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六七一
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話しかけられている人物は女か。
戦場に女を連れて来るとは。
女性兵士が居ない訳では無いが、かなり珍しい。
しかも装備を見る限りかなりの身分だ。
青い鎧。
藍眼鉱だ。
貴族か、将軍クラスか。
やがて俺と王国軍は目の前まで迫った。
「来るなと言った筈だ。警告なしで攻撃するともな。見ろ、向こうはお前らを殺す気満々だ」
俺は後方のオニヤンマイザーをアゴで指し示した。
隊長が生唾を呑み込む。
「あ、違うんだ、話を聞……」
「黙りなさい」
「は……ハッ」
発言を認められなかった隊長は、すぐに黙ってかしこまる。
どんな身分なんだ、この女は。
「お前がネオジョルトか?」
「……そうだ」
俺は返事をしながらも女の素性を推理した。
藍眼鉱の鎧。
腰にぶら下げた剣は豪華な装飾が施されている。
しかし、ただの飾りと言う感じはしない。
かなり使い込まれている。
実用的だな。
「……ふん」
女は馬上から俺を見据えた。
「話はそこの隊長から聞いたと思うが……ひょっとしてまだなのか?」
俺は女と隊長のどちらへとも無く尋ねた。
「話なら聞いた。だから来たのだ」
なんだ。
こっちもやる気満々だな。
死ぬとも知らずに良くやる。
「……判った。気は進まんがこっちも命令なんでな。全員覚悟してもらおうか」
俺はそう言うと脚を開いて低く構えた。
一瞬で飛び出し、最初の一撃でこの女は死ぬ。
ついでに十人ばかり叩きのめせば帰ってくれるか。
「レオ。手加減はするな。必ず全滅させたまえ」
オニヤンマイザーの声が通信越しに聞こえる。
俺の魂胆は見透かされているな。
見逃すなと釘を刺された。
こうなっては是非も無い。
不本意だが全員殺すしか無かった。
「せめて一瞬で殺してやる……」
いつの間にか悪党のセリフを呟いていた。
まあ、悪党の一味だから間違ってはいない。
でも何だかショックだ。
「ま、まて!待ってくれ!俺たちは戦いに来たのでは無い!だから約束を破った事にはならん!」
隊長が堪り兼ねて飛び出して来た。
危なく反応して隊長の首をはねそうになってしまった。
タイミングの悪い男だ。
「貴様!黙っておれと申したであろう!」
女が激昂して隊長を叱りつける。
「判っております。しかし、試すような真似はお止め下さい。命が幾つ有っても足りませぬ」
試す?
俺をか?
いや、ネオジョルトをか。
「今なら何とか間に合う。試すのは止めておけ。試しで殺されたら意味無いだろ」
俺は女に言った。
「……ふぅ」
女は深く溜め息を吐くと、ゆっくりと馬上から降りてきた。
「では、試しだと判った上で手合わせ願いたい」
なんだと。
「なぜ?」
「理由は、こちらが納得したら説明しよう」
偉そうに。
納得した時には死んでいるぞ。
「……死んでも文句は言わんな?」
「ああ、言わぬ」
女はそう言って剣を抜いた。
たいした覚悟だな。
この身分の人間がそれほどの覚悟でやって来たのか。
「良いだろう。だが、アンタを試すのは俺の方だ」
そう言って俺は再び素手で構えた。
戦場に女を連れて来るとは。
女性兵士が居ない訳では無いが、かなり珍しい。
しかも装備を見る限りかなりの身分だ。
青い鎧。
藍眼鉱だ。
貴族か、将軍クラスか。
やがて俺と王国軍は目の前まで迫った。
「来るなと言った筈だ。警告なしで攻撃するともな。見ろ、向こうはお前らを殺す気満々だ」
俺は後方のオニヤンマイザーをアゴで指し示した。
隊長が生唾を呑み込む。
「あ、違うんだ、話を聞……」
「黙りなさい」
「は……ハッ」
発言を認められなかった隊長は、すぐに黙ってかしこまる。
どんな身分なんだ、この女は。
「お前がネオジョルトか?」
「……そうだ」
俺は返事をしながらも女の素性を推理した。
藍眼鉱の鎧。
腰にぶら下げた剣は豪華な装飾が施されている。
しかし、ただの飾りと言う感じはしない。
かなり使い込まれている。
実用的だな。
「……ふん」
女は馬上から俺を見据えた。
「話はそこの隊長から聞いたと思うが……ひょっとしてまだなのか?」
俺は女と隊長のどちらへとも無く尋ねた。
「話なら聞いた。だから来たのだ」
なんだ。
こっちもやる気満々だな。
死ぬとも知らずに良くやる。
「……判った。気は進まんがこっちも命令なんでな。全員覚悟してもらおうか」
俺はそう言うと脚を開いて低く構えた。
一瞬で飛び出し、最初の一撃でこの女は死ぬ。
ついでに十人ばかり叩きのめせば帰ってくれるか。
「レオ。手加減はするな。必ず全滅させたまえ」
オニヤンマイザーの声が通信越しに聞こえる。
俺の魂胆は見透かされているな。
見逃すなと釘を刺された。
こうなっては是非も無い。
不本意だが全員殺すしか無かった。
「せめて一瞬で殺してやる……」
いつの間にか悪党のセリフを呟いていた。
まあ、悪党の一味だから間違ってはいない。
でも何だかショックだ。
「ま、まて!待ってくれ!俺たちは戦いに来たのでは無い!だから約束を破った事にはならん!」
隊長が堪り兼ねて飛び出して来た。
危なく反応して隊長の首をはねそうになってしまった。
タイミングの悪い男だ。
「貴様!黙っておれと申したであろう!」
女が激昂して隊長を叱りつける。
「判っております。しかし、試すような真似はお止め下さい。命が幾つ有っても足りませぬ」
試す?
俺をか?
いや、ネオジョルトをか。
「今なら何とか間に合う。試すのは止めておけ。試しで殺されたら意味無いだろ」
俺は女に言った。
「……ふぅ」
女は深く溜め息を吐くと、ゆっくりと馬上から降りてきた。
「では、試しだと判った上で手合わせ願いたい」
なんだと。
「なぜ?」
「理由は、こちらが納得したら説明しよう」
偉そうに。
納得した時には死んでいるぞ。
「……死んでも文句は言わんな?」
「ああ、言わぬ」
女はそう言って剣を抜いた。
たいした覚悟だな。
この身分の人間がそれほどの覚悟でやって来たのか。
「良いだろう。だが、アンタを試すのは俺の方だ」
そう言って俺は再び素手で構えた。
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