見知らぬ世界で秘密結社

小松菜

文字の大きさ
718 / 826

七一七

「総力戦のつもりか。面白い」

 オオムカデンダルの声は楽しそうだ。

「攻撃目標、デッカい亀!」

 オオムカデンダルがそう言うと、メタルシェルはアスピドケロン目掛けて突っ込んでいく。

「ミサイル発射!」

 メタルシェルからミサイルが放たれる。
それが四つ、正面からアスピドケロンの顔面を捉えた。

 ドドオォーン!
ボカアァーン!

 爆発と黒煙が立ち込める。
しかし。

 ガウーンッ!
ガウーンッ!

 アスピドケロンが二度吼えて、煙の中からヌッと顔を突き出した。
亀って鳴くのか。

 メタルシェルがギリギリでかわして後ろへ抜けていく。
アスピドケロンが大き過ぎて、後ろへ離脱するのに距離が有り過ぎる。

「うおっ!?」

 オオムカデンダルが驚きの声を上げた。
どうした。

 アスピドケロンの甲羅から何かが飛び出している。
なんだあれ。

「何だよこれ」

 オオムカデンダルが珍しく慌てた。
巨大な魚が群れを成してメタルシェルにぶつかっている。
アスピドケロンが巨大過ぎて普通に見えるが、魚一匹が牛ほどの大きさだ。

 それがまるでイワシかニシンのように集団で空を泳ぎ、その塊がメタルシェルにぶつかっていってるのだ。

「夢でも見てんのか、俺……」

 あまりの光景に俺はしばし言葉を失う。

「へっ、さすがファンタジー。何でもアリだな」

「僕が出よう」

 オオムカデンダルが言った側から蜻蛉洲が立ち上がる。
すぐにメタルシェルの外へ蜻蛉洲が出て来た。

「変身」

 メタルシェルの屋根に立つと、すぐにオニヤンマイザーへと変身する。

 たっ

 屋根を蹴って飛び上がると、背中に羽が一瞬で生えた。
そのままビーンと羽音を発てて、メタルシェルから離れていく。

 離脱していくメタルシェルを追い掛けるように魚の群れが追従する。
それを更に後ろからオニヤンマイザーが追い掛けた。

「オニヤンマシンガン」

 オニヤンマイザーの肩口から銃口が突き出ると、そのまま弾丸を乱射する。

 ドパラタタタタタタ!

 数のある敵を蹴散らすには最適の武器だな。
おびただしい数の魚がボトボトと地面に落ちていく。

 大漁だな。
あれ食えるのか。
俺はそんな事を思いながらも、正面の敵を迎え撃った。

 アスピドケロンは目前まで迫っている。
鈍いくせに無駄にデカ過ぎて、進行速度はかなり速い。

 ガーディアンもかなりの大きさだが、アスピドケロンはそれよりも更に大きい。
まったく比較にならない大きさだ。

「これだけデカけりゃ、そりゃ強いだろうよ」

 俺は呟く。
大きいと言うだけで、それはすなわち強さだ。
それが何の変哲もないただの亀だとしても、この大きさはそれだけで最強の部類になる。

 アスピドケロンは速度を維持したまま突進してくる。
おそらく攻撃しているつもりも無いんだろう。
ただ移動しているだけなのかもしれない。

 しかし、これは脅威だ。

「ドリルミサイル!」

 俺は初めて乗るにもかかわらず、そのすべての機能を理解していた。
今更驚くべき事でも無いが、頭の中にその説明が入ってくるのだ。
これは管理人がデータを俺の中に送り込んでくるせいだ。

「ドリルミサイル、発射!」

 そしてこの声を認識して武器の制御が為され、スイッチが有効になる。

 カチッ!

 ドリルミサイルのスイッチを入れる。
ガーディアンの下部からキャタピラの間を抜けて、ミサイルが発射された。
感想 238

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

【完結】1王妃は、幸せになれる?

華蓮
恋愛
サウジランド王国のルーセント王太子とクレスタ王太子妃が政略結婚だった。 側妃は、学生の頃の付き合いのマリーン。 ルーセントとマリーンは、仲が良い。ひとりぼっちのクレスタ。 そこへ、隣国の皇太子が、視察にきた。 王太子妃の進み道は、王妃?それとも、、、、?

無関心夫の手を離した公爵夫人は、異国の地で運命の香りと出会う

佐原香奈
恋愛
建国祭の夜、冷徹な公爵セドリック・グランチェスターは、妻セレスティーヌを舞踏会に残し、早々に会場を後にした。 それが、必死に縋り付いていた妻が、手を離す決意をさせたとも知らず、夜中まで仕事のことしか考えていなかった。 セドリックが帰宅すると、屋敷に残されていたのは、一通の離縁届と脱ぎ捨てられた絹の靴。そして、彼女が置いていった嗅いだことのない白檀の香りだけだった。 すべてを捨てて貿易都市カリアへ渡った彼女は、名もなき調香師「セレス」として覚醒する。 一方、消えた妻を追うセドリックの手元に届いたのは、かつての冷たい香りとは似て非なる、温かな光を宿した白檀の香水。 「これは、彼女の復讐か、それとも再生か——」 執念に駆られ、見知らぬ地へ降り立った公爵が目にしたのは、異国の貿易王の隣で、誰よりも自由に、見たこともない笑顔で微笑む「他人」となった妻の姿だった。 誤字、修正漏れ教えてくださってありがとうございます!

【完結】瑠璃色の薬草師

シマセイ
恋愛
瑠璃色の瞳を持つ公爵夫人アリアドネは、信じていた夫と親友の裏切りによって全てを奪われ、雨の夜に屋敷を追放される。 絶望の淵で彼女が見出したのは、忘れかけていた薬草への深い知識と、薬師としての秘めたる才能だった。 持ち前の気丈さと聡明さで困難を乗り越え、新たな街で薬草師として人々の信頼を得ていくアリアドネ。 しかし、胸に刻まれた裏切りの傷と復讐の誓いは消えない。 これは、偽りの愛に裁きを下し、真実の幸福と自らの手で築き上げる未来を掴むため、一人の女性が力強く再生していく物語。

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。