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七五五
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「レオ」
声がして振り向くと、アニーが立っている。
「どうだった?」
「ええ、問題は無いわ。傷口が塞がるまで安静にしていれば、後はじきに良くなるわ」
そうか。
良かった。
「アニー。少し出掛けてくる」
俺はそう言って立ち上がった。
アニーがモニターを見て全てを察した。
「気を付けて……」
俺は一言、ああ、とだけ答えて再び屋敷を出た。
またボードに飛び乗ると、さっき見た男たちの後を追う。
かなりの距離でも飛べば一瞬だ。
森を抜けて、川を越えて、すぐに草原へ差し掛かる。
この後荒野が続いて、忘れられた街『ジョンビア』へと続いて行く。
街の跡が見えてきた。
話には聞くが訪れたのは初めてだ。
ここがジョンビア。
想像よりも大きな街だ。
おそらく元はこれよりももっと大きかった筈だ。
街の外周は損壊が激しく、街の外観を保てていない。
俺は近くに飛び降りて外から街を眺めた。
建物は結構残っているな。
石造りの建物が多かったせいか、中心部とおぼしき部分は建物が密集している。
ざっ、ざっ、ざっ
俺は瓦礫の荒野を歩いて街へと近付いた。
この辺りも街だった筈だ。
もう風化や破損が深刻なレベルにある事がうかがえる。
今はもう、ただの荒野だ。
近付くにつれて、次第に声が聞こえてきた。
人の気配も強まってくる。
「おらぁ!グズグズするんじゃねえ!何年掛けて運ぶ気だ!走れぇ!」
男の怒声が聞こえてくる。
うわああぁん!
うわああぁん!
子供の泣き声も混ざって聞こえてくる。
これはどうやら別の場所からの声だ。
つまり、至る所から別々にこれらの声が発せられている。
嫌な予感しかしない。
俺は辺りを見渡して警戒塔をみつけた。
そこへすかさずジャンプする。
「あ!なんだ貴さばぶっ……!」
塔に居た男を一撃で始末する。
足下に崩れ落ちる男を無視して、俺は周囲を見渡した。
あれか。
様々な所で人々が作業を強いられているのが見えた。
自分の体よりも大きな麻袋を背負わされ、たくさんの子供たちが列を作って歩いている。
子供だけでは無い。
中には大人も混じっているが、大部分は子供たちだった。
おそらく拐い易いのと、抵抗してこないからだろう。
ここはいったい何をしている場所なのか。
どさっ!
「あっ!」
子供が一人倒れた。
無理もない。
子供が背負う大きさでは無いのだ。
「てめえ!落とすなって言ってるだろうがあっ!」
それを監督していた男が棒を振り上げる。
どう見ても棍棒だ。
武器じゃないか。
あれで子供を打ち据えるなんて、死んでしまうぞ。
「うわああぁん!おかあさあん!うわああぁん!」
「やかましいっ!」
びゅんっ!
男が容赦なく棍棒を振り下ろす。
がっ!
「!」
振り下ろした男の棍棒が、すんでの所でピタリと止まる。
「な、なんだぁ、テメエはあ!?」
俺は掴まえた男の腕をギリギリと捻りあげる。
紙一重で間に合ったか。
「痛えなあ!誰だって言ってんだよ!」
男が激昂して俺を蹴った。
がっ!
がっ!
