704 / 826
七〇三
なんで出ないんだ。
このままだと西の繁華街を取られてしまう。
ソル殿下とせっかく契約を取り付けたのに。
「良いから、このまま静観だ。管理人、銀猫を呼べ」
「了解しました」
天井から管理人の声がする。
銀猫をどうするつもりだ。
「はい。銀猫です」
すぐに銀猫が通信に出た。
「今、そっちに王国の大軍が進軍している。銀猫、お前に指揮を任せる。どこまで抵抗できるかやってみろ」
「はっ、お任せ下さい」
銀猫はそう言うと、通信を切った。
銀猫に指揮を任せる?
どう言う事だ。
オオムカデンダルは黙ってモニターを見ている。
俺たちにも黙って見ていろと言う事なのか。
街の至る所が映し出される。
「敵の軍隊が接近中。対象、カッパー王国正規軍。ネオジョルト戦闘員は各自、戦闘配置に付け。非戦闘員は地下公民館にて支援準備」
街中に銀猫の声が響き渡る。
スピーカーも複数設置されているのか。
銀猫の声を聞いて、住民は一瞬色めきだった。
しかしすぐに、全員が足早に移動を始める。
「おおいっ!戦闘員はこっちに集合だ!みんな、気合い入れろよおっ!」
あれは宿屋の親父だ。
元気そうだな。
いや、そんな事よりもあの親父、戦闘員のリーダーなのか。
かあん!かあん!かあん!
「二班はこっちだよ!グズグズするんじゃないよ!ほら、走って!」
別の場所ではおばさんが鍋をおたまで叩いて声を張り上げた。
あれは、確か食堂のおばさんだ。
あのおばさんも戦闘員リーダーなのか。
俺は驚いた。
全然知らなかった。
住民たちは家から飛び出すと、それぞれの場所へと集まっていく。
全員がネオジョルトの紋様の入ったベルト、ブーツ、手袋、胸当て、そして兜のような物を被っている。
「なんだあの兜は」
カルタスが呟く。
「軽くて丈夫、通信機能と酸素供給が可能なヘルメットだ。例え煙や毒ガスに巻かれても、一定時間なら堪えられる。暗視機能と光学望遠機能も付いている」
蜻蛉洲がどことなく得意気に説明した。
こう言う時の蜻蛉洲は少し感情が見えやすいな。
「すげえな……俺たちの装備よりも良いんじゃねえか?」
「君たちは装備など無くてもモンスター級だろ。彼らは強化処置を施されているとは言え、ただの民間人だ」
蜻蛉洲がカルタスに言う。
確かにあそこに居るのは、普通のオヤジやおばさんたちも多い。
戦闘力も多少上がっているだろうが、特徴はやはり戦闘員の数と連携による戦闘だろう。
その為の通信装置であり、各種機能なのだ。
「実践は初めてだからな、俺も興味深い」
オオムカデンダルはそう言うと、嬉しそうに椅子に腰を下ろした。
「オオムカデンダル様、敵はどのように致しましょうか?」
銀猫の声が聞こえる。
「全て任せる。日頃の成果を見せてみろ」
「了解しました」
全権委任か。
銀猫に相当期待しているな。
「ふふふ、幸運な事に、うちは良い人材に恵まれているな。レオのお陰かな」
オオムカデンダルが俺を見た。
おだてには乗らんぞ。
俺はそう言いながら、自分も手に汗を握っている事に気が付いた。
このままだと西の繁華街を取られてしまう。
ソル殿下とせっかく契約を取り付けたのに。
「良いから、このまま静観だ。管理人、銀猫を呼べ」
「了解しました」
天井から管理人の声がする。
銀猫をどうするつもりだ。
「はい。銀猫です」
すぐに銀猫が通信に出た。
「今、そっちに王国の大軍が進軍している。銀猫、お前に指揮を任せる。どこまで抵抗できるかやってみろ」
「はっ、お任せ下さい」
銀猫はそう言うと、通信を切った。
銀猫に指揮を任せる?
