
「貴様の心臓をもらい受ける」
「なに?」
俺の言葉にマンモンが驚く。
「何故だ」
「ある男にくれてやるんだとよ。詳しくは知らんが」
「我の心の臓を人間に捧げるだと……ふざけおって」
「いや、大真面目よ」
バキイッ!
そう言って俺は肖像画を真っ二つにへし折った。
「面白い。ならば来るが良い。この奥だ。後悔するなよ」
「俺を今までの人間と同じに思わない方が良いぞ」
俺はそう言って椅子から立ち上がると、割れた肖像画を踏みつけて先へと進む。
「アイツ……貫禄が増したな」
カルタスが感心したように言った。
「隊長としての自覚が芽生えたんじゃない?」
オレコが言う。
勝手な事を言っているな。
別に自覚云々する訳では無いが、出来る事ならこの四人とは戦いたく無いだけだ。
もしも彼らが仲間になるなら、それはそれで問題が減る。
以前なら秘密結社の片棒を担げとは言わなかっただろう。
だが今はそう悪い選択肢では無いように思えた。
世の中には秘密結社なんぞより捻じ曲がっている物がある。
それは常識的な手段では元には戻せない事ばかりだ。
だったら、非常識な手段で対抗する。
それが秘密結社ネオジョルトなのだと最近思うようになった。
世の善悪など誰かが決めた物だとすれば、それで救われない者はどうすれば良いのか。
その答えは、オオムカデンダルたちネオジョルトが知っている筈だ。
俺はそう考えていた。
がちゃり
扉を開く。
これは礼拝室か。
この大きさは、もはや礼拝堂だ。
厳かな雰囲気を醸しているが、やはり不気味な気配が漂う。
ここがマンモンの言う奥なのか。
先へ進むと礼拝室の一番奥に祭壇がある。
その壁には星が逆さまに掛けられている。
「五芒星が逆さまに……」
ディーレが呟く。
「神のシンボルを逆さまにするとは……」
バルバが怒りを露にする。
バルバはモンクだ、神に使える拳士である。
これは彼にとっては許されざる事だった。
「マンモンめ……!」
バルバが歯軋りをした。
バキイッ!
横から飛んできたテーブルを裏拳で叩き壊す。
ひゅっ
ひゅひゅっひゅっ
次々に物が飛んでくる。
全方位からだ。
ヒステリー起こした女房かと言うほど、手当たり次第に飛んでくる。
ばきっ!
がっ!きんっ!ばん!
椅子に座ったまま次から次に飛んでくるあらゆる物を、全て叩き返した。
ハッキリ言えば食らった所でどうと言う事も無い。
所詮は木製の家具がほとんどだ。
せいぜいが金属製の銀食器か。
生身のカルタスたちが食らえばそれなりに危険だろうが、改造人間の俺には水を入れた革袋がぶつかる程度の物だった。
だが、ここはマンモンに判らせてやる必要がある。
出てこい。
正面からぶつかる事を望んでいるのだと。
こんな姑息な攻撃など効かないのだ。
びゅんっ!
壁に掛かっていた巨大な肖像画が、突然壁から剥がれるように動き出す。
それが至近距離から飛んできた。
速い。
がきっ!
しかし、それを手のひらで受け止めた。
「くくく……やるな」
絵画の男がしゃべった。
「お前はそれほどでも無いな。こんな物か」
俺はマンモンを挑発した。
「くく。調子に乗るなよ小僧め。我に何用だ」
「貴様の心臓をもらい受ける」
「なに?」
俺の言葉にマンモンが驚く。
「何故だ」
「ある男にくれてやるんだとよ。詳しくは知らんが」
「我の心の臓を人間に捧げるだと……ふざけおって」
「いや、大真面目よ」
バキイッ!
そう言って俺は肖像画を真っ二つにへし折った。
「面白い。ならば来るが良い。この奥だ。後悔するなよ」
「俺を今までの人間と同じに思わない方が良いぞ」
俺はそう言って椅子から立ち上がると、割れた肖像画を踏みつけて先へと進む。
「アイツ……貫禄が増したな」
カルタスが感心したように言った。
「隊長としての自覚が芽生えたんじゃない?」
オレコが言う。
勝手な事を言っているな。
別に自覚云々する訳では無いが、出来る事ならこの四人とは戦いたく無いだけだ。
もしも彼らが仲間になるなら、それはそれで問題が減る。
以前なら秘密結社の片棒を担げとは言わなかっただろう。
だが今はそう悪い選択肢では無いように思えた。
世の中には秘密結社なんぞより捻じ曲がっている物がある。
それは常識的な手段では元には戻せない事ばかりだ。
だったら、非常識な手段で対抗する。
それが秘密結社ネオジョルトなのだと最近思うようになった。
世の善悪など誰かが決めた物だとすれば、それで救われない者はどうすれば良いのか。
その答えは、オオムカデンダルたちネオジョルトが知っている筈だ。
俺はそう考えていた。
がちゃり
扉を開く。
これは礼拝室か。
この大きさは、もはや礼拝堂だ。
厳かな雰囲気を醸しているが、やはり不気味な気配が漂う。
ここがマンモンの言う奥なのか。
先へ進むと礼拝室の一番奥に祭壇がある。
その壁には星が逆さまに掛けられている。
「五芒星が逆さまに……」
ディーレが呟く。
「神のシンボルを逆さまにするとは……」
バルバが怒りを露にする。
バルバはモンクだ、神に使える拳士である。
これは彼にとっては許されざる事だった。
「マンモンめ……!」
バルバが歯軋りをした。
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