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入院前⑴

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 私が自分の股関節が悪いと気づいたのは、『股関節脱臼』の診断を受けたからでござる。
 ござるて。
 スマホが「ござ」まで打つと、何故か「ござる」が先に出る仕様。うっかりそちらをタップして再び「ござる」が一番に出る。またまた誤タップ。以下、永遠のループ……。

 とまた、激しくどうでもいいことを長々と。
 とにかく、いい大人になるまで私は、自分の股関節が悪いとは知りませんでした。
 当時の私は、就業中ほぼ座りっぱなしの仕事で腰痛が酷く、病院に行ってレントゲン検査で判明したわけです。腰はなんともなかったけど。

 で、病気はわかったものの、どうしようもない、とドクターは言うではありませんか。
「痛くなって、歩行に障害をきたすようになったら人工股関節にするしかないです。それはいつかわかりません。とりあえず、病気を知っていただいて予防の体操をしてみたりしましょう」
 と、『変形性股関節症』の冊子を貰いました。

 その後の私は、頭の片隅には『私はこんな病気を持っているんだ』という認識はあるものの、そのことを全然意識することなく過ごして◯年。(◯には、皆さま、それぞれ好きな数字を入れてください。一桁でも二桁でも三桁wでも)

 2018年、私はすご~く久しぶり(十年ぶりくらい?)に近所のお医者様に診察してもらったところ、「状態が良くないので、今後の手術を見据えて大きな病院で診てもらいましょう」と診断されてしまいました。
 紹介状を書いてもらって、私は自宅近くの市立病院に向かいました。

 その時は、レントゲンやCT検査を二回(二度目は半年後に)受けました。その結果、「変形が末期まで進行しているが、手術するには及ばない。手術は出来るだけ先延ばしした方がいいので、しばらくは従来通り、痛い時は体操してやり過ごして、我慢できない時はかかりつけ医の先生のところで痛み止めを貰って下さい」と言われ、一旦近所のお医者様に戻されました。

 それからまたまた、月日は百代の過客にして。
 って、おい。
 私のスマホは、一体いつの時代に作られたのでしょうか。なぜ予測変換は古文が一番に出るの?

 それは置いといて。
 ◯◯◯禍もあり、すっかりお医者様から足が遠のいておりました2022年。

 久しぶりに近所の先生に診てもらったところ、「四年前と比べて、相当悪くなっています。これはもう手術を考えなくては」と言われてしまいました。
 私は右股関節が悪いのですが、関節は潰れ、繋ぎ目の軟骨も無くなり、骨と骨が直接ぶつかり合う状態。右足が左足より三センチも短くなっている、とも。

 自分でもわかっていたことでした。
 だって最近は、左足しか動かせていない状態で、右足を引きずるようにして歩いていたもので。跛行はこうってやつ。
 右足と左足の太さも違うんですよ。右足の筋肉は、すっかり落ちて細くなっています。

 その場で、先生が市立病院の予約を取って下さり、一週間後、私は約三年ぶりに市立病院の整形外科を訪れました。
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