どう言う事だ。
オオムカデンダルは黙ってモニターを見ている。
俺たちにも黙って見ていろと言う事なのか。
街の至る所が映し出される。
「敵の軍隊が接近中。対象、カッパー王国正規軍。ネオジョルト戦闘員は各自、戦闘配置に付け。非戦闘員は地下公民館にて支援準備」
街中に銀猫の声が響き渡る。
スピーカーも複数設置されているのか。
銀猫の声を聞いて、住民は一瞬色めきだった。
しかしすぐに、全員が足早に移動を始める。
「おおいっ!戦闘員はこっちに集合だ!みんな、気合い入れろよおっ!」
あれは宿屋の親父だ。
元気そうだな。
いや、そんな事よりもあの親父、戦闘員のリーダーなのか。
かあん!かあん!かあん!
「二班はこっちだよ!グズグズするんじゃないよ!ほら、走って!」
別の場所ではおばさんが鍋をおたまで叩いて声を張り上げた。
あれは、確か食堂のおばさんだ。
あのおばさんも戦闘員リーダーなのか。
俺は驚いた。
全然知らなかった。
住民たちは家から飛び出すと、それぞれの場所へと集まっていく。
全員がネオジョルトの紋様の入ったベルト、ブーツ、手袋、胸当て、そして兜のような物を被っている。
「なんだあの兜は」
カルタスが呟く。
「軽くて丈夫、通信機能と酸素供給が可能なヘルメットだ。例え煙や毒ガスに巻かれても、一定時間なら堪えられる。暗視機能と光学望遠機能も付いている」
蜻蛉洲がどことなく得意気に説明した。
こう言う時の蜻蛉洲は少し感情が見えやすいな。
「すげえな……俺たちの装備よりも良いんじゃねえか?」
「君たちは装備など無くてもモンスター級だろ。彼らは強化処置を施されているとは言え、ただの民間人だ」
蜻蛉洲がカルタスに言う。
確かにあそこに居るのは、普通のオヤジやおばさんたちも多い。
戦闘力も多少上がっているだろうが、特徴はやはり戦闘員の数と連携による戦闘だろう。
その為の通信装置であり、各種機能なのだ。
「実践は初めてだからな、俺も興味深い」
オオムカデンダルはそう言うと、嬉しそうに椅子に腰を下ろした。
「オオムカデンダル様、敵はどのように致しましょうか?」
銀猫の声が聞こえる。
「全て任せる。日頃の成果を見せてみろ」
「了解しました」
全権委任か。
銀猫に相当期待しているな。
「ふふふ、幸運な事に、うちは良い人材に恵まれているな。レオのお陰かな」
オオムカデンダルが俺を見た。
おだてには乗らんぞ。
俺はそう言いながら、自分も手に汗を握っている事に気が付いた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
男装の薬師は枯れぬ花のつぼみを宿す
天岸 あおい
ファンタジー
久遠の花と呼ばれる優秀な薬師の一族。
そんな彼らを守り続けていた、守り葉と呼ばれし者たち。
守り葉として育てられた子供・みなもだったが、ある日隠れ里を襲われ、生き別れた姉・いずみや仲間たちとの再会を夢見て薬師として生きながら、行方を捜していた。
そんなみなもの元へ現れた、瀕死の重傷を負った青年レオニード。
彼との出会いがみなもの運命の歯車を動かしていく―――。
男装の麗人で、芯が強くて自分の手を汚すことを厭わない主人公と、そんな一筋縄ではいかない主人公を一途に想う、寡黙で真面目な青年の物語。
R18ではありませんが、後半は大人向けの展開になっています。
※他サイトで公開していたものを改題・改稿しております。
※今作は非BLです。期間限定で掲載致します。
【完結】1王妃は、幸せになれる?
華蓮
恋愛
サウジランド王国のルーセント王太子とクレスタ王太子妃が政略結婚だった。
側妃は、学生の頃の付き合いのマリーン。
ルーセントとマリーンは、仲が良い。ひとりぼっちのクレスタ。
そこへ、隣国の皇太子が、視察にきた。
王太子妃の進み道は、王妃?それとも、、、、?
親世代ではなかったのですか?
立木
恋愛
親世代が「乙女ゲーム時代」だったと思っていたら、子世代も「乙女ゲーム」だった。
※乙ゲー転生ですが要素は薄いです。
※別サイトにも投稿。
※短編を纏めました。