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八一五
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低空で突っ込む。
足から滑り込んで王の足をカニばさみに捉える。
「む!?」
王は慌てたが逃がしはしない。
そのまま脚を絡めると、王のかかとを掴まえた。
アキレス腱固め。
「ぐああああっ!」
王が激痛に悲鳴を上げる。
痛いだろう。
これは関節技のふりをした激痛を強いる技だ。
屈強の戦士でもこれに耐えるのは難しい。
「ぐううぅ……!」
王はそれを強引に引っこ抜く。
「信じられんな。やせ我慢出来るレベルでは無いぞ」
俺は驚嘆した。
だが、無傷で抜けられるほど甘くも無い。
王は立ち上がる。
その脚は完全に回復しきれていない。
フラフラだ。
俺は更に攻め手を加える。
「どうした?もっと技をご所望だったのでは無いのか?」
俺は王に言った。
しかしもう、王にはそんな余裕は無かった。
脚を引きずりながら、王は逃れようと距離を取る。
もう一度滑り込む。
ズザザザザ
そこからカニばさみ、王の足を取る。
同じ流れだ。
「余に同じ技は通用せんぞ!」
王が余裕で切り返して来た。
さすがだ。
一度見た技は本当に通用しないらしい。
だが。
そこから変化する。
今度はトゥホールド。
王は瞬間的に反応して俺の腕を蹴った。
ズボッ
そこから足を引き抜いてトゥホールドから逃れる。
もう適応しつつある。
だがまだまだ。
がしっ
今度はそこからアンクルロック。
王はこれにも反応する。
俺は更に変化する。
膝十字固め。
「ぐおお!」
王は悲鳴を上げる。
ガッチリ決まった。
これは逃れられまい。
「ぐああっ!」
王は再び力任せに脱出した。
ビキビキッ
膝からおかしな音がした。
無事では済むまい。
そろそろ決着か。
王はフラつきながらも立ち上がる。
恐るべき執念だ。
「まだだ!まだやられぬ!」
ここまで勝利に執念を燃やすのは何故か。
やはり王として負けられないと言う事か。
「王よ!おやめ下さい!王国に巣くう巨悪を退治する為、この男は必要なのです!」
ケンが王に直訴する。
「なに?」
「この王国には国民を己の欲望の為に消費する極悪な者たちがおります!それを明らかにし、殲滅するのに彼は戦っているのです!」
「……この者は我が国民か?」
「そ、それは……」
ケンが言いよどむ。
「そうでないなら余計な世話よ。我が国の事に勝手に首を突っ込むなど他国の間者やもしれぬ」
「そうですとも!このケンもろとも処断すべきですぞ!」
宰相が勢いを取り戻す。
「もう良い、ケン。この戦闘狂は国民の事など微塵も興味が無い。有るのは自分の欲求を満たす事と国を存続させる事だけだ。まるで自分の持ち物だと勘違いしている」
「違うのか」
王がせせら笑う。
「その違いも判らんのに王様気分か。やはりお前は王の器では無い」
「抜かせ!」
国王が吼えた。
「余には王としての天から与えられたギフトがある!誰であろうと王には勝てぬのだ!」
ギフトだと?
俺はとどめを刺すべく王に躍り掛かった。
その時。
王が反応する。
速い。
まだ体勢にも入っていないのに動き出している。
そして、まるで知っていたかのように低空タックルをかわし、上から俺を叩き伏せた。
どかっ!
「ぐっ!?」
俺は驚く。
技の起こりには既に反応していた。
「貴様の動きなど、余にとっては遅すぎてアクビが出るわい」
急にどうしたんだ。
また反応を予見したかのような動き。
何かしらタネが有るのは間違いないとウロコフネタマイトは言っていた。
これが王のスキルか。
まさか、予知と言うのでは無いだろうな。
それではどうあがいても勝つのは不可能だ。
左のジャブ。
かわされた。
続いて右ストレート。
これもかわされた。
意表を付いて後ろ回し蹴り。
と見せ掛けて、そこから水面蹴り。
更に変化してカニばさみ。
だがそれら全てがことごとくかわされた。
信じられん。
これで捉えられないなら、もうどうやっても捉えられまい。
「ふふふふ。それだけか?」
そう笑う王の瞳に何かが映っているのに気付いた。
なんだ?
何かの模様?
俺はそれをジッと凝視した。
あれは、クロノスの紋章。
クロノスとは時間を司る神だ。
その紋章が何故?
