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七七四
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俺は注意深く辺りを探る。
おかしな所は見逃さない。
しかし、辺りは静まり返るばかりで何も怪しい所は無い。
「どうなってる……」
俺はもう一度センサー類を確認した。
判らん。
いったい何が起こったと言うのか。
「レオ」
アニーだ。
「その辺りでおかしな揺らめきを感知してるわ」
ゆらめき?
何の事だ。
「どう言えば良いのかしら。空間?空間が揺らめいているのよ」
空間がゆらめく?
今一つピンとこなかった。
「とにかく、そう示しているわ。明らかに魔法の類だと思うんだけど……」
確かにそうだろう。
魔法抜きには起こり得ない。
じゃあどうする?
どうすれば追えるのか。
ピーピーピーピー
テクノセクトがまた反応する。
目の前にセクトビートルが飛んで来た。
俺はセクトビートルが何かを感知していると察した。
「レオ」
今度は後ろからケンが呼んだ。
男の子はどうした。
「通りかかった宿屋の女将に保護してもらった。女の子は?」
俺は首を横に振った。
「消えた」
「消えた?何を言っている」
「消えたんだ。忽然と」
「そんな馬鹿な。何の為に張り込んだんだ」
「うるせえ。判ってるよ」
俺はセクトビートルの反応を見守る。
「それ君の虫だろ?」
「ああ。何かを感じてるようなんだが」
言い掛けて俺は気配を察知した。
どんっ
「うおっ!」
俺はケンを突き飛ばした。
カカカッ!
俺とケンの間にナイフが飛んで来た。
普通のナイフじゃない。
投擲用のナイフだ。
両刃で先端が尖っている。
異様に刃の部分が大きい。
重心が刃の部分に偏っていた。
投げやすくなっているのだ。
ケンが頭を上げる。
「何者だい」
俺はケンの視線の先を追う。
屋根の上に誰かが立っている。
フード付きのケープを被っている。
あの格好はアサシン系の格好か。
「消しに来たか」
「つまり、ビンゴって事だね」
これは嗅ぎ回られるのを相手が嫌がっている事の証拠に外ならない。
素早い反応だな。
コイツが犯人か?
「姿を現したのが失敗だったね。大人しくしてよ」
ケンはそう言うと、矢のように飛び出した。
だっ!
一直線に屋根の上のアサシンに飛び掛かる。
たいした跳躍力だ。
「!」
不意を突かれてアサシンが後ろへ飛び退いた。
「逃げられないよ?」
ケンは腰から抜刀すると、そのまま下から逆袈裟斬りに切り払った。
ガキインッ!
それをとっさに投擲用のナイフで受け止める。
やるな。
「そんな武器で僕の相手は務まらない」
なおもケンが斬り込んでいく。
俺はアサシンの相手をケンに任せて、引き続き辺りを探った。
単に俺たちを消しに来たのか。
それともこの辺に秘密があるのを知られたくないのか。
どっちか判らないが今はとにかく手掛かりだ。
ピーピーピーピー
しつこくセクトビートルが同じ所を飛び回る。
なんだよ。
俺はセクトビートルに手を伸ばした。
「!?」
手が。
手が消える。
俺は驚いて手を引っ込めた。
落ち着いてもう一度手を伸ばす。
指先からゆっくりと消えていく。
まるで、ここから先は見えない世界へ続く入り口のようだ。
「ここか……!」
俺は当たりを引いた事に興奮した。
「おい、ケン!こっちだ!来い!」
俺はケンを呼んだ。
「今はそれどころじゃ無いよ!」
「良いから来い!そいつは放っておけ!」
「なんなんだよ、もー」
ケンはボヤきながら降りてきた。
「こっちだ」
俺はそう言い残して、消える先へと身を踊らせる。
「あ!おい!なんだこりゃ!?」
慌てふためくケンの声が聞こえる。
俺はそのまま先へと進んだ。
なんなんだここは。
これも魔法なのか。
魔法の隠し通路って所か。
「なんだいこれはっ!」
後ろからケンの声が聞こえる。
来たか。
しかし、うるさいなコイツ。
「待ちな」
別の声がした。
アサシンが追ってきている。
「先へ急ぐぞ」
俺はアサシンを無視して先へと走った。
おかしな所は見逃さない。
しかし、辺りは静まり返るばかりで何も怪しい所は無い。
「どうなってる……」
俺はもう一度センサー類を確認した。
判らん。
いったい何が起こったと言うのか。
「レオ」
アニーだ。
「その辺りでおかしな揺らめきを感知してるわ」
ゆらめき?
