見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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六八二

「と、なればだ。バルログってのが出てくるのを待つか、こっちから押し掛けるかだが……」

 俺は少し嫌な予感がする。
まさかそんな事は無いだろうと信じたいが、オオムカデンダルのヘソの曲がり具合は他に類を見ない。
おかしな事を言い出さない保証は無かった。

「その前に、プニーフタールを見てみたくないか?」

「見たくない」

「えぇ、じゃあフィエステリアームは?」

「別に興味ない」

 やっぱり言い出したか。

 だが、俺とフィエステリアームに立て続けに袖にされた。
蜻蛉洲は居ない。
令子も居ない。
令子はたぶん街に出ている。
諦めろ。

「管理人、蜻蛉洲だ」

「判りました。少々お待ち下さい」

 管理人の返事があって数秒後、天井から蜻蛉洲の声が聞こえる。
毎度の事だが、どこから声が聞こえてくるのか不思議だ。

「なんだ。今忙しいんだが」

「あのさ、プニーフタールに興味ないか?」

「……プニーフタールに?特に無いが」

 良し。

「それがさー、宇宙人らしいんだよねー」

「宇宙人?なんだそれは。どう言う情報だ」

 オオムカデンダルは蜻蛉洲に説明した。

「……だが確証はあるまい。復活した場合のリスクも大き過ぎる。大災害レベルの被害が予想されるぞ。しかも倒せない限りそれが延々と続く」

「倒せるって」

 根拠があるのか疑わしいな。

「俺たちだって宇宙生物には、さすがにお目に掛かった事は無いんだぞ。ロマンを感じるだろうが」

「それは否定しないが、リスクが大きいと言っている。口だけで大丈夫と言われても、僕はにわかには信じられないね」

 さすがは蜻蛉洲だ。
頑張れ。

 プニーフタールは復活などさせん。
それを目論むバルログは倒す。

 相当な強敵だと予想されるが、プニーフタールよりはマシだろう。
どんな犠牲を払ってでもバルログさえ倒せれば、あんな物を甦らせようなどという馬鹿な奴はもう居ない筈だ。

 たぶん。

「とにかく僕は反対だ。 用件がそれだけなら切るぞ」

 蜻蛉洲は心ここに有らずと言った感じで、通信を切りたがった。

「俺は賛成だが」

 その時、九条晃が口を挟んだ。
何を言い出す気だ、コイツ。

「おお、晃ぁー……」

 オオムカデンダルがおかしな声を出す。
どっから出てるんだ、その声は。

「俺はプニーフタールの力を利用したい。封印されたままでは困る」

 困るのはこっちだ。
やはりコイツを仲間にしたのは間違いだったのだ。

「ほらな?これで二対二だ」

 オオムカデンダルが嬉しそうに言う。

「いや、二対三だろう」

 俺はフィエステリアームを横目で見た。

「フィエステリアームは興味が無いと言っただけだ。反対とは言っていない」

 幹部のくせに往生際が悪いぞ。

「令子だ。令子を呼んでくれ」

 オオムカデンダルはついに令子まで呼び出した。
どうでも良い事だが、何だかんだ言っても公正に多数決を取ろうとする所がオオムカデンダルらしいと言えばらしいな。
幹部のくせに。

「判りました。少々お待ち下さい」

 管理人が令子を呼び出した。
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