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六七四
「とうっ!」
俺は体を捻ってキックを叩き込む。
「くっ……!」
ヴァルキリーはとっさに腕を組んで十字に受けた。
どがっ!
「ぐあっ!」
十字受けで受け止めたとは言え、ヴァルキリーの体は派手に吹っ飛んだ。
いや、とっさに自ら後ろへ飛んだのだ。
手応えが弱い。
「ぐぅっ……腕が……折れたか」
やはり威力が不十分か。
しかし、それでも腕は折れた。
トドメだ。
「待たんかバカタレ」
オオムカデンダルがまた割って入って来た。
「プニーフタールは俺の案件だ。例えアンタでも口出しは無用」
俺は構わずヴァルキリーに襲い掛かる。
「聞け!これは命令だ!」
オオムカデンダルが厳しい口調で言う。
くそっ。
何故止めるんだ。
世界征服とは関係あるまい。
「そうはいかん。奴らは明らかにネオジョルトを敵視している。ならばこれはネオジョルトの案件だ」
ちっ。
都合の良い事を言う。
だが、そう言われては呑み込むしか無かった。
「まあ、そうムクれるな。悪いようにはしない」
オオムカデンダルはそう言うと俺をなだめた。
「……どうした。私を殺さないのか」
「上司が殺すなとさ。管理職は辛いぜ」
ヴァルキリーは俺を見上げるようにそう言った。
「上司だと?」
「ネオジョルトの幹部の一人、オオムカデンダルだ。ちなみに向こうに居るのが同じく幹部のオニヤンマイザーだ」
俺はオニヤンマイザーを一目振り返るとそう言った。
「あれが幹部……お前は幹部では無いのか?」
「違う。俺は行動隊長と言う事になっている。とは言え、彼らに比べれば雑魚扱いも良い所だがな」
「お前が雑魚扱いだと……悪い冗談だ」
そこへオニヤンマイザーが現れた。
「で、ヴァルキリーってのはアンタか?」
オニヤンマイザーが値踏みをするようにヴァルキリーを眺めた。
どうせ研究対象として価値があるかどうかを考えているに違いない。
「そうだ」
「一応話だけは聞こう。ただし返答次第では死ぬ事になるがね」
オニヤンマイザーはサラリと言った。
普通に言ったが、これで本気だから恐ろしい。
「アキラに会いたい。話をさせてくれ」
オニヤンマイザーが腕を組んでアゴを触った。
「九条晃かい?何の用だ」
「それは……ここでは言えん」
「そうか、ならば死ね」
「!?」
結論が早過ぎるだろ。
だったら俺がトドメを刺しても良かった筈だ。
「ま、待て!判った!」
ヴァルキリーは慌てて意見を翻した。
女神を恫喝するなど前代未聞だ。
殺そうとしておいて何だが、女神も一応死ぬんだな。
「私はプニーフタールを甦らせるグループに属している。アキラも同じだ。だが死んだと思ったアキラは生きていて、お前たちの仲間になったと情報が入った」
そんな事まで知っているのか。
どうやってそんな情報を手に入れているのか。
うちに内通者が居るとも思えないが。
「それで?」
「私も仲間に入れてくれ。アキラと話をさせてくれ」
突飛すぎやしないか。
そんな簡単に右から左へ立場を変えられる物かね。
「と言っているが?」
オニヤンマイザーがオオムカデンダルに言った。
「はっはっはっはっ。女神ってのは面白いな。ユーモアも神の思し召しってか」
オオムカデンダルは呑気に笑った。
笑っている場合か。
「ちょっと晃に聞いてみよう。管理人、晃をここへ呼んでくれ」
オオムカデンダルがそう言った。
俺は体を捻ってキックを叩き込む。
「くっ……!」
ヴァルキリーはとっさに腕を組んで十字に受けた。
どがっ!
「ぐあっ!」
十字受けで受け止めたとは言え、ヴァルキリーの体は派手に吹っ飛んだ。
いや、とっさに自ら後ろへ飛んだのだ。
手応えが弱い。
「ぐぅっ……腕が……折れたか」
やはり威力が不十分か。
しかし、それでも腕は折れた。
トドメだ。
「待たんかバカタレ」
オオムカデンダルがまた割って入って来た。
「プニーフタールは俺の案件だ。例えアンタでも口出しは無用」
俺は構わずヴァルキリーに襲い掛かる。
「聞け!これは命令だ!」
オオムカデンダルが厳しい口調で言う。
くそっ。
何故止めるんだ。
世界征服とは関係あるまい。
「そうはいかん。奴らは明らかにネオジョルトを敵視している。ならばこれはネオジョルトの案件だ」
ちっ。
都合の良い事を言う。
だが、そう言われては呑み込むしか無かった。
「まあ、そうムクれるな。悪いようにはしない」
オオムカデンダルはそう言うと俺をなだめた。
「……どうした。私を殺さないのか」
「上司が殺すなとさ。管理職は辛いぜ」
ヴァルキリーは俺を見上げるようにそう言った。
「上司だと?」
「ネオジョルトの幹部の一人、オオムカデンダルだ。ちなみに向こうに居るのが同じく幹部のオニヤンマイザーだ」
俺はオニヤンマイザーを一目振り返るとそう言った。
「あれが幹部……お前は幹部では無いのか?」
「違う。俺は行動隊長と言う事になっている。とは言え、彼らに比べれば雑魚扱いも良い所だがな」
「お前が雑魚扱いだと……悪い冗談だ」
そこへオニヤンマイザーが現れた。
「で、ヴァルキリーってのはアンタか?」
オニヤンマイザーが値踏みをするようにヴァルキリーを眺めた。
どうせ研究対象として価値があるかどうかを考えているに違いない。
「そうだ」
「一応話だけは聞こう。ただし返答次第では死ぬ事になるがね」
オニヤンマイザーはサラリと言った。
普通に言ったが、これで本気だから恐ろしい。
「アキラに会いたい。話をさせてくれ」
オニヤンマイザーが腕を組んでアゴを触った。
「九条晃かい?何の用だ」
「それは……ここでは言えん」
「そうか、ならば死ね」
「!?」
結論が早過ぎるだろ。
だったら俺がトドメを刺しても良かった筈だ。
「ま、待て!判った!」
ヴァルキリーは慌てて意見を翻した。
女神を恫喝するなど前代未聞だ。
殺そうとしておいて何だが、女神も一応死ぬんだな。
「私はプニーフタールを甦らせるグループに属している。アキラも同じだ。だが死んだと思ったアキラは生きていて、お前たちの仲間になったと情報が入った」
そんな事まで知っているのか。
どうやってそんな情報を手に入れているのか。
うちに内通者が居るとも思えないが。
「それで?」
「私も仲間に入れてくれ。アキラと話をさせてくれ」
突飛すぎやしないか。
そんな簡単に右から左へ立場を変えられる物かね。
「と言っているが?」
オニヤンマイザーがオオムカデンダルに言った。
「はっはっはっはっ。女神ってのは面白いな。ユーモアも神の思し召しってか」
オオムカデンダルは呑気に笑った。
笑っている場合か。
「ちょっと晃に聞いてみよう。管理人、晃をここへ呼んでくれ」
オオムカデンダルがそう言った。
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