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七二九
モンスターの大群、十万。
本当に殲滅してしまった。
正確には討ち漏らしもあったが、それも管理人がアジト側で撃退している。
結局、湧き出た蟻や飛ぶ魚も加えると十万では利かない。
全て倒したのだ。
我ながら信じられなかった。
「何を驚くか。こんな物、当然だ」
オオムカデンダルが鼻を鳴らした。
「さて」
オオムカデンダルは話の向きを変える。
「出て来い。これだけやらかして、ここに来ていないなんて有る訳無いだろ」
オオムカデンダルが辺りに響き渡るような大きな声で怒鳴った。
「……ち、しらを切るつもりか。だから小物だと言うんだ」
オオムカデンダルの呼び掛けにも辺りは静まり返り、何の反応も答える者も無い。
「良いだろう。そうやってしらばっくれていろ。俺たちがどう言う力を持っているか思い知らせてやる」
オオムカデンダルはそう言うと、背後を振り返った。
「令子。探索だ」
「令子って言わないで。今はウロコフネタマイトよ」
「そうだったな。済まん」
ウロコフネタマイトの言葉にオオムカデンダルは素直に詫びた。
ただ、素直なのかウロコフネタマイトの圧力なのかは判らないな。
「うふふ。居るわね。少し離れているけど、そこまで遠くないわ。十時の方向、距離三〇〇よ」
「見つけたぞ」
ウロコフネタマイトの報告を聞いて、オオムカデンダルが意地の悪そうな笑い声を上げた。
「オニヤンマイザー」
「ふん」
オオムカデンダルがオニヤンマイザーに目配せする。
オニヤンマイザーは空から両手を開いて、その方向に向いた。
「クイックナパーム」
クイックナパーム。
俺にも解禁された武装だ。
俺に搭載されている武装は、おそらく彼らに搭載されている武装の改良版だ。
例えば、サフィリナックスヒューイットやサフィリナックスブレードは、オオムカデンダルにも類似の物が有るし、フィエステリアームの毒は強力すぎる上に広範囲かつ無差別に散布されるのを反省して、個別の対象に撃ち込む形に改良されて俺に受け継がれている。
俺には、四人の武装をちょっとずつ分け与えられているのだ。
材料不足で彼らほどの基本能力を実現できなかった事を、あらゆる工夫で穴埋めしたのが俺なのだ。
俺が成長すれば、それらの能力が少しずつ解放されていく。
ドカドカドカバボオオォン!
オニヤンマイザーが撃ちだしたクイックナパームが目標の地点にばら撒かれる。
辺り一面に絨毯的に攻撃を加え、面で圧迫
する。
これでは隠れる場所など無かった。
「くっ……!」
堪らず苦し紛れに何者かが飛び出してきた。
何者か、いや、ヴァルキリーだ。
「くそ、なんて奴だ……!」
ヴァルキリーが空へ逃れてこちらを睨み付けた。
「女神様は言葉が汚くていらっしゃる」
オオムカデンダルが不敵に笑った。
「さあ、アンタが始めたんだぜ。まさか後始末は知らんぷりかい?子供の頃言われたろ、遊んだ後は後片付けしなさいってな」
ああ、確かに言われたな。
別の世界でも母親の常套句なのか。
しかし、ヴァルキリーは黙ってこちらを見つめていた。
反抗的だな。
「……どうやら、お尻ペンペンが必要なようだな」
オオムカデンダルが言った。
本当に殲滅してしまった。
正確には討ち漏らしもあったが、それも管理人がアジト側で撃退している。
結局、湧き出た蟻や飛ぶ魚も加えると十万では利かない。
全て倒したのだ。
我ながら信じられなかった。
「何を驚くか。こんな物、当然だ」
オオムカデンダルが鼻を鳴らした。
「さて」
オオムカデンダルは話の向きを変える。
「出て来い。これだけやらかして、ここに来ていないなんて有る訳無いだろ」
オオムカデンダルが辺りに響き渡るような大きな声で怒鳴った。
「……ち、しらを切るつもりか。だから小物だと言うんだ」
オオムカデンダルの呼び掛けにも辺りは静まり返り、何の反応も答える者も無い。
「良いだろう。そうやってしらばっくれていろ。俺たちがどう言う力を持っているか思い知らせてやる」
オオムカデンダルはそう言うと、背後を振り返った。
「令子。探索だ」
「令子って言わないで。今はウロコフネタマイトよ」
「そうだったな。済まん」
ウロコフネタマイトの言葉にオオムカデンダルは素直に詫びた。
ただ、素直なのかウロコフネタマイトの圧力なのかは判らないな。
「うふふ。居るわね。少し離れているけど、そこまで遠くないわ。十時の方向、距離三〇〇よ」
「見つけたぞ」
ウロコフネタマイトの報告を聞いて、オオムカデンダルが意地の悪そうな笑い声を上げた。
「オニヤンマイザー」
「ふん」
オオムカデンダルがオニヤンマイザーに目配せする。
オニヤンマイザーは空から両手を開いて、その方向に向いた。
「クイックナパーム」
クイックナパーム。
俺にも解禁された武装だ。
俺に搭載されている武装は、おそらく彼らに搭載されている武装の改良版だ。
例えば、サフィリナックスヒューイットやサフィリナックスブレードは、オオムカデンダルにも類似の物が有るし、フィエステリアームの毒は強力すぎる上に広範囲かつ無差別に散布されるのを反省して、個別の対象に撃ち込む形に改良されて俺に受け継がれている。
俺には、四人の武装をちょっとずつ分け与えられているのだ。
材料不足で彼らほどの基本能力を実現できなかった事を、あらゆる工夫で穴埋めしたのが俺なのだ。
俺が成長すれば、それらの能力が少しずつ解放されていく。
ドカドカドカバボオオォン!
オニヤンマイザーが撃ちだしたクイックナパームが目標の地点にばら撒かれる。
辺り一面に絨毯的に攻撃を加え、面で圧迫
する。
これでは隠れる場所など無かった。
「くっ……!」
堪らず苦し紛れに何者かが飛び出してきた。
何者か、いや、ヴァルキリーだ。
「くそ、なんて奴だ……!」
ヴァルキリーが空へ逃れてこちらを睨み付けた。
「女神様は言葉が汚くていらっしゃる」
オオムカデンダルが不敵に笑った。
「さあ、アンタが始めたんだぜ。まさか後始末は知らんぷりかい?子供の頃言われたろ、遊んだ後は後片付けしなさいってな」
ああ、確かに言われたな。
別の世界でも母親の常套句なのか。
しかし、ヴァルキリーは黙ってこちらを見つめていた。
反抗的だな。
「……どうやら、お尻ペンペンが必要なようだな」
オオムカデンダルが言った。
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