いや、それ以前にさっきまであんな紋章があったか。
俺は記憶を辿った。
足から滑り込んで王の足をカニばさみに捉える。
「む!?」
王は慌てたが逃がしはしない。
そのまま脚を絡めると、王のかかとを掴まえた。
アキレス腱固め。
「ぐああああっ!」
王が激痛に悲鳴を上げる。
痛いだろう。
これは関節技のふりをした激痛を強いる技だ。
屈強の戦士でもこれに耐えるのは難しい。
「ぐううぅ……!」
王はそれを強引に引っこ抜く。
「信じられんな。やせ我慢出来るレベルでは無いぞ」
俺は驚嘆した。
だが、無傷で抜けられるほど甘くも無い。
王は立ち上がる。
その脚は完全に回復しきれていない。
フラフラだ。
俺は更に攻め手を加える。
「どうした?もっと技をご所望だったのでは無いのか?」
俺は王に言った。
しかしもう、王にはそんな余裕は無かった。
脚を引きずりながら、王は逃れようと距離を取る。
もう一度滑り込む。
ズザザザザ
そこからカニばさみ、王の足を取る。
同じ流れだ。
「余に同じ技は通用せんぞ!」
王が余裕で切り返して来た。
さすがだ。
一度見た技は本当に通用しないらしい。
だが。
そこから変化する。
今度はトゥホールド。
王は瞬間的に反応して俺の腕を蹴った。
ズボッ
そこから足を引き抜いてトゥホールドから逃れる。
もう適応しつつある。
だがまだまだ。
がしっ
今度はそこからアンクルロック。
王はこれにも反応する。
俺は更に変化する。
膝十字固め。
「ぐおお!」
王は悲鳴を上げる。
ガッチリ決まった。
これは逃れられまい。
「ぐああっ!」
王は再び力任せに脱出した。
ビキビキッ
膝からおかしな音がした。
無事では済むまい。
そろそろ決着か。
王はフラつきながらも立ち上がる。
恐るべき執念だ。
「まだだ!まだやられぬ!」
ここまで勝利に執念を燃やすのは何故か。
やはり王として負けられないと言う事か。
「王よ!おやめ下さい!王国に巣くう巨悪を退治する為、この男は必要なのです!」
ケンが王に直訴する。
「なに?」
「この王国には国民を己の欲望の為に消費する極悪な者たちがおります!それを明らかにし、殲滅するのに彼は戦っているのです!」
「……この者は我が国民か?」
「そ、それは……」
ケンが言いよどむ。
「そうでないなら余計な世話よ。我が国の事に勝手に首を突っ込むなど他国の間者やもしれぬ」
「そうですとも!このケンもろとも処断すべきですぞ!」
宰相が勢いを取り戻す。
「もう良い、ケン。この戦闘狂は国民の事など微塵も興味が無い。有るのは自分の欲求を満たす事と国を存続させる事だけだ。まるで自分の持ち物だと勘違いしている」
「違うのか」
王がせせら笑う。
「その違いも判らんのに王様気分か。やはりお前は王の器では無い」
「抜かせ!」
国王が吼えた。
「余には王としての天から与えられたギフトがある!誰であろうと王には勝てぬのだ!」
ギフトだと?
俺はとどめを刺すべく王に躍り掛かった。
その時。
王が反応する。
速い。
まだ体勢にも入っていないのに動き出している。
そして、まるで知っていたかのように低空タックルをかわし、上から俺を叩き伏せた。
どかっ!
「ぐっ!?」
俺は驚く。
技の起こりには既に反応していた。
「貴様の動きなど、余にとっては遅すぎてアクビが出るわい」
急にどうしたんだ。
また反応を予見したかのような動き。
何かしらタネが有るのは間違いないとウロコフネタマイトは言っていた。
これが王のスキルか。
まさか、予知と言うのでは無いだろうな。
それではどうあがいても勝つのは不可能だ。
左のジャブ。
かわされた。
続いて右ストレート。
これもかわされた。
意表を付いて後ろ回し蹴り。
と見せ掛けて、そこから水面蹴り。
更に変化してカニばさみ。
だがそれら全てがことごとくかわされた。
信じられん。
これで捉えられないなら、もうどうやっても捉えられまい。
「ふふふふ。それだけか?」
そう笑う王の瞳に何かが映っているのに気付いた。
なんだ?
何かの模様?
俺はそれをジッと凝視した。
あれは、クロノスの紋章。
クロノスとは時間を司る神だ。
その紋章が何故?
いや、それ以前にさっきまであんな紋章があったか。
俺は記憶を辿った。
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