ふん。
少しも感じんな。
俺は今ほど自分が改造人間である事を、良かったと思った事は無かった。
この湧き上がる怒りのままに暴れられる事が、何よりも俺を喜ばせた。
「どれ。俺が代わりにお前を殴ってみよう」
「な、なにぃぶぅあっはあ!」
言い掛けた男を無視して、顔面に拳をめり込ませる。
どんっ
ゴロゴロゴロゴロ
血を撒き散らして男が地面を盛大に転がった。
人間相手に出して良い力では無かったが、別に何の良心の呵責も無かった。
一撃で男は絶命した。
声がして振り向くと、アニーが立っている。
「どうだった?」
「ええ、問題は無いわ。傷口が塞がるまで安静にしていれば、後はじきに良くなるわ」
そうか。
良かった。
「アニー。少し出掛けてくる」
俺はそう言って立ち上がった。
アニーがモニターを見て全てを察した。
「気を付けて……」
俺は一言、ああ、とだけ答えて再び屋敷を出た。
またボードに飛び乗ると、さっき見た男たちの後を追う。
かなりの距離でも飛べば一瞬だ。
森を抜けて、川を越えて、すぐに草原へ差し掛かる。
この後荒野が続いて、忘れられた街『ジョンビア』へと続いて行く。
街の跡が見えてきた。
話には聞くが訪れたのは初めてだ。
ここがジョンビア。
想像よりも大きな街だ。
おそらく元はこれよりももっと大きかった筈だ。
街の外周は損壊が激しく、街の外観を保てていない。
俺は近くに飛び降りて外から街を眺めた。
建物は結構残っているな。
石造りの建物が多かったせいか、中心部とおぼしき部分は建物が密集している。
ざっ、ざっ、ざっ
俺は瓦礫の荒野を歩いて街へと近付いた。
この辺りも街だった筈だ。
もう風化や破損が深刻なレベルにある事がうかがえる。
今はもう、ただの荒野だ。
近付くにつれて、次第に声が聞こえてきた。
人の気配も強まってくる。
「おらぁ!グズグズするんじゃねえ!何年掛けて運ぶ気だ!走れぇ!」
男の怒声が聞こえてくる。
うわああぁん!
うわああぁん!
子供の泣き声も混ざって聞こえてくる。
これはどうやら別の場所からの声だ。
つまり、至る所から別々にこれらの声が発せられている。
嫌な予感しかしない。
俺は辺りを見渡して警戒塔をみつけた。
そこへすかさずジャンプする。
「あ!なんだ貴さばぶっ……!」
塔に居た男を一撃で始末する。
足下に崩れ落ちる男を無視して、俺は周囲を見渡した。
あれか。
様々な所で人々が作業を強いられているのが見えた。
自分の体よりも大きな麻袋を背負わされ、たくさんの子供たちが列を作って歩いている。
子供だけでは無い。
中には大人も混じっているが、大部分は子供たちだった。
おそらく拐い易いのと、抵抗してこないからだろう。
ここはいったい何をしている場所なのか。
どさっ!
「あっ!」
子供が一人倒れた。
無理もない。
子供が背負う大きさでは無いのだ。
「てめえ!落とすなって言ってるだろうがあっ!」
それを監督していた男が棒を振り上げる。
どう見ても棍棒だ。
武器じゃないか。
あれで子供を打ち据えるなんて、死んでしまうぞ。
「うわああぁん!おかあさあん!うわああぁん!」
「やかましいっ!」
びゅんっ!
男が容赦なく棍棒を振り下ろす。
がっ!
「!」
振り下ろした男の棍棒が、すんでの所でピタリと止まる。
「な、なんだぁ、テメエはあ!?」
俺は掴まえた男の腕をギリギリと捻りあげる。
紙一重で間に合ったか。
「痛えなあ!誰だって言ってんだよ!」
男が激昂して俺を蹴った。
がっ!
がっ!
ふん。
少しも感じんな。
俺は今ほど自分が改造人間である事を、良かったと思った事は無かった。
この湧き上がる怒りのままに暴れられる事が、何よりも俺を喜ばせた。
「どれ。俺が代わりにお前を殴ってみよう」
「な、なにぃぶぅあっはあ!」
言い掛けた男を無視して、顔面に拳をめり込ませる。
どんっ
ゴロゴロゴロゴロ
血を撒き散らして男が地面を盛大に転がった。
人間相手に出して良い力では無かったが、別に何の良心の呵責も無かった。
一撃で男は絶命した。
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