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六七八
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一番高い木よりも更に高く登ると、オニヤンマイザーは空中で静止した。
「管理人。ネガフォトンライフルだ」
「了解しました」
オニヤンマイザーは頭上に手を伸ばすと、そこに何かが出現した。
オオムカデンダルのセンチピードランチャーと同じか。
オニヤンマイザーは出現した武器を手に取ると、それを脇に抱えて遠くを見た。
あれは、銃か。
長いな。
あんなに長い銃は初めて見る。
遠くをひとしきり見ていたオニヤンマイザーが、銃を構えて狙いを定めた。
ボウッ!
低い音と共に筒先が光を放つ。
まばゆい光の線が一直線に筒先から伸びて、どこまでもまっすぐに飛んでいく。
「ふん。他愛も無い」
オニヤンマイザーはそう言うと、ストンと降りてきた。
「倒したぞ」
なんだと。
いくら何でもそんな筈が無い。
「は……?いや、馬鹿な……」
ヴァルキリーも理解できずに困惑している。
「ちょっと待て。嘘を吐くな。そんな嘘でごまかそうと言うのか!」
「そう思うのなら確かめて来るが良い。確認が取れたらお前には協力してもらう。恩に着ると約束したのだからな」
オニヤンマイザーはそう言うと、興味を失ったように背を向けた。
彼の興味はジャバウォックとヒポグリフを持って帰る事へと移っている。
「そんな……馬鹿な……」
まあ、信じない訳ではないが、さすがに今回は簡単が過ぎるだろう。
俺も確認してみたくなった。
「俺も確認してくる」
俺は九条晃にそう告げると、予想の地点まで走った。
後ろから馬に乗ったヴァルキリーが追走してくる。
軍の最後尾から襲撃を受けていた筈だ。
距離は結構あるが、俺はとにかくそこを目指して走った。
「あれか」
兵士たちが混乱に陥っている側を駆け抜け、兵士たちが遠巻きになっている場所へと走り寄った。
兵士たちが集まっている場所から十数メートルほどの所に、何かが横たわっている。
これがリッチか。
俺は初めて見るリッチにゆっくりと歩み寄る。
黒いローブを身にまとった人間らしきモノ。
俺は真上から顔を覗き込む。
骸骨だ。
ローブの下には骸骨があった。
アンデッドはだいたい骸骨だな。
肉体の生死が意味を持たない以上、この姿は必然なのかもしれない。
種族的に血肉を持ったアンデッドも居るには居るが、元人間ならばこんなモノだろう。
しかし。
こんな一撃で倒せるものなのか。
「……まさか、本当に倒してしまうとはな」
追い付いたヴァルキリーが横で唸った。
「感じるか?死んでも尚、強い負の力を発散し続けている。普通の人間ならば近付いただけでも命を落としかねない」
俺は改造人間だからかあまり影響が無いが、確かに何らかの力は感じる。
死んでもこれなら、リッチが生きていたら、改造人間でも命が無くなるかもしれないのか。
「このままには出来ん。アンタたちで埋めておいてくれ」
俺はそう言うと、その場を離れた。
リッチの額に金貨大の穴が開いていた。
あれが銃で射たれた痕に違いない。
近付けないから遠くから一方的に攻撃を加えたのだ。
理屈は判るが、それで倒せるなら弓でも魔法でも良かった筈だ。
だが、今までそれでリッチを倒せたと言う話は無い。
リッチだって馬鹿では無いのだ。
その程度の攻撃などいくらでも無効化しているに決まっている。
リッチが使う超高度な防護魔法をも貫いて倒したのか。
どんな力だ。
「ドラゴンの鱗も貫きかねんな……」
俺は背筋に冷たいものを感じた。
「管理人。ネガフォトンライフルだ」
「了解しました」
オニヤンマイザーは頭上に手を伸ばすと、そこに何かが出現した。
オオムカデンダルのセンチピードランチャーと同じか。
オニヤンマイザーは出現した武器を手に取ると、それを脇に抱えて遠くを見た。
あれは、銃か。
長いな。
あんなに長い銃は初めて見る。
遠くをひとしきり見ていたオニヤンマイザーが、銃を構えて狙いを定めた。
ボウッ!
低い音と共に筒先が光を放つ。
まばゆい光の線が一直線に筒先から伸びて、どこまでもまっすぐに飛んでいく。
「ふん。他愛も無い」
オニヤンマイザーはそう言うと、ストンと降りてきた。
「倒したぞ」
なんだと。
いくら何でもそんな筈が無い。
「は……?いや、馬鹿な……」
ヴァルキリーも理解できずに困惑している。
「ちょっと待て。嘘を吐くな。そんな嘘でごまかそうと言うのか!」
「そう思うのなら確かめて来るが良い。確認が取れたらお前には協力してもらう。恩に着ると約束したのだからな」
オニヤンマイザーはそう言うと、興味を失ったように背を向けた。
彼の興味はジャバウォックとヒポグリフを持って帰る事へと移っている。
「そんな……馬鹿な……」
まあ、信じない訳ではないが、さすがに今回は簡単が過ぎるだろう。
俺も確認してみたくなった。
「俺も確認してくる」
俺は九条晃にそう告げると、予想の地点まで走った。
後ろから馬に乗ったヴァルキリーが追走してくる。
軍の最後尾から襲撃を受けていた筈だ。
距離は結構あるが、俺はとにかくそこを目指して走った。
「あれか」
兵士たちが混乱に陥っている側を駆け抜け、兵士たちが遠巻きになっている場所へと走り寄った。
兵士たちが集まっている場所から十数メートルほどの所に、何かが横たわっている。
これがリッチか。
俺は初めて見るリッチにゆっくりと歩み寄る。
黒いローブを身にまとった人間らしきモノ。
俺は真上から顔を覗き込む。
骸骨だ。
ローブの下には骸骨があった。
アンデッドはだいたい骸骨だな。
肉体の生死が意味を持たない以上、この姿は必然なのかもしれない。
種族的に血肉を持ったアンデッドも居るには居るが、元人間ならばこんなモノだろう。
しかし。
こんな一撃で倒せるものなのか。
「……まさか、本当に倒してしまうとはな」
追い付いたヴァルキリーが横で唸った。
「感じるか?死んでも尚、強い負の力を発散し続けている。普通の人間ならば近付いただけでも命を落としかねない」
俺は改造人間だからかあまり影響が無いが、確かに何らかの力は感じる。
死んでもこれなら、リッチが生きていたら、改造人間でも命が無くなるかもしれないのか。
「このままには出来ん。アンタたちで埋めておいてくれ」
俺はそう言うと、その場を離れた。
リッチの額に金貨大の穴が開いていた。
あれが銃で射たれた痕に違いない。
近付けないから遠くから一方的に攻撃を加えたのだ。
理屈は判るが、それで倒せるなら弓でも魔法でも良かった筈だ。
だが、今までそれでリッチを倒せたと言う話は無い。
リッチだって馬鹿では無いのだ。
その程度の攻撃などいくらでも無効化しているに決まっている。
リッチが使う超高度な防護魔法をも貫いて倒したのか。
どんな力だ。
「ドラゴンの鱗も貫きかねんな……」
俺は背筋に冷たいものを感じた。
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