見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

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七〇二

 プニーフタール復活を諦めきれない奴。
誰だ。

「本当に判らないのか?呆れた奴だねぇ」

 オオムカデンダルが本当に呆れたと言う風に俺を見た。
やめろ、そんな風に見るなよ。

「ま、いいさ。どうせその時が来れば明らかになるんだ」

 良くないだろ。
防ぐ為にも先に行動しなければ。

「良いんだよ。物事には優先順位と言う物がある。今はそっちは後回しだ」

 邪神復活阻止よりも優先させる事などある訳が無い。

「向こうが動かないとこっちも動けないだろが。それともお前は相手の出方が判るとでも言うのか?さっきまで済んだ事だと思って安心しきっていたくせに?」

 それは……確かに。
なんかスマン。

「慌てなさんな。慌てる乞食は貰いが少ないってね」

 オオムカデンダルはそう言ってシートに深くもたれ掛かった。
ほどなくして、メタルシェルがアジトに到着する。

 俺はモヤモヤしたまま広間に向かった。

 がちゃ

 扉を開けるとカルタスたちが揃っている。
何してるんだ。

「お、レオ」

 カルタスが俺を見つけて声を掛けた。

「なんだ。全員揃って」

 ガイやバルバ、晃も揃っているのは珍しい。
全員がモニターを見上げている。
俺もモニターに目を移した。

 なんだありゃ。

「王国軍よ」

 王国軍?
先日進軍してきてた奴か?
まだ居るのか。

「先日のとは別口よ。また改めて進軍して来たみたい」

 ヴァルキリーのリーオはどうした。

「……居ないわ」

 オレコが言った。
居ない?
いったい、いつから?

「判らないわ。でもレオたちが出掛けた後にはもう姿が見えなかったわ」

 つまり何か。
あれはヴァルキリーのリーオが率いているのか。
何の為に。

 いや、ヴァルキリーは人間の理屈とは違う理屈で動いている。
価値観も常識も俺たちとは全く別だ。
考えるだけ時間の無駄かもしれない。

「面白い」

 オオムカデンダルがいつの間にか横に立っている。

「この進路はココじゃないだろ」

 確かに。
もっと北寄りの進路だ。
この先にあるのは。

「西の繁華街」

 オレコが呟く。

「西の繁華街だと。ケッ、奪いに来たって訳か」

 カルタスが嫌悪感丸出しで吐き出した。
映像が拡大される。

「……リーオの姿が見えないな」

 俺はヴァルキリーを探したが見当たらない。
ヤツの差し金じゃ無いのか。

「さあね。ま、俺たちの力を知った今、わざわざ前線に出てくるとも思えんが」

 だったらなんでわざわざ侵攻してくる必要があるんだ。
前線だろうが後方だろうが、勝てない戦いに兵を投じる意味が判らん。

「僕たちと戦わなくても良いんだろ」

 蜻蛉洲が言った。
居たのか。
気が付かなかった。

「西の繁華街さえ取れれば良いんだ。僕たちとは戦わないつもりだな」

 俺たちを無視しても、そんなのすぐ取り返されるに決まっている。

「住民を人質に取られたら、君は取り返せるのかい?」

 それは。

「ま、僕なら関係無く取り返せるが、君らには無理だろう。この男も嫌がるだろうしね」

 蜻蛉洲はそう言って、オオムカデンダルを横目で見た。

「だったらすぐに西の繁華街を防衛しに出ねえと!」

 カルタスが立ち上がる。

「まあ、待てよ」

 オオムカデンダルがモニターを見ながら言った。
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