何の事だ。
「どう言えば良いのかしら。空間?空間が揺らめいているのよ」
空間がゆらめく?
今一つピンとこなかった。
「とにかく、そう示しているわ。明らかに魔法の類だと思うんだけど……」
確かにそうだろう。
魔法抜きには起こり得ない。
じゃあどうする?
どうすれば追えるのか。
ピーピーピーピー
テクノセクトがまた反応する。
目の前にセクトビートルが飛んで来た。
俺はセクトビートルが何かを感知していると察した。
「レオ」
今度は後ろからケンが呼んだ。
男の子はどうした。
「通りかかった宿屋の女将に保護してもらった。女の子は?」
俺は首を横に振った。
「消えた」
「消えた?何を言っている」
「消えたんだ。忽然と」
「そんな馬鹿な。何の為に張り込んだんだ」
「うるせえ。判ってるよ」
俺はセクトビートルの反応を見守る。
「それ君の虫だろ?」
「ああ。何かを感じてるようなんだが」
言い掛けて俺は気配を察知した。
どんっ
「うおっ!」
俺はケンを突き飛ばした。
カカカッ!
俺とケンの間にナイフが飛んで来た。
普通のナイフじゃない。
投擲用のナイフだ。
両刃で先端が尖っている。
異様に刃の部分が大きい。
重心が刃の部分に偏っていた。
投げやすくなっているのだ。
ケンが頭を上げる。
「何者だい」
俺はケンの視線の先を追う。
屋根の上に誰かが立っている。
フード付きのケープを被っている。
あの格好はアサシン系の格好か。
「消しに来たか」
「つまり、ビンゴって事だね」
これは嗅ぎ回られるのを相手が嫌がっている事の証拠に外ならない。
素早い反応だな。
コイツが犯人か?
「姿を現したのが失敗だったね。大人しくしてよ」
ケンはそう言うと、矢のように飛び出した。
だっ!
一直線に屋根の上のアサシンに飛び掛かる。
たいした跳躍力だ。
「!」
不意を突かれてアサシンが後ろへ飛び退いた。
「逃げられないよ?」
ケンは腰から抜刀すると、そのまま下から逆袈裟斬りに切り払った。
ガキインッ!
それをとっさに投擲用のナイフで受け止める。
やるな。
「そんな武器で僕の相手は務まらない」
なおもケンが斬り込んでいく。
俺はアサシンの相手をケンに任せて、引き続き辺りを探った。
単に俺たちを消しに来たのか。
それともこの辺に秘密があるのを知られたくないのか。
どっちか判らないが今はとにかく手掛かりだ。
ピーピーピーピー
しつこくセクトビートルが同じ所を飛び回る。
なんだよ。
俺はセクトビートルに手を伸ばした。
「!?」
手が。
手が消える。
俺は驚いて手を引っ込めた。
落ち着いてもう一度手を伸ばす。
指先からゆっくりと消えていく。
まるで、ここから先は見えない世界へ続く入り口のようだ。
「ここか……!」
俺は当たりを引いた事に興奮した。
「おい、ケン!こっちだ!来い!」
俺はケンを呼んだ。
「今はそれどころじゃ無いよ!」
「良いから来い!そいつは放っておけ!」
「なんなんだよ、もー」
ケンはボヤきながら降りてきた。
「こっちだ」
俺はそう言い残して、消える先へと身を踊らせる。
「あ!おい!なんだこりゃ!?」
慌てふためくケンの声が聞こえる。
俺はそのまま先へと進んだ。
なんなんだここは。
これも魔法なのか。
魔法の隠し通路って所か。
「なんだいこれはっ!」
後ろからケンの声が聞こえる。
来たか。
しかし、うるさいなコイツ。
「待ちな」
別の声がした。
アサシンが追ってきている。
「先へ急ぐぞ」
俺はアサシンを無視して先へと走